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きっと書いた時は頭が茹で上がってたんだと思う
「あゆむん、今度はノイを連れて行ったわね?」
「えーっと、はい。いけなかったのでしょうか…」
腕を組んでばいんばいんが乗っかり魅力度と少しの威圧感が増すエメラ様。
「当たり前でしょあゆむん! たった2日で3人よ? エメちゃん、そんなに連れてかれちゃったら寂しくなっちゃうじゃない!」
えー。
「あの、エメラさま。ノイがここに呼ばれたのもお仕事ですので…」
「黙りなさいノイノイ。エメちゃんは今あゆむんとしゃべっているのです」
「はいです…」
しゅんと顔を下げて項垂れるノイ。
「ノイ、ごめんね。ノイは悪くないからそんな顔しなくていいんだよ」
そんなノイを慰める役にならなきゃいけなくなるオレ。
「ご主人、ノイはここにいていいですか?」
「もちろん。オレは必要だから呼んだんだよ」
誰が来るかは分からなかったが。
「ご主人っ!」
「うう、いい話ね。二人とも可愛いわ!」
オレの胸に飛び込んでくるノイ、そしてオレ達を纏めて抱きしめるエメラ様。
…なにコレ?
「仕方ないわね、今回の事は二人の可愛さに免じて許しましょう」
それで許してくれるなら簡単に来ないで下さい、ホント。
「申し訳御座いません、失神しておりました」
よろめきながらミリアが指令室に登場。
「突然の事に、油断しました」
強力な胸力により、窒息させられていたそうだ。
「ウチの子達は本当に体が弱くて心配だわ」
空気って大事だよ?
「…それと、もうお一人お客様をお連れいたしました」
ミリアは大事そうに、1匹…1羽のウサギを抱えていた。
「初めましてネ、ワタシ地の神アーシア様の眷属、豊潤の神ケレンセリッシュと言うネ」
「ええと、神様ですか…初めまして、ダンジョンマスターの斎川歩です」
甲高い声でしゃべるウサギに圧倒される。
「うん、なかなかにしっかりと育ったダンジョンマスターさんネ。しかも話が通じそうな所もいいネ」
ミリアの胸の中で口元をもごもごさせながらしゃべる。
赤い瞳が瞬きもせずにこちらを見つめるのがだいぶ可愛い。
『また新しい神様だな』
「ワタシの子達も随分ここで働かせて貰ってて、しかも自由にやらせて貰っているそうネ。お祈りがしっかり届いていて気分がいいネ」
「ハイドライアド達とリブブラウニー達ですか。こちらとしても彼らの献身に随分と助けられています」
屋敷の庭の景観と神殿の飾り花はハイドライアド達が朝日と共に目覚めて世話をしてくれている。
リブブラウニー達の小さな体であの大きな屋敷を綺麗にしてくれているし、リビングアーマー達の体を油で磨き上げてくれたりと仕事に一生懸命だ。
「まだ2日しか働かせていないのですが」
「あの子らはネ、それこそが生きがいなんだネ。キミの与えてくれた最高に好きな仕事と、君に許された自由な信仰は何よりも代えがたい物なんだネ。あの子達らの喜び、お祈りと共にしっかりと届いているんだネ」
その言葉にオレは感動を覚える。
「うう、初めて神様っぽい事を言う神様に会えました。ウサギだけど」
「ウサギじゃなくて神様ネ」
「神様の本質は我が儘で自由気ままよ?」
エメラ様とブルーシェル様なんかは本格的に自由人だったな。
ナラヴィー様はよく分からなかったけど。
「そもそもセリセリがここにいるのは自由気ままの筆頭じゃない。ここに来たのだってその我が儘を通す為でしょ? ねー、うさちゃん」
笑顔でケレンセリッシュ様の頭を撫でるエメラ様。
その手を、気持ち良さそうに目を細めて受け入れるケレンセリッシュ様。
「マスターの君に、お願いがあって来たネ」
あー、なんだろ…。すっごい面倒な事押し付けられそうな気がしてきた。




