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釣りなんて何年もやってない
「これで完了っと」
ケレンセリッシュ様が無事に帰ったので改めて屋敷と神殿を4Fに移動させた。
3日待ったよ。
神殿をおしゃれにするため、湖の中に小島を作ってそこに設置。
「うん、なんか大分神聖感が出たな」
「神聖感ってなんだ神聖感って」
横のコアが呆れたような声を出す。
「えー? よくねぇ?」
「別にいいけどな、早速釣りしようぜ」
「釣り具は…ドワッジに作らせるか」
あいつら今は各種族達の生活必需品ばかり作ってるし。
「えーDPで出そうぜー、すぐじゃん」
「それもそうだな」
「餌はDPじゃ出せないんじゃ」
「出せるぞ、魚のご飯だからな」
ご飯カテゴリーで出せるらしい。
「おぉ、木製のリールなんかあるんだ」
「趣味アイテムらしいけどな、あたしの場合こっちしか出せない」
釣り竿も木製だ。
「釣り餌も付けて、良し」
「アユム様」
「どーした? シヴィーもやるか?」
「いえ、エルフィンとオロボスを」
「「 あ 」」
オレとコアの声が重なる。
「えーっと何人だっけ…オロボスを1人とエルフィンを10人か。コア、頼んだ」
「はいよー」
コアが手を振ると、光が現れて合計11人の魔物が現れた。
「出て来たなー。お前達、しっかり働けよー」
「「「「「 畏まりました!! 」」」」」
白衣姿の研究員、美男美女揃いの色白エルフことエルフィン軍団。
同じく白衣姿、エルフィンよりも体の起伏のはっきりした女性型のオロボス。
馬面っぷりがやべぇ!
「オロボス、お前は魔法薬や魔道具の作成の陣頭指揮を行ってくれ」
オレは怪我の治療薬と魔力回復薬をオロボスに渡した。
「このエリア内で採取出来る物でこれらの薬の再現と改善をして貰いたい。特に味な」
オロボスは渡された薬の入った瓶の臭いを嗅ぎ分けている。
「必要ならもっと数を出すから、その時は言ってくれ。エルフィン達も遠慮せずに言うように」
「「「「「 ありがとうございます! 」」」」」
「ブヒヒン! よろしくお願いします!」
「あと魔道具も作れるんだよな? リリア達…エルダードリアード達に話を聞いて彼女らが欲している農具やら採取道具を作ってやってくれ」
「農具ですか…あの、マスターの防御アイテムなどは宜しいので? ブヒヒン」
防御アイテムか。
「防御アイテムはまずコロ用かな?」
ウチの最初の関門だ。
「研究棟へ連れていきますね。リリア達に引き継ぎしてきます。アユム様、あまり遠くへ行かないで下さいませ」
「釣りしてるから動かないよー」
一瞬で全員を魔法で運ぶシヴィー。
「戻りました」
「早いな」
「リリア達に引き渡すだけですから」
じゃあ改めて釣りをしよう。
オレは既に釣りを始めていたコアの横に座り、釣り糸を湖に垂らす。
浮島の神殿からミリアが飛んできた。
「おー、ミリアが飛んでるの初めてみた」
天使なのにね。
「我が主、リーサとラッシーセルキー達が渡れません。あと移動する場合は事前に教えて下さい」
あ、ミリア達には言ってなかった。
ミリア、ちょっと怒ってる?




