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グリフィン乗りのレイラ  作者: とと
誕生 編

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アロイスの考察 ① アロイス 視点

読んでいただきありがとうございます。

学院編の前に、アロイス視点を何話か投稿します。

よろしくお願いします。

レーアと出会えて、俺は人間になれた。


幼い頃は、何にも興味が持てなくて無表情。


乳母や教育係の話は、知っていることばかりで詰まらない、そのうち口は動いているが、聞こえてこなくなった。


どんな本も、一度読めば理解が出来る。


唯一。物心ついた時から一緒に居る、ワイバーンのラキだけは、そばにいると安心するし、進んで世話もしていた。


淡々とつまらない毎日を、過ごし、俺が5歳になった頃…………。


その日は、月明かりも無い、漆黒の闇が広がる夜だった。


「ラキ、どうした?」


ベッドで、一緒に寝ていたラキが、突然窓の方に飛んでいく。


「ギャー。ギャー」


こんなに興奮している、ラキを見るのは初めてだ。


俺は、ベッドから勢いよく飛び出して、ラキと一緒に窓の外を見る。


「なんだ、あれ?」


王宮に、いくつもの稲妻が放たれて、白煙が上がっている。


「ラキ。行ってみよう」


俺は、パジャマのまま、ラキに飛び乗り、王宮に向かう。


近づくと、どす黒い魔力が渦を巻く。


「うっつ」


あまりの悪意に、思わず俺は、眼を閉じた。


「ぎゃああああああああ」


けたたましい叫び声に、目を開けると、王宮から閃光が放たれ、黒い魔力が小さくなっていく。


少しすると、半壊した王宮から、傷だらけのグリフィンが、飛び立つ。


「ラキ。急げ!グリフィンを追え」


ラキは、スピードを上げる。


「なんて速さだ、あのグリフィン!ラキ急げ、俺はあのグリフィンが、咥えている包みが欲しい」


グリフィンの包みに、どうにも興味が沸きあがり、抑えられない。


ラキは、肩で息をするほど、加速し飛んだが、距離はどんどん開き、グリフィンは、闇の中に消えて行った。


「ラキ。ありがと、王宮に行ってみよう」


…………ラキがもし、成獣であったならば…………。


俺は悔しくて、強く拳を握る。


王宮に戻ると、生まれたばかりの王女殿下が、最古の魔女に襲われ、グリフィンに助けられて、何とか魔女を消滅させたが、甚大な被害が残された。


部屋は半壊し、王妃様は重症、近衛兵はほぼ全滅、そして王女は攫われた。


その日以来、俺は、攫われた王女のことばかり考えて過ごす。


できるだけ情報が掴みやすいように、王宮に隣接する、魔塔に入り浸るようにして、騎士団にも出入りする。


学院には、入学式だけ出て、直ぐに飛び級で卒業した。


魔塔長になり3年、漸く有力な情報が入る。


今回こそ、絶対に見つけ出す。


情報を元に、第一王子のルイと騎士団長と、一緒に片目のグリフィンが、目撃された街に向かう。


どうしてか、今回は胸騒ぎがする、そして、見つけられると幕芯がある。


町に着いてからは、彼女の気配を感じる。


彼女の気配に、胸がパンパンに膨れるような感覚が、ずっと続いていて苦しい……生まれて初めての感覚に、どうすればいいかわからない。


隣村の彼女の下へ、はやる気持ちを抑えながら向かう。


村では、魔女の妨害にあったが、ついに彼女に出会った。


迷いの魔法が溶けて、視界が開けた先に見えた光景は、今でも脳裏に焼き付いている。


透き通るほど白い肌に、澄んだわか紫色の大きな瞳…………。


俺達を見て、彼女はさらに瞳を大きくした。


「わあ!変身した」


心地よく、かわいらしい声が聞こえた。


彼女はグリフィンの後ろに素早く隠れ、ひょっこりと顔を覗かせる。


今すぐ、抱きしめたい~!が、グッとこらえる。


その後も、ルイのバカていないな説明や、ラミ様のレーアへの思い(長いがこれは仕方ない)、などなど、あの時間は死ぬほど長く、人生最大の苦行だった。


苦行を乗り越え、漸く俺はレーアと言葉を交わす。


ラミ様の家に泊ることになり、食後のお茶で、俺はレーアの隣を死守した。


自分のこと、グリフィンのこと、とにかく思いつく限りの話をした、人に好意を持ってもらうには、どうすればいいんだ…………。


夜も更けてきて、ルイの話を聞きいていると、レーアの首が、コクリコクリ揺れて、瞼が重そうになる。


「眠いかい?」


レーアの顔を、覗き込もうとすると、俺の肩にレーアの頭が、もたれかかる。


「レイラ…………。」


俺はそっと、レーアの頭を膝に乗せ、横に置いてあった上着を掛ける。


レーアの呼吸と体温が、直接伝わってきて……俺の心臓は一度激しく爆発したが、その後は、心地よいレーアの魔力に、俺も人前で眠りそうになった。


触れただけで、驚くほど滑らかに混ざる魔力に、もう二度とレーアから離れず、必ず守ると決めた。






(#^^#)

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