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狼は嘘をつく  作者: 山神ゆうき
病院三大美声
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15/15

14・誘導されるオオカミと歌うリス

俺は診察室に運ばれていく恵聖(けいと)を診察室のドアが閉まるまで見送っていた。


「ちっ!お見舞いに来たときに診察ってついてねぇ。」


俺は恵聖の診察を待とうか考えたが、正直にいうとまだ会うかどうか悩んでいるので今日は帰ろうと思った。


「♪~♪♪~♪~」


俺が数歩歩き出したとき、背後からとても綺麗な歌声が聞こえてきた。歩き出した足を止め、後ろを振り返る。どうやら歌声は恵聖の部屋の2つ隣から聴こえてくるようだ。


誰かが歌っているという音楽に合わせたようにリズムよく微かに聞こえる歌声で、なんの曲かはわからない。

それにとても美しい声で自然と誰が歌っているのか気になり、足を歌声がする方向に向け歩き出していた。


声の主がいる部屋に近付く度にその歌がなんの歌なのか分かりだした。しかし、その曲を言い表すなら熱血のはずなのだが、声の主は自分のペースなのか、ゆっくりと優しく歌っている。


「この歌詞は『魔法少女アイドル@スリー』の・・・。」


そう俺が呟いたときにはもう声の主の部屋の前であった。213号室の部屋の名札を見る。


『有栖山(ありすやま) くるみ』と書いてあった。


俺は誰かに操られているように手をドアノブに伸ばしてノックも忘れ、ドアを開ける。


ガチャリ!


歌声は聞こえているのに、ドアを開ける鈍い音が大きく響いたような気がした。


その音に歌声もピタッと止まる。俺はそっとドアから頭だけ出し中を覗いた。すると、そのには2人の女の子が驚いた顔で俺の方を見ているのであった。

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