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開かずの塔のダンジョンマスター  作者: てぃる
魔物の襲撃と街の危機
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ごぶぅ! ごぶぅごぶぅ!

「魔物が到着したって?」


 日が昇り、オレは指令室でノイの報告を聞く。


「はいです。ゴブリンの群れが、森から散発的に街に向かって来てるです。街の人間共が対応してるです。夜のうちはダンジョン外での戦いでしたが、もう間もなくダンジョンの範囲に入ってくる頃です」


 思ったよりも来るのが早かった。


 徒歩で5日って聞いてたからもう少し余裕があると思ったんだが。


 待っていたノイはメインモニターを操作して画面を表示する。


 森から出てすぐの地点はジェリーからの映像。


 そこから先の原っぱはダンジョン内になる。


「おー、あれが騎士団か。綺麗に整列してるわけじゃないんだな」


 まとまって出てくるわけではないゴブリンを相手に、1匹1匹は冒険者とおぼしき装備が統一されていない連中に倒されている。


 まとまって3、4匹のグループで出てきたゴブリン相手の場合に騎士団らしき派手な装備の一群がまとまって相手にしている。


「森の手前付近に随分と死骸があるな」


 魔物の亡骸には矢が複数刺さっていたり、魔法で攻撃されたのか体の部位が欠損して倒れている個体がいる。


「最初は死体を拾ってダンジョン内に投げ込んでたです。でもだんだん押し込まれてきたです、今はダンジョンエリアで戦ってるです。音を拾うです」


 騎士団長と呼ばれていた派手な青年にスポットを当てる。


「魔物の死骸は放置で構わん! 勝手に消えるからなっ! だが足を取られるな! ゴブリン相手でも倒れたらダメージを受けるぞ! 第3班! 森からまた出てくるぞ! 数が多いんだ! 一振り一殺の心構えでいけ! トドメは冒険者達でも出来る! 動けぬ相手にいつまでも手を焼くんじゃない!」


「斥候より伝令! ゴブリンの集団、まだまだ森から出てくる模様! 相手ではありませんが、範囲が広いです! 防衛戦力を広げなければ対応出来かねます!」


「右翼、左翼をもっと広げろ! 中央の厚みはこのままだ! 左翼に魔法師団を派遣! 森を焼いても構わぬと伝えよ! まだゴブリンだけか!」


「フォレストウルフも少数確認! ゴブリン共に押されて森から出てきた模様!」


「森に帰るのを止める必要はない! 街に近づこうとする魔物のみに集中!」


「一部のゴブリンが狼に騎乗! 機動性を確保しております!」


「ええい! 面倒だ! 弓矢隊! 準備しておけ! 今の防衛は今に落ち着く! 防衛陣を立て直せるか否かはお前たちの動きにかかっているぞ! 長槍隊第1班! 仕事だ! 機動力を殺せ!」


「「「 はっ! 」」」


 どうやらまだ街の中にいた人間たちだけの様子。騎士団連中が約50人と冒険者っぽいのが100人くらい? 子供もいる。


「確かに、今の集団は本隊ではないです。でも今の数だと倍以上の数のゴブリン相手だと押し込まれる可能性が高いです。森を焼く判断が遅かったです」


 騎士団長の指示を聞いたノイが呟く。


「まあこの立地から考えると、周りは山だから平地の森は貴重だよなぁ」


 でも森を気にして街が落ちたら話にならない。


「ご主人、ジェリーからの報告ですっ」


 上空から森の監視をする別のジェリーからの映像。オーガ達が表示されている。


 中に一際大きなオーガが目に付いた。


「あれは?」


「昨日進化したです。イービルアイズが言うにはオーガチャンプという種族ですっ。オーガロードやオーガクイーンみたいに統率力がある個体ではないです、でも強いらしいです」


 木々が邪魔をして、ジェリー達も手を出していない。


 彼らは敵に見つからない様に戦うからだ。


「なあ、あのジェリー。黒い点が見えるんだが…」


「昨日の食べ残しです? あれじゃ見つかっちゃうです! 」


「呼び戻して吐き出させなきゃな。できなきゃ腹開かせるか」


「ひぃです!」


 ノイがお腹を押さえる。


「まあとりあえず呼び戻そう。それとこのオーガチャンプ、人間で相手出来るものか?」


「わからないです。イービルアイズに聞くです」

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― 新着の感想 ―
[気になる点] いきなり腹開くという発想に至る主人公。 おま、ちょっと前までサラリーマンだったのに。
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