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心灯  作者: 飴モザイク
10/11

癖。―壱―

今回は前の二話に比べると、

少しほっとするような話を書いていきます。


…息抜きとか言えない(ボソッ

幼い時、

私はよく母方の祖父母の家へ遊びに行っていた。






――――――――――――――――――



「 あぁー! おじいちゃんまたねてる!!」



祖父の部屋に入ると

畳に横になり、テレビを見ている祖父が目に入った。




てとてと と近づき

枕元に置かれたリモコンを拾ってテレビの電源を切る


ごろりと寝転がって目を閉じている祖父の上に乗っかり 跳び跳ねる私に





「 ……寝てない。」


と、重く口を開けてぶっきらぼうにそう言う。




「 ねてたね!テレビもったいないじゃん!」



「 ……寝てない。」




「 ねてましたぁ! 」





こんな感じのやり取りを繰り返した後に、肩車をしてもらうのが

彼と私の定番の流れだった。



祖父と一緒に常にはしゃいでいたのを今でも覚えている。



―――――――――――――――――――




「 今じゃ考えられないけど…… 」



「 懐かしいわねぇ… 」




苦笑まじりに話した私に、

祖母も苦笑いをしながら答えた




その後も、何気ない話は続く


最近どう?とか、 ニュースがどうとか、、、そんな感じの話。





不意に、会話が途切れて

手の中の湯飲みを互いにぼうっと見つめる。






しばし、微睡むような、、

心地良い沈黙を破ったのは祖母だった。






「 そう言えば…… あなたが昔、こっちに来てた時。

一度だけ家出したことあったでしょう? 」





「 そんなことあったっけ? 」






湯飲みの中のお茶の流れに身を任せ

茶葉が同じところをゆっくりとクルクル回っている




「 あったのよ。 それが…

あの時のお父さんの慌てようと言ったら…… ふふっ 」





懐かしそうに目を細めて微笑む祖母の顔を見ながら

脳をフルに回転させて、頭の中をまさぐる。







「 あっ! 思い出した! 」



思い出した。





― そんなこともあったのだ。




私は、記憶の隅にあったその思い出を引っ張り出すと

すっかり埃を被ってしまっているそれに大きく息を吹き掛けた。

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