↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/41

参拾漆.不穏

次の話は、ちょっとだけ早めに投稿します。


まさに、地獄絵図。


威勢よく手を挙げていた4校の生徒達が一斉に地面に崩れ落ちている。


片膝を付き、肩で息をしている生徒の数が両手で事足りるほど。


残りの生徒は俯せ、仰向け、柱に背を預ける形等、様々な体勢で気絶している。



─────以下ダイ(DIE)ジェスト



1校目のチャレンジャー(いのちしらず)


白扇(はくおう)女子高等学校──


「お!まずは、お前らか!いっちょ揉んでやりまっか!」


両手をポキポキと鳴らしながら、ニヤニヤする紫乃。


「くっ…バカにしやがって!!」


「部長!私達全員でかかれば、あんな奴…」

白扇の女生徒AとBが滾る。



「へー、血気お盛んってか?いいぜ…お前らのタイミングでかかってこいよ」

右手をクイクイさせて煽る紫乃。


「舐めやがって…かかれ!!」

部長のひと声で全員が一斉に、紫乃に斬りかかる。


「おいおい、横一列(よこいち)に並んで飛びかかってくるなんざ、初心者かよ!!横に薙いでくれって言ってるみたいなもんだぜえ!!!!」


そう言うと、紫乃は大刀を遠心力を使って、一気に横に振り抜く。


「ドッ…コイセーー!!!!!」


白扇女子全員を巻き込む強烈な横薙ぎ。


「ぐあああっ!!!!」

「きゃあぁぁあ!!!!」

「かはっ!!!!!」


断末魔は大体3種類。


全員のリストゲージはあっという間に赤になっていた。


「うわー、ザッコー。勢いだけじゃねえか。ほい!次!」

 



2校目以下略


「みんな!!いくぞぉぉぉぉぉ!!」


「ふわぁ〜…はいはい、作業作業ぉぉぉ!!!!」


欠伸をしながら片手で大刀をぶん回す、紫乃。



「おい…あいつ、片手で大刀ブン回してねえ?」


「あ、ああ…」


六花と神楽がドン引いている。




…3校目。


「み、みんな…い、一斉に行くぞ…」


「は、はいい…」


3校目ともなると、2校の瞬殺ぶりに、怖じ気づき、女生徒達の闘志は完全に削がれていた。


「チッ…早く来いやああ!!」


なかなか斬りかかって来ない相手校に紫乃の苛立ちが爆発した。


容赦なく襲いかかる大刀になすすべもなく、ふっ飛ばされる3校目の生徒達。




ラスト4校目───


全員確実に戦意を喪失したのか、両手を挙げて降参の意を示していた。


「ん?なんだ?それ」


紫乃は不思議そうに問いかける。


「いや…降参の…」


「降参なんて認めねえつってんだろうが!!!!」


「は、初めて聞きましたー!!」


紫乃の容赦ない一撃。


両手を挙げたままふっ飛ばされる4校目の生徒達。


「ケッ…威勢だけで、歯ごたえもクソもねえなあ?」


「紫乃ちゃん!女の子がクソなんて使っちゃダメだよ!」


「へいへい、クソすんませんでしたーっと」


「もう!」


桐の注意も、紫乃には効果が薄いようだ。





──────DIEジェスト終了



「…っ」


「……」


想像を絶する惨状を前に、残りの4校の生徒達は棒のように立ち尽くすしかなかった。


「さて、挙手をしなかった、お前達は多少なりとも分を弁えているといったところか…」


「まあ、腰抜けともとれるが」


「…くっ…誰が…っ!!」


紫乃の煽りを受け、反論しようとした六花を片手で静止する神楽。


「フン…悔しければ、本戰まで上がってくるんだな」


「もう!紫乃ちゃん!」


「へいへい。つーわけで、参加校は半分になっちまったが、今から、予選を始める!参加校は…えーっと…。わりぃ、桐、続き頼むわ」


「もう!紫乃ちゃん!興味ないとかいう問題じゃないよ!」


「…コホン。今回の予選参加校は4校である。」



「1校目!灯東(ともりひがし)高等学校!」


「2校目!祭王子(さいおうじ)女子高等学校!」


「3校目!上藤(かみふじ)高等学校!」


綺羅女にとっては因縁の高校の名前をあげられた瞬間に、六花、神楽、まくらの3人がひりついた。



「最後に4校目!綺羅星(きらぼし)女学園高等学校!」


「以上、4校である!続いて、1戦目の組み合わせを発表する!」


「灯東高等学校vs上藤高等学校!!」


「今から30分後、1戦目開始の館内アナウンスが流れるので、対戦校はバトルフィールドのそれぞれの入り口に待機するように!それ以外の学校の生徒達は、各々の学校専用の控え室で待機するか、1戦目開始までの間、自由行動とする!それでは、解散!」


「さっきの、ちっちぇえ箱じゃなくて、ちゃんとした、競技フィールドで戦ってもらうからな。しょうもねえ試合するなよ?」


続けて紫乃が煽る。


「もう!紫乃ちゃん!」


「ほんじゃま、各校頑張れよー」

紫乃はひらひらと手を振り、桐と一緒に奥の扉へ消えていった。




────────



「はえー、なんか…すごかったですねえ…」


雨千夏が感嘆の声をあげる。


「ああ、さすが、参桜の1人が在籍する学校なだけはあるな」

神楽が続ける。


「本戰行くようなガッコの奴らって、あんなバケモンばっかいるのかよ…」

六花が頭を抑えながら声をあげる。


「───まさか、もう、本戰に出る気でいるのか?めでたさは変わらねえな、綺羅女は」


「あん?」

六花は声のした方に向き直る。


少し遅れて他の綺羅女メンバー達もその方向を見やる。

5人の女生徒が立っていた。


上藤の生徒達だった。


「…てめえらは!!」

六花が拳を強く握る。


「六花ちゃん、落ち着いて…」

まくらが六花をなだめる。


「──ああ、うちは大丈夫だ」


「驚いたよ、参加校に綺羅女の名前を見て、まさかとは思ったが」


「てめえ…羽柴(はしば)ぁ…」


「おっと、また暴力は勘弁してくれよ?クク…」


「あの時のようにはならないさ…私達も無意味に過ごしてきたわけじゃない」

神楽は羽柴に対し素敵な笑みを浮かべる。


「んな事より、てめえらも初戦敗退とかいうダッセー事になんねえといいけどなあ?」

六花が煽る。


「ふん…抜かせ。行くよ、お前達」

羽柴はそう言うと、他のメンバーを連れて会場の奥へと消えていった。


「クソ…!!あいつの顔見ると腸(はらわた)が煮えくり返るぜ…」

六花は地団駄を踏みながら、頭をかいた。


「六花ちゃん…」


「あ、あの…さっきの人達って、前に神楽さんがお話してくれた…」


「ああ、上藤高等学校。因縁の相手だよ」


「ふん…見たところ、そこまで大したことはなさそうだが?」

瑠璃が嘲(あざけ)るように笑う。


「実力的にはそうかもしれんが、あれから向こうも成長してるかもしれん、侮るのはやめたほうがいい」

神楽が釘を刺す。


「さて、私達は時間まで、控え室で待機するとしようか」

「だな、座りてーし」

神楽達は、自分達の学校の控え室に向けて歩き出した。





───30分後


ピンポンパーンポーンというチャイムが建物内に鳴り響く。館内放送だ。


「えー、本日の1戦目の灯東高等学校と、上藤高等学校試合ですが────」


館内に設置された全てのスピーカーが伝えたのは、1戦目の開始のアナウンスではなく─────



「ただいま、灯東高等学校の、メンバー1名負傷との連絡がございました。これにより、予選参加の条件、各校の代表は必ず5名揃える事。の項目を満たせなくなりましたので、灯東高等学校は失格、上藤高等学校の不戦勝といたしまして、予選決勝には上藤高等学校が進出する事になりました────」



ダンッ!!!!


控え室で放送を聴いていた、六花が机を叩きながら立ち上がる。

先ほどまで六花が座っていた椅子も、勢いよく、ガランと音を立て床に転がっている。



「⋯上藤ぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。