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18話


 バキィィィィィィン___


 ナハートの振るった雷槍から紫電が舞い、何とかかざした俺の素剣とぶつかり合い派手な音が響く。だがそれだけだ。雷槍はどうやら質量をもたないらしく、腕部を強化された俺にとっては十分押し返せる程度の重さしかなかった。さらにいえば、雷が剣を伝って流れてくるようなこともなく、実体を持つのかもよくわからない雷とつばぜり合いを演じている。



 『金剋木』五行思想においては、すなわち『金気』は『木気』につ。実際のところはよく知らないが、漫画なんかではよく『雷』や『風』はよく『木気』に分類されていたため(そもそもアスカの知っている漫画で、五行を扱うものはそこまで多いわけではなかったのだが)何とかうまくいったようだ。

「っら!」

 剣を握る手にさらに力を込めナハートを突き放す。戦略的な行為ではなく、ただ武器を持った存在が目の前にいることに耐えられなかったからだ。



「……さすがの僕も、開いた口がふさがらないよ!今のは『心剣』かい?Aランクの魔法だぞ!」

 端正な顔を驚愕に染めるナハートの様子に少し引きながら、意識をわずかにティーナに向ける。

「え……あ、『心剣』っていうのは、実体無きものを斬る魔法で、高位の使い手なら精霊や思念体も斬れるって話よ?」

 習得難度に対して使い勝手が悪く、使い手がいなくなりほぼ『遺失魔法』となっているらしい。その割には知名度が高いなぁ、とか見当違いな方向で感心しておく。



「まあ、確かに予想をはるかに超える魔法だったが、だからと言ってここで引き下がるつもりはない!さあ、次だ!」


 バヂィィィィ___


 ぇ?『それなりのものは持っているようだな』とか言って終わらせるルートじゃなかったのか!今回も何とか剣を盾にして防いだが、ナハートはヒットアンドアウェイを基本にするのか高速で離れていった。腕力を強化しているおかげで何とか間に合ったが、心臓がバクバク言っている。

「(移動速度は、速い、けど、槍を振るう、速度は、並かな?)」

「(……)」

 決闘中は助言しないってことかな?とにかく、俺の方は反応速度は並だが攻撃を認識してからの防御が早いのでイーブンというわけだ。とはいえ……



(このままじゃジリ貧だ)

 本来ならナハートの一撃を防いで終わりがベストだったわけだが、世の中そんなに甘くないってことか。そして、防いでだめならもう選択肢は1つしかない。

「では、こちらも、行く、ぞ!」

 自身の声に合わせて地面を思いっきり蹴る。思いのほか速いが、朝のこともあり何とか転ばずに済んだ。

「……っつ!!!」


 ガキィバギィィィ___


 その走り始めた直後の硬直を逃さずナハートの二連撃が来た。これも何とか防いだが、それ以上に深刻だったのが胴部への衝撃だ。

(く、強化してない部位にダメージが来るって……、そういえば腹筋と背筋って上半身と下半身を繋げる重要な筋肉だって、テレビで言ってた気がする……!)

 そう、アスカは別にナハートの攻撃を食らったわけではない。ただ、強化した部位の動きに他の部位が付いて行かないのである。

「っらぁ!!」



 それでも今更止まることも、さらに強化をすることもできない。前者は的になることを意味し、後者は……

(ティーナを置いてけぼりにしちった)

 打開策を探し焦っていたのだと今更ながらに悔やまれるが、後の祭りというものだ。なるべく体に負担のかからない走りを心がけつつ、ナハートと刃を交える。このままではただ負けるのを先延ばしにしているだけと知りつつ……


 チッ、バチィィィィィィイ___


 そして、最後となった一撃を受け止めると同時に、剣を覆っていた『金剋木』の魔力を散らしその余波の電撃により、アスカは意識を断った。



 アスカは、心剣(偽)と身体強化(未)の使用が可能となった。



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