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開かずの塔のダンジョンマスター  作者: てぃる
魔物の襲撃と街の危機
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別に月から来たとかじゃないネ!

「昨日、葡萄をエメラに贈ったネ? しかも白い葡萄ネ」


「シャインマスカットですか? あれ皮ごと食べれるから楽でいいですよね」


「ソレネ! あの葡萄を送られたエメラがそのまま食べれるって持ってきたネ。目の前で食べられてビックリしたネ! 白い葡萄なんて渋くて食べれないのが常識ネ! 白いまま使うのはワインくらいネ! 皮なんて食べたら病気するネ!」


 3柱の神様が来た時にDPでデザートとして出したら好評だったからお持ち帰りで用意した。


 最初は食べるのに渋っていたが、目の前でオレとコアが食べたら試してくれた。


 大層気に入って、他の神様達にも自慢するからって大量に持ち帰っていったんだった。


「あれは異世界の植物ネ! 神界では育てられないネ! 禁忌ネ! 破戒神そういう物ウルサイネ! だからこっちで育てる事にするネ!」


「え? それって…」


「ここには優秀なハイドライアド達がいるネ。しかもマスターは海の一族ネ! 水の適性が強いネ!」


 だから海の一族って何よ!?


「キミ、他にも色々持っているネ!? ハイドライアド言ってたネ! 異世界の植物育ててるって! ずるいね! 食べたいね! 育てたいね! ワタシの把握していない未知の植物ネ! 全身の毛が逆立って耳もピンとするネ! 思わず二足歩行してBダッシュするところだったネ!」


「なぜ知っているBダッシュ!」


「昨日今日マスターになったばかりの新人だったら無理だったネ。でも登録調べたネ、150年のベテランマスターね! レベルも中々高いネ! 最高の環境が作れるネ! さあ、早く畑に案内するネ!」


「畑、まだ1日くらいしか経ってないんですが」


「なんでアルっ!?」


 アル混ざって来た!


「だから説明したじゃないセリセリ。まだ新人の粋を超えていない規格外のマスターだって」


「なぜ…なぜあれだけの物をDPで用意出来るのに自分で育てないネ! 汗水垂らして土を耕すネ! 上腕筋をパンパンにさせながら水を運ぶネ! 腰を痛めながら雑草を抜くネ!」


「全部嫌っす!」


 働きたくないでござる。


「じゃあやらせるネ。DP使って畑ひろげるネ」


「DPはちょっと…使う予定があるので貯めてるんです」


 いい加減にダンジョンのラスボス部屋を作りたい。


 目指せ1億+αだ。


「ダメネ。命令ネ。神託ネ。君が断ればこの辺一体の農耕地帯が大変な事になるネ。きっと悲しい事が起きるネ。そして神託を出すネ。みんながひもじい思いをするのは君というダンジョンマスターが原因だってネ」


「命令と言う名の脅迫っ! この神様すっげえ黒い!」


「ワタシ白いネ」


「羽毛の話じゃないっすけど!」


 平行線だ。


「ふむ、なら加護やるネ」


「や、別にいらないですけど」


「むがー! 貰うネ! こちとら世界中の農民から崇められてて常にフルパワーネ! たまには使わないと他の神々からやっかみを買うネ!」


 魔法神エメラ様の加護には助かったが、水の神ブルーシェル様の加護は効果が不明だ。


 豊潤の神様の加護…作物が育ちやすいとかか?


「うん、別になくても困らないかな…」


「困れネ! ワタシの加護持ちの奪い合いで国同士が潰し合うくらい貴重な加護なのネ! ありがたがるネ!!」


「うあ、それ聞いたらもっと貰いたくなくなりました」


 ダンジョンマスター、捕まえるとレアな加護持ってるよ☆ とかやめて欲しい。


「ダメよ、あゆむん。加護を拒否しちゃぁ。そんな事されたら神々悲しい気持ちになっちゃうから」


 そう言いながらオレを羽交い絞めにするエメラ様。


「え、ちょっと!?」

「エメラ、ナイスネ!」


 ミリアの胸に収まっていたケレンセリッシュ様が、オレの顔目掛けて飛び込んで…。


「受け取るねええええええええええ!!」


「放してええええええ!!」

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