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【2万PV、届きました】私、実は選ばれし魔法少女なんですけど…推しが多すぎて困ってます  作者: 藍瀬 七


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第48話 お願い、目を覚まして

瓦礫の中から、ついに世未の姿が見つかる。

ユリアたちは再び神殿跡地に向かい、全力で復旧作業にあたっていた。

重傷を負った世未の安否を祈る中、物語は新たな局面を迎える――。

 瓦礫の中から、ようやくその姿が現れた。


「世未……!」

 

 ジョーは震える手で世未の肩を抱え上げた。

 

 その瞬間、周囲からも歓声や安堵の声が漏れる。

しかし、すぐに空気が凍りつく。


 世未の体は土埃にまみれ、顔色は酷く青ざめていた。

一人の兵士が急いで脈と呼吸を確認する。


「呼吸は……ある! だが危険だ、すぐに搬送しろ!」


 その声に反応して、救助隊が一斉に動き出す。

世未は急いでストレッチャーに乗せられ、土の国の医療施設へと運ばれていった。


 搬送されるまでに、ユリアは願いを込めて回復魔法を唱える。

とても重い怪我だらけだった傷が、みるみるうちに良くなっていくのがわかる。


 意識が戻らなかった世未は、兵士たちだけで搬送される予定だった。

しかし、どうしても側にいたいというジョーの強い願いから、彼だけが同行を許された。


 残ったルロンド隊長と皆は、工事を始めるための下準備を手伝うことに専念する。


 仲間たちの会話が、少し離れた場所からでも耳に届いてくる。


「世未ちゃん、無事で良かったわね……」

 ラトが少し涙ぐんだ。


「うん、一時は本当に無事なのか不安だったよ」

 続いてディーンも呟く。


「アタイたちがやった事は、きっと無駄にならないはずさ」

 アディは胸に手を当て、希望に満ちた表情をしている。


「世未はきっと大丈夫だ。回復することを願おう」

 ルロンド隊長は、神妙な面持ちでいた。


 ジョーはその声に背中を押されるように、世未の元へ歩き出した。


 土の国の病院へと運び込まれた世未は、すぐに入院することになった。

ジョーは、処置室の外でただ祈るように時間を過ごしていた。


 世未の意識が戻るまで、自分にできることは限られている――

そう分かっていても、そばを離れる気にはなれなかった。


「皆越さんでしたか?」

 世未の入院している部屋に、ナースが入ってきた。


「はい、付き添いで来ているんです」


「同伴されるのであれば、寝泊まりする準備をして頂きたいのです。

夜になるまでにお支度をされた方がいいかと思われますよ。あと、こちらの紙にサインをお願いします」


 差し出された紙は、世未の入院を許可するための同意書だった。

その他緊急時の対応や治療方針などが細かく記載されている。


「……これにサインすれば、世未は助かるんですか?」


「……治療してみなければわかりませんが、全力を尽くしていきます」

 そこに世未の担当をしていた医者が現れた。


「私たちはできる限りの治療をします。

でも……目を覚ますかどうかは、この子自身の力にかかっていると思います。だからこそ、治療をさせてあげて下さい」


「……わかりました」


 サインを済ませたジョーは、そっとペンを置いた。

立ち上がりかけた足を、一瞬だけ止める。


(今は離れるけど……すぐ戻る。だから、待っててくれ)


 後ろ髪を引かれる思いで、病室を後にした。


(絶対すぐ戻るからな……心配しないでくれよ)


 ♦♦♦


 (世未の怪我はユリアのおかげで、だいぶ良くなっているはずだ。

 けれど、今は身体のどこが問題なのか、もっと詳しく聞けないだろうか……)


 戻ったら医者に訊いてみよう。

 それにしても、自分の服を買うなんて久しぶりすぎて、頭が追いつかない……)


「もしこのまま目を覚まさなかったら――」


 その考えが脳裏をよぎり、ジョーは首を振ってかき消した。

いまは信じるしかない。彼女の生命力を。彼女自身の力を――。


 ♦♦♦


 それから病室へ戻り、世未の顔を見る。

まだ意識は戻っていないが、側にいるとなんだか落ち着く。


 掛布団から世未の手を出し、握りしめる。

どうか早く目を覚ましてくれますようにと、祈らずにはいられなかった。


 翌朝、検査の付き添いでナースに案内され、検査室へと入った。

静かに機械音が響く中、ジョーはベッドに寝かされている世未のそばに立っていた。


(世未……目を覚ましてくれ……)


 そのとき――

 世未の右手の指が、かすかに動いた。


 空気が一瞬止まったように感じた。

 音も光も、すべてが遠のいた中で、ジョーは世未の手をじっと見つめた。


「……今の、気のせい……?」


 ジョーは自分の目を疑ったが、医者にもナースにも言えず、黙って世未の手をそっと握りしめた。


(お願いだから……戻ってきてくれよ……)


 ジョーはもう一度、そっとその小さな指先を握りしめた。

信じていた。――必ず、彼女は戻ってくると。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

少し緊迫した場面が続きましたが、登場人物たちの想いを感じていただけていたら嬉しいです。

次回からも、一歩ずつ前へ進んでいく姿を描いていきますので、どうぞ見守っていてくださいね。

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