6月15日「1週間の振り返りですよ」
あとで加筆します。遅れてすみません。
最近こういうこと多くてすみません。結構忙しいので頑張ってはいるのですが…。
昨日の夕飯も今日の朝ごはんも喉を通らず、ベッドに転がって天井を見上げる。
(……何で俺なんだよ。生徒会なんて。俺のキャラじゃないだろ。)
頭を抱えていると、スマホが震えた。
画面には「俊介」。
「……もしもし」
『推薦されちゃったお坊ちゃまのご機嫌はいかがですか?』
「やめろ。その呼び方やめろ。……マジで死ぬかと思ったんだけど」
『いやいや、クラス全員爆笑してたぞ。湊が生徒会に推薦されたとか、ギャップでウケ狙いすぎだろって。雨音さんのことだからそんなことはないだろうけどよ。』
「笑いごとじゃねえ!」
そこに、グループ通話の通知がピコンと入る。
俊介が勝手に追加したらしい。
『おっす湊! 生徒会長になるんだって!?』
『おめでとうございます副会長!』
『次期会計だろ!』
――うるせえ。
ゲーム仲間の奴らや、中学からの友人まで揃って勝手に盛り上がっている。
「いやいやいや!推薦されただけで、まだ承諾してないからな!?俺は断る気満々だから!」
『でもさぁ、あの雨音ちゃんが真剣に推薦したんだろ?』
俊介がわざとらしく真面目な声を出す。
『あれ、ガチだったぜ。お前に全幅の信頼置いてる感じ。……断ったら泣くんじゃね?』
「……っ」
否定できなかった。
あのまっすぐな瞳を思い出すだけで、胸がざわつく。
『ほらなー! 沈黙した! 絶対気にしてんじゃん!』
『湊、ついにヒロインに背負わされたな』
『青春してるわぁ〜』
『ヒューヒュー、お暑いお暑いっ!』
「うるせぇ!!」
叫んでも、笑い声がスマホ越しに響くだけだった。
『で、結局どうすんの?』
俊介が最後に落ち着いた声で問う。
俺は少し間を置いて答える。
「……正直、まだ分からん。でも、あいつがあんな顔で頼んでくるの、初めて見たんだよな。」
通話の向こうで一瞬、誰も茶化さなかった。
その沈黙が逆に重くて、俺はごろりとベッドの上で寝返りを打った。
「まあ……明日、ちゃんと答えるよ。」
そう言って通話を切った。
部屋に残る静けさの中で、俺はため息をついた。
(生徒会なんて……俺の人生設計に入ってなかったんだけどな。)
けれど、不思議と完全には嫌じゃない自分に気づいていた。
~~~~~~~~~~~~
同日夜。
部屋の天井を見つめながら、私はずっとスマホを手にしていた。
(……やっぱり、断られちゃうかな)
ぐるぐると不安が頭を巡る。
どうしても耐えられなくて、私は親友の奈々子に電話をかけた。
「もしもし?奈々子?今大丈夫?」
『おー、雨音?うん、課題終わらせたところ。なーに、声暗いじゃん』
「……ちょっとね。あのさ、湊のことなんだけど」
『あー!ついに呼び捨て!はいはい、好きなんでしょ?』
「ちょ、ちが……いや、違わなくないけど!」
顔が熱くなるのを隠せない。
『で、どうしたの?』
「今日ね、私……生徒会の推薦で湊…くんの名前出しちゃって」
『は!? なにそれ、爆弾投下してんじゃん!』
「だ、だって! あの場であの流れで……ああいうときの湊くんなら、ちゃんとやってくれると思ったの!」
必死に言い訳してる自分に気づく。
電話の向こうで、奈々子はクスクス笑った。
『ふーん。で、推薦した本当の理由は?』
「…………」
口をつぐんだ私に、奈々子はため息をついて続けた。
『雨音、あんたさ、分かりやすいんだよ。湊くんと一緒に帰ってる時の顔とか、クラスでちょっと目が合ったときとか。もう全部“好きです”って書いてある。』
「や、やめてよ……恥ずかしい」
枕に顔を押し付ける。
でも、図星すぎて何も言えない。
『で、湊くんはどうなの?』
「分かんない。いつも嫌そうに“また相合傘かよ”とか言うけど……でも、ちゃんと傘に入れてくれるし。濡れたら自分のハンカチで拭いてくれたりとか……。優しいんだよ、すごく。」
思わず、声が小さくなった。
『はい、完全に恋じゃん。』
「…………」
『でも、推薦された本人はどう思ってるんだろうね。雨音が押し付けたって思ってるかもよ?』
「……それでもいいの。嫌われても。あのときの湊くんを見て、思っちゃったんだ。もっと、あの人に自信を持ってほしいって」
電話口がしばらく静かになった。
やがて奈々子が優しい声で言った。
『……雨音はさ、ほんといい子だよ。好きな人のために泣けるなんて。たぶん湊くんも、あんたに救われてる。』
涙腺が少し緩んで、目頭が熱くなる。
「……ありがと、奈々子」
『ほら、泣いてんじゃん。泣き虫。』
「うるさい!」
拗ねた声を出しながら、私は小さく笑った。
スマホを置いて、濡れた目をタオルで拭う。
(……どうか、伝わりますように)
夜の雨音に、そっと願いを託した。
さて、無事投稿できたことだし、次週(もう入ってますが)予告!
なんと、生徒会に推薦されてしまった湊が演説!?
雨音と帰れない日も出てくる中、期待に応えられるように全力で頑張っている湊を雨音が見て…!!




