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開かずの塔のダンジョンマスター  作者: てぃる
魔物の襲撃と街の危機
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コアにメシテロはありません。

「アーノイーノ、お前に名を授ける。今まで通りノイと呼ぶからよろしくな」


「っ………! ありがとうございますっ! ご主人大好き!」


 ちっちゃい子に言われるとほんわかする。


 ノイの頭を撫でながらそんな事を思う。


「うう、ノイが羨ましいわ」


「我々の名付けの時にはあんなサービスなかったですよ歩様…」


 背の低く、可愛らしいノイ限定のサービスだ。


 監視システムの構築の褒美という名目で、ノイに名と魔力を与えた。


 側近組は何かしらご褒美としてじゃないと名や魔力を受け取りたがらない。


 呼び出した日はフィルに名付けをした上に呼び出した魔物達に魔力を与えたから余り余裕が無かったため、翌日に回した結果だ。


 名付けの時に、余り苦しまなかったノイは実は強いのではないかと思う。


 ちなみに進化はしなかった。


『普通、こんな風にガシガシ名を与えるもんじゃないと思うんだけどなー』


「いいじゃん。魔力余ってるし」


 一晩寝れば回復する。


 側近組は元々名前を持っているから考える必要もないしな。


 アーノイーノの名前は、やはり魔法神エメラ様がつけたらしい。


 こんな見た目だが、フィルやミリアの先輩に当たるそうだ。ちょっと意外。


「では私は神殿へ行ってまいります。何かあればお呼びください」


「はいはい、行ってらっしゃい」


 昨日はダンジョンの確認とか諸々の影響で神殿の管理へ行かなかったミリア、本日初出勤だ。必要な道具や神像は10万DPまでなら自由に出して良いと伝えてある。


 丸投げの術だ。


「私も屋敷の者たちの指導と、コア様のサポートに向かいます」


 コアが食べたい物をメイド達に教えているが、コアの好みが偏っている為メイド達からフィルへ苦情が出ている。


 メイド達は流石にコアに直接文句が言えないのだ。


 コアの手際はかなり良く、丁寧に教えてくれる上にモニターによるサポート付き。かなり好評だ。


 だが、その度に新しい食材や調味料が出てくるのでメイド達の理解が追い付かない時が多々あるとか。


 そこでフィルがコアとメイド達の間に入る事になった。


「頼んだよ。コアの暴走を止めてくれ」


「あたしは暴走なんかしねーよ」


「では行って参ります」


 コアのボディとフィルが指令室から出ていく。


『わざわざ集まんなくてもいいと思うんだけどなー』


「オレもそう思う」


「ノイの名付けの為に二人とも来てくれたんです! 嬉しいです」


 食事をした後に名付けをしようとしたら、会食場でする事ではないと言われてしまった。


 玉座の間でやろうとするフィルだが、会食場の近くに指令室があるんだ。こっちのが近くていいに決まっている。


「おはよう、イービルアイズ」


『『 オハヨウゴザイマス、マスター 』』


 2匹のイービルアイズにモニター越しに挨拶。


 食事は取るが睡眠は必要のない2匹は、今日もモニターと睨めっこだ。


「おはようございます、ご主人様」


 今日の当番のメイドセルキーが飲み物を用意してくれる。


 今日はコーヒーだ。缶コーヒーだとブラックは嫌だが、きちんと淹れたコーヒーはブラックがいい。


「…にがひ」


 ミルクと砂糖を投入。


 むう、小型化したせいか味覚が変わっているっ。


『あ…まあいいか』


「ん?」


 コアが何か言った。


 調理場とこっちで間違えたか?


 バーン!


「あゆむん! また連れて行ったでしょ!」


 開け放たれた指令室の扉と、そこに立つばいんばいん神。


 ミリア、せめて報告をくれ…。

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