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開かずの塔のダンジョンマスター  作者: てぃる
拾い物と湖の井戸
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『破壊なさいますか? 』


→ はい

  いいえ


パリンッ!

『―――再起動を確認。マスターの検索を行います、エラーが発生しました。状況の確認を行います―――』


 ミニコアから声が発せられた。


 お、動き出したか。


『周辺状況の確認を完了。疑似ダンジョンモードに移行―――失敗しました。原因はより大きな力で阻害された可能性大。阻害の原因の排除を試みます、失敗しました』


 お、なんか可愛かったコアを思い出すな。


「おはよう、ダンジョンコア」


『おはようございます。問、私はここで破壊されるのでしょうか?』


 なんかいきなり覚悟を口にしてるけど。


「オレはこのダンジョンのマスターだよ。お前はうちの魔物が保護したんだ」


『保護、でしょうか』


「偶然だけどな」


『再度問います、私は破壊されるのですか?』


「んー? 破壊をするつもりはないけど、あー。どうするか」


 DPを与えて話せるようにしたものの、どうするか決めてなかった。


『問、私の仕えていたマスターは現在どうなっているのでしょう』


「えーっと、ゴブリンキングか?」


 やっぱりジェリーはつまみ食いと称して他所のダンマスを食っちゃったか。


『いえ、私のマスターは鳥型の魔物です。ストレートスワローと言われる50cm程の大きさでした』


 ほっ、違うらしい。


「そういうのは見た記憶がないなぁ。シヴィーは?」


「私も記憶に無いですね。ストレートスワローの速度で飛ばれたら、ジェリーでは捕獲出来ないでしょうし。ジェリーは泳ぐ速度は速いですが、触手で敵を絡めるのは余り早くないですから」


「画面で見た限りでは、かなり早く見えたけどな」


 鳥形の魔物を相手にするには、ジェリーでは足りないかもしれないな。


「お前のダンジョンはどこだ?」


 どうせなら元の位置に戻してやるか。


『私のダンジョンは既に消滅していると思われます。私のDPが枯渇する寸前に敵によって移動させられてしまったので。現在ではマスターとのリンクも切れております、ダンジョンも無く、マスターもいないコアなど破壊されるしかないでしょう』


『DPは入れてやったんだ、またダンジョンコアやればいーじゃねーか』


『このダンジョンのコアですか?』


『そうだよ、小さいコア。大体敵ってなんだ? 人間か?』


「確かに気になるな。この近くでダンジョンコアを狙う人間がいるなら警戒しなきゃいけない」


「ケヒヒヒヒ、こほん。失礼。必要とあらば、私が殲滅してきますよ? アユム様」


 現世にいるには問題がある悪魔さんがそんなことを言う。


『私は自然発生したダンジョンコアです。地脈が集中している海沿いの崖でマスターの誕生と共に生まれました』


 回想が始まった!


『マスターの種族は親から餌を与えられ、成長すると独り立ちします。マスターは巣から離れ、私を置いて南へ渡りました』


 コアとリンクしてミニコアが自分の見た光景を再生させていく。すみません、早送りして下さい。赤い燕がいなくなってからの変化の無い映像はつまんない。


『半年ほどしたある日、マスターは番を連れて帰ってきました。風雨に晒されていた巣は崩壊寸前でしたが、マスターは奥方様と共に、必死に私のいる巣を補強して、大きくしてくれました。私はマスターの意思を汲み、そこでダンジョンを設定しました』


 それってただの巣作りじゃ…。


『巣がある程度大きくなったとき、奥方様はご懐妊なさり4つの卵をお産みになられました。とうとうマスターに眷属が生まれたのです。私はダンジョンの補強のみではなく、守護者を召喚するかをマスターに問いました。しかし、マスターは首を縦には振ろうとしませんでした』


 えーっと、理解出来てなかったんじゃないかな? 鳥だし。


『そんなある日です。敵が現れたのは』


「来たか」


『マスターと奥方様は、ダンジョンを拡張すべく離れた位置に更に巣を作成している最中でした。私が作成する旨をお伝えしたのですが、ご自身で作成する事をお選びになっていたので、私も来るべき日の為にDPを貯めることにしていました。ですが、それが裏目に出てしまったのです』


 そこでミニコアから新たな映像が送られた。そこに映っていたのは1匹の蛇。


『恐るべき相手でした、私の魔力感知にひっかからずに知らず知らず忍び寄り、マスターの眷属を一口で呑み込み、最後は私も呑み込まれてしまいました』


「魔力感知を潜り抜けるヘビ…確かに危険な存在だとは思うけど」


 それってただの蛇じゃね? 卵食べるし。


『や、単純に卵を狙ってきた野生の蛇だろ。魔力が感知出来ないんじゃなくて、感知できるほどの魔力の無い普通の蛇だ』


 映像を解析したコアがその生き物を表示させた。


 うん、地球にもいそうな蛇だ。牙も無い。岩色の肌をもつ蛇だ。


『まるで暗殺者の様に忍び寄り、眷属をすべて平らげ、私も呑み込まれました…その後は暗闇の中、ダンジョンからどんどんと離れて行く感覚に私は焦りを覚えました。私は手持ちのDPをすべて込めて、ダンジョンの補強を行いました。大蛇の腹の中、暗い映像。それが私の最後の記憶です』


 食物連鎖だね!


 まあ魔物でも卵の状態なら抵抗出来ないからな。


「つまり、お前のマスターはどこにいるかわからず、お前のダンジョンがどこにあるかも不明と」


『有体に言うとそうなります。破壊なさいますか?』


「お前は破壊されたいのか…」


『マスターもおらず、ダンジョンの位置も不明。ダンジョン作成する事も出来ない現状では、何の役にも立たない黒い球っころです。破壊する事をお勧めいたします』


 どうにか壊されたいらしい。

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チビコア、面白かわいいw
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