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シェア傘ラプソディ♪  作者: 宮本葵
6月3週目「生徒会役員選挙」
16/27

6月16日「湊くんならできるもん。」

あとで加筆します。投稿遅れてすみません。

最近多くてすみません。結構忙しいんですよ。

昼休み。

チャイムが鳴ると同時に、俺は呼び出されて生徒会室に向かった。

多分昨日の“推薦”の件だろう。


「君が湊くんか。推薦の件、確認しておきたいんだけど」


生徒会長が鋭い視線を向けてくる。

机の上には、推薦名簿が整然と並んでいた。


「……はい」


「立候補じゃなく推薦だから、君が受けるかどうかは自由。ただし、今日中に返事をもらわないと困るんだ」


俺は無言で視線を落とす。

机の木目が妙に鮮明に目に入って、返事が喉にひっかかる。


「……すぐに答えは出せないか?」


会長は腕を組んでため息をついた。


「仕方ない。今日中、放課後までに決めてくれ。全校演説は明日から始まるしな。」


「……わかりました」


部屋を出ると、心臓がドクドクとうるさい。


(なんで俺がこんなことを……)


トボトボと歩いていると、背後から呼び止める声がした。


「湊!」


振り返ると、生徒会役員で推薦した張本人――雨音が、息を切らして立っていた。


「ごめん、急に推薦なんてして……でも、湊くんなら絶対できるって思ったの!」


「……雨音」


本当は“やめてくれ”って言いたかった。

でも、その真っ直ぐな瞳を見てると、言葉が出てこない。


「俺、向いてないよ」


「そんなことない。……あのね、私、湊くんが困ってるときに前に出てくれたの、ずっと見てた。だから――」


廊下に響くチャイムが、彼女の言葉をかき消す。

午後の授業の始まりを告げる音。


「……ごめん、考える」


そう答えるのが精一杯だった。

雨音は小さくうなずいて、俯いた。


~~~~~~~~~~~~


放課後、生徒会室へ向かう。返事をするためだ。

心臓はまだドキドキしていて、手が汗で少し湿っていた。

雨音が俺の横をすっと歩く。


「……湊、考えた?」


「う、うん……多分」


「多分って……?」


少し首をかしげて、俺を見上げる雨音。

その目が真剣で、どこか不安そうで、胸が締め付けられる。


「……俺、やるよ。生徒会、受ける」


雨音の顔がぱっと明るくなる。


「やった! やっぱり湊くんならできるって信じてた!」


「……でも、条件がある」


俺は少しだけ間を置く。


「無理に人気とか作らなくていい。俺なりにやりたいし。」


雨音は笑ってうなずく。


「もちろん! それで十分だよ。湊くんのままでいてくれればいい」


――その瞬間、なんだか肩の荷が少し軽くなった気がした。


廊下の窓から、薄暗い空が見える。

雨の匂いと、帰りの傘の湿った匂い。

これからの一週間、どうなるかは分からない。

でも、隣にいる雨音が楽しそうに笑っているだけで、少し心が落ち着いた。


「じゃあ、明日から演説か……」

「うん! 一緒に頑張ろうね、湊くん!」


胸の奥に、少し熱いものを感じながら、俺は小さく頷いた。


――決めた。やると。雨音の期待を裏切らないように、俺なりに。


~~~~~~~~~~~~


生徒会長に推薦を受けることを報告した後、雨音と一緒に下校することになった。

校門を出ると、まだ空はどんよりと曇って雨が降っている。傘をさす手に少し力が入る。


「ねえ、湊くん、今日決めてくれてありがとう」


雨音が軽く笑う。けれど、その笑顔はいつもの陽キャの軽さではなく、少し安堵したような表情だった。


「うん、まあ……決めたからにはやるしかないな」


俺は肩をすくめて答える。


二人で歩く道は、雨で濡れていて、足元から水しぶきがあがる。

肩が自然に触れそうで、触れない距離。けれど、心は少し近くなった気がした。


「今日から本格的に演説だね」


雨音が楽しそうに言う。


「うん……まあ、緊張するけど」


「大丈夫だよ。湊くんならできるもん。私がついてるし」


その言葉に、少し胸が熱くなる。


(……雨音って、俺のこと本当に信じてくれてるんだな)


雨音はふと立ち止まり、傘の角度を少し変えた。


「……あ、濡れてない?」


「大丈夫……。俺は右手がなくならない限り生きてられるしな、フハハハハ!」


つい、いつもの口調で冗談めかして言った。


雨音はにっこり笑って、軽く腕をぶつけてくる。


「ふふ、頼もしいんだから、もう」


傘の下で交わす小さな笑顔。

雨の音が遠くに消えて、二人だけの静かな世界が広がった。


――雨の日が好きになれるかもしれないがまだ嫌いだ。

でも、雨音と歩く帰り道は、少しだけ特別な時間のように思えた。

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-著者 宮本葵-
茨城県南部出身。中学2年生。最近、何かと運が悪い。やばいと思い、神社へ駆け込み、お祈りをしていたら、たまたま知り合いと会った。小説を書いていて、まあまあ見られていることを話すと、絶対嘘だろと馬鹿にされたので、あとで、スタ連をしておいた。また、どうも最近は小説を書けない。書けなさすぎて、頭が痛くなって、毎日投稿ストップしてました。すみません。

宮本葵の全作品
誰も信用できなくなった俺の前に、明日から転校してくる美少女が現れた。
<ラブコメ作家>は<恋>しなきゃ!
僕の中学校生活がループしているので抜け出したいと思います。
Silens&Silentia シレンス・シレンティア
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