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シェア傘ラプソディ♪  作者: 宮本葵
6月2週目「親衛隊撲滅大作戦」
12/26

6月12日「ふふっ、湊くん、頼もしいじゃん。」

まだ雨が続く今日の朝。


教室に入った瞬間、妙な気配を感じた。俺の机の上に小さな水滴が残っている。ぞっとして机の中を確認すると――空っぽ。


(あのときのラノベの件から学んで、今日は何も入れてなかったからよかったけど……完全に狙われてるな。)


「湊、何かあった?」


雨音が気づいて、小声で尋ねてきた。


「机が濡れてただけだ。物は入れてなかったからセーフ。」


「……そっか。」


その返事と同時に、彼女の目がきゅっと細くなる。昨日よりさらに強く、暗い光を宿していた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


放課後。


俺と雨音、そして俊介と奈々子の4人は図書室横のベンチに集合していた。


「で、俺が呼ばれたわけは?」

「で、私が呼ばれたわけは?」


俊介はパンをかじりながら俺を見て、奈々子は雨音の方をあくびしながら言った。

奈々子とは、少ししか話したことがないが、まさか雨音の親友だったとは知らなかったな。


「親衛隊の件だ。昨日の氷もそうだし、今日も嫌がらせがあった。正直、このまま放っといたらヤバいと思って。」


と俺が説明する。


「まあな。で、どうするんだ?」


と俊介が聞いてくる。


「証拠を集める。」


雨音が即答した。


「先生に訴えても“言った言わない”で終わる可能性があるからね。だから現行犯、あるいは物的証拠を押さえる必要がある。」


「……あの…雨音さん?刑事か何かですか?」


俊介が呆れ気味にツッコむ。


「うるさい。これは私と湊の問題なんだから。あと、呼び捨てでいいから。」


「私も巻き込まれてるんだけどな……」


「細かいことは気にしない!」


強引に会話を進める雨音に、俊介と奈々子は肩をすくめた。


「まあいいや。じゃあ俺は裏方やるわ。防犯カメラの位置とか調べておくし。あと、怪しい奴の動きは観察して記録する。」


「あ〜!それ、私もやる〜!」


「頼んだよ、俊介。」

「頼んだよ、奈々子。」


「おう。ただし、俺は目立ちたくないからな。黒子役で頼む。」

「私裏方だからね!」


どうも親衛隊のやつと直接やり合いたくないらしい。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


その帰り道。

まだ雨が降っていた。相合傘をしながら歩いていると、雨音がぽつりと呟く。


「……湊、怖くない?」


「正直、めちゃくちゃ怖い。上級生も多いし、俺なんかボコられたら一発で終わるかもな。」


「だよね。でもさ、ここで引いたら一生“雨音=親衛隊の持ち物”ってレッテルが残っちゃうから、絶対倒したい!」


雨音の声は震えていなかった。

俺はそれを聞いて、逆に背筋が伸びた。


「……わかったよ。俺も最後まで付き合う。」


「ふふっ、湊くん、頼もしいじゃん。一緒にがんばろ!」


そう言って雨音が笑った瞬間、なぜか雨が少しだけ弱まった気がした。


――こうして、今日は作戦会議が終わり、明日からは、いよいよ親衛隊との直接対決になる。

俺も、頑張らないと!

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-著者 宮本葵-
茨城県南部出身。中学2年生。最近、何かと運が悪い。やばいと思い、神社へ駆け込み、お祈りをしていたら、たまたま知り合いと会った。小説を書いていて、まあまあ見られていることを話すと、絶対嘘だろと馬鹿にされたので、あとで、スタ連をしておいた。また、どうも最近は小説を書けない。書けなさすぎて、頭が痛くなって、毎日投稿ストップしてました。すみません。

宮本葵の他作品
誰も信用できなくなった俺の前に、明日から転校してくる美少女が現れた。
僕の中学校生活がループしているので抜け出したいと思います。
Silens&Silentia シレンス・シレンティア
最後の7日間 〜吹奏楽コンクール県大会まで〜
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