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馬面の水着回
焼き肉のタレとの激しい戦いをはじめたサタンコック主催のバーベキューが出来たのはその3日後になった。タレ作りに3年待って欲しいと最初に言っていたのは却下だ。
海辺でのバーベキュー大会は大盛り上がり。
普段着ではなく水着姿の魔物達も女性方は美人ぞろいで絵になる。セルキー達は元々海の魔物だから大喜び。お休みの日には来ていいんだよ? え? お休みがない? フィル君どうなってるのさ。
天狗達のフンドシ姿は定番過ぎて嵌りっぷりがヤバイ。ドンッ! って後ろに見える。
アーリマンやドワーフにもフンドシブーム到来。水辺と海辺以外では禁止に。
バインバイン様もご降臨。どこで聞きつけた?
ウサギ様は雑食の模様。ずっと、ずうーーーっと食べてた。どこにそんなに入る。
筋肉様はグレートシンガルと遠泳に。意味わからん。
ナラヴィー様、無理に来なくてもいいですよ? え、無理やり連れてこられた? すぐ帰る?
あ、はい。後で新鮮な海鮮をお供えしておきます。調理済みがいい? 畏まりました。
ビーチバレー流行れっ! と思ったが真っ先にコアが飽きた。残念。
騎馬戦は流行った、ドワーフ/ドワッジの男共に。迫力半端ねぇ。
オロボスのビキニ姿の絵はすごかった…馬面で体はグラビアアイドル。すんごかった。
シヴィーとミリアとエメラ様の水着姿は素直にエロかった。
ノイとコアは水着のチョイスが可愛かった。
フィル? 腹筋は割れてたよ。
「来週、夜会を行うから参加するように」
「夜会? ナラヴィー様。それってなんですか?」
バーベキュー中にそんな事を言われる。
「ダンジョンマスターの会合だよ。侵入者に襲われてて死ぬってレベルじゃなかったら来てくれ。従者は2人までな」
「夜会ということは、アレですか? オシャレしていった方がいいですか?」
「種族によってだからそこはそれぞれ任せてる。人型の連中は完全武装してくるかドレスアップしてくるかって感じかな?」
完全武装かぁ。自分の装備なんか持ってないや。
「今日みたいな感じじゃないが、まあ立食パーティだな。他にも普段はショップで扱っていない魔物や武具のオークション、それと神々への謁見も可能になってる。まあ全員来るわけじゃないが」
「そうですか」
オークションは面白そうだ。
「まあマスター同士の情報交換の場と思ってくれればいいさ」
「分かりました、緊急を要する事態が起きなければ参加させて頂きます」
「おう、それじゃあ…」
ナラヴィー様の手が軽く光ると、そこには白い封筒が現れる。
「招待状だ。当日はこれを持って神殿へ来てくれ。迎えをよこす」
「有難うございます」
「待ってるな。じゃあ帰る」
「お忙しい中有難うございます」
「いいよ、メシごちそうさん。またお土産頼むな」
水着姿のフィルが無言で重箱の包みをオレに渡してくる。
うん、良くできた男だ。
「こちらをお持ち帰り下さい。他の料理は後程お送りさせて頂きます」
「悪いな、それじゃ」
そう言うとシュンと姿を消す。
「忙しそうですね」
「その夜会のご準備じゃないですか?」
なるほど、忙しい理由はそれか。




