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乙女ってなんだろうね。
「しかし、ダンジョンコアとは小さいものだったのですね」
オレの手の中にいるコアをまじまじと見つめるシヴィー。
「え? コアってこのくらいの大きさだぞ?」
「コア様の本体ですよね? もっとこう、このくらいの…」
シヴィーが手を大きく広げる。一抱えありそうな大きさ。
「そんな大きさならオレが運べないって。オレが塔を作った時なんか、オレはコアと2人だけだったんだから」
「おお、お二人とこのダンジョンの創生の話っ! ゆっくりお聞きしたいです!」
「また今度な」
コアルームを警備するリビングガーディアンに、軽く手を振りコアルームに入る。
「は?」
でかくなってる!
圧迫感が半端なくなってる!
狭い!
てか占い師座布団頭に申し訳程度に乗っけてるだけじゃねえか! 机はどこいった!?
『どうよマスター、あたしの成長ぶり』
「ダンジョンコアって育つものなのか…」
野球のボールくらいの大きさだったのに、今は公園のモニュメントくらいになってる!
『コアってのは経験や時間じゃ成長しないからなぁ。DP使いまくればでかくなれるんだ。まあそろそろ頭打ちだけどな』
際限なく大きくなるわけではないらしい。
「んー? でも少し手狭だな。少し広げて天井を高くするか? 狭い方が落ち着くならそのままでもいいけど」
食事などをここでする訳ではないからセルキーとブラウニー1人ずつだけでも清潔は保たれているが。
「是非お願いいたします。このままではお世話のし甲斐がありませんから」
「―♪」
担当のセルキーが言いブラウニーが踊る。
「とりあえず、新しい座布団か。どうせならアラクネ達に作って貰うか?」
農園で森の管理をしているアラクネは、養蚕と綿毛の栽培を行っていて他の種族の服を作っている。
布団などもだ。
DPで獲得すると、同じ形、同じ色しか出せないが作って貰えば自由自在だ。
『おもちゃ箱も欲しい』
「はいはい、ドワーフ達に頼もうな」
セルキー達の机の上に無造作に転がるおもちゃ類を見て苦笑い。
「その頭の座布団も回収だなー」
『え? ダメだぞ! コレはあたしのお気になんだ! マスターでもあげないからな!』
「立場逆転してるじゃないか。それに潰れてるし」
敷物が頭の上って。
『やーだー!』
「声でけえよ! わかったから! 持ってかないから」
『ふん、分かればいいんだ』
「はいはい、ごめんなさいね。とりあえず台座だな、あと照明も変えるか」
占い部屋の中央に鎮座するでかい玉。もうちょっとなんとかならないものか。
『じゃあDPくれ。勝手にやるから』
「いくら?」
『1万』
変な物には勝手に使うくせにこういう話になるとDPを要求してくるなコイツ。
「いいよ。セルキーとブラウニーにも話を聞いてやれよ? 必要ならDPの追加も考えるから」
『了解。じゃあ…そのちっこいコアをあたしに付けて。100DP渡すぜ? あんまいっぱいあげると魔物を召喚したりするかもしれねーし』
「それもそうだな。これでいいか?」
ぴとっとコアにミニコアをくっつける。
『ん、終わった。これで少し経てばしゃべれるようになるはずだ』
「了解」
オレは備え付けのソファに腰かけて、机にミニコアを置く。
『何やってんだよ?』
「や、しばらくすればしゃべれるんだろ? 待とうかなって」
『乙女の部屋の模様替えだぞ! とっとと出てけ!』
先ほどよりも大音量で怒られた!
「おま、耳いてえよ…大体乙女って…」
『うるせえ! とっとと出てけ!!』
コアルームから結局追い出された。
「はあ、指令室行くか…」
「アユム様、怒られるのも仕方ない事ですね」
そうかなぁ?




