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「それじゃあ、ダンジョンのひとまずの完成と先日の戦の勝利を祝して! 乾杯!」
「「「「 かんぱいっ!! 」」」」
サタンコック達をフル稼働させて昼間のうちに宴の準備。
余談だがサタンコック達が3人ほど増えた。
夜には準備も終わり、ダンジョン中の魔物達を集めて宴を開始っ!
今回はなんと銀ちゃんに下級魔族達も召喚! ジョージにゲン爺もこちらに参加だ。
エディーはウネウネしながらいくつもの触手でいくつものマンガ肉をいくつもある口でそれぞれ食べながらドリンクも樽で掴んで飲み飲みしつつ、さらにモニターを見ながら宴に参加。
すまんねエディー。
「おめでとうございますマスター!」
「さすがマスターじゃ!」
「素晴らしい出来で御座います!」
「グゲッグゲッグゲッ!」
「キャンキャン! ワンワン!」
『ぎゃう! ぎゃうん!』
『オオオオオオオン!!』
口々にお祝いの言葉を伝えてくれる魔物達。
物言えぬ魔物達もシヴィーを通して念話でお祝いを伝えてくれたり、体をすり合わせてきたりして気持ちを伝えてくれた。
グレートシンガルはでかすぎて無理だったが。
今、オレの足元にはコロとミニベヒバージョンのジオが仲良く寝ころんでじゃれあっている。
超可愛い。
「まあ完成っつってもまだまだ改良はするんだろ?」
「そりゃな、あくまでもダンジョンボスであるシルバリオを置いたからダンジョンとしての最低限レベルでの完成って話だ」
やはりダンジョンというものにはボスが必要だと思う、本来のボスはオレだが……。
まあ表向きボスはジョージになっちゃってるけど。
「銀ちゃんが塔の入り口を守って、シルバリオが塔の中を守る。2大ボス体制だな」
天高く張っている銀ちゃんの触手がウネウネする。
そしてシルバリオはまじめな顔で頷く。
「結局ニーロイップ様の工房も出来てないし、シルバリオの家も建ててやらないといけないしな」
「有難うございます。完成した暁には、主君を歓待させて頂きます」
ドワーフ達が酒を飲みながら線を引いてるから、明日には建設が始まるはずだ。
「南国・高原エリア、バルトに任せっきりになっちゃって悪いな」
「構いませぬ、それが私のお役目ですゆえ」
バルトの分体、呪われたウッドマンでバルトは参加。
ご飯は食べれないが、足元にバケツを置いてそこからお酒を吸っているらしい。
「最初の収穫は魔法で植物の育成を行いますが、第二陣以降は自然の摂理に任せた生育を行う予定に御座います。その方が実りが良いですから」
「ケレンセリッシュ様のお眼鏡にかなうものを頼むな」
「勿論に御座います」
そう言ってオレに頭を下げると、ハイドライアドの婆ちゃんズの所へと向かうバルト。
心なしか顔が赤いのは酔ったからだろうか?
「~~~~~~~~~~」
「お、銀ちゃん。今日は無理を言って足運ばせて悪いな」
「~~~~~!!」
「そーかそーか、そう言ってもらえるなら安心だ。後で魚でも送るからヘルギンチャク達にも差し入れしておいてくれ」
「~~~~!!」
フルフルしウネウネする銀ちゃんの触手に手を触れると、銀ちゃんは慌てたように触手を下げてしまった。
「歩様?」
「どした、フィル」
「銀ちゃんと会話が、その。出来るのですか?」
「…… おお!」
してた!
「なんか慣れたのかな?」
「とても声が出てるとは思えないのですが」
「はっはっはっはっ、まあ出来ないよりは出来る方が良くないか?」
「まあ、そうですね」
フィルも酔っているのか、細かい事は気にしないらしい。
「ますたぁ?」
「エリーゼ。研究中にすまないな」
「いぇいぇ。ますたぁにお呼ばれされたならぁ、例え火の中ベッドの中~」
「酔ってるなぁ」
「このような宴、初めてで興奮してるんですぅ。どうです? ますたぁ、この後わたくしの火照った体を鎮めていただけ」
「そこまでになさい発情馬」
「あらぁ、シヴィさまぁ?」
「よりにもよってアユム様に粗相を働こうだなどと、恥を知りなさい」
「いえいぇ、あくまでも同意の元でですわぁ」
二人の間に火花が散る。
「あまりふざけているようでしたら、あそこの駄天使のようにしますよ?」
視線の先には簀巻きにされて、それでもなお幸せそうに寝息を立てるミリアの姿。
シエルが苦笑いしながら膝枕をしてる。羨ましい。
「…… あれは、乙女としてどうなのかしら」
「翼のせいで縛りにくかったわ」
エリーゼが憐みの視線をミリアに向ける。
ちなみにミリアのあの姿は、先ほどまでオレに絡み酒をしていた結果だ。
「ま、まあ程々にしておくわ。それではマスター。また後程」
「ああ、今日は楽しんでってくれエリーゼ」
そう言ってエリーゼは何気にしっかりした足取りで楽器を奏でるドワーフ達の中心へ向かう。
…… うん。気にするのはやめよう。
めちゃくちゃな踊りを踊るアーリマンやコアと混ざるようだ。
ジオとシルバリオが大きさ勝負をして銀ちゃんに敗北しつつ銀ちゃんもバルトに敗北したりして。
下級魔族達から街の連中の愚痴を聞いたりジョージが脱いでドワーフも脱いで…… エルフィンとラッシーセルキーとマーメイドが脱ぐのを阻止したり。
掌サイズのリブブラウニー達のラインダンスはすごく可愛かった。思わずリーダーに名付けをしてしまった程だ。
ジオがリックと話しているところなんかも微笑ましい。そんな二人を見守るラッシーセルキー達やエルフィン達がちょっと怖かったけど。
「ほら、マスターも」
「あ、おう? 踊れないぞ?」
「いいんだよ、あたしが一緒に踊ってやるから」
「わ、っと」
ドワーフ達の音楽を中心にコアと踊る。
オレの手を取り、無茶苦茶に振り回しクルクルと回る。
「楽しいな」
「ははっ、そうだな!」
目線の高い位置にあるコアに笑いかける。
「あー、はいはい。後で代わってやるから」
「ん?」
「セカンドだよ」
「ああ」
コアが体を使っているが、セカンドの意識はあるらしい。
「セカンド=ウォーカーも忘れちゃいけない大事な仲間だな」
「まあ、こいつはたぶん最後だろうけど」
コアが笑い、視線を向けると沢山の魔物達が列を作っていた。
「オレ、あいつらとも踊るのか?」
「順番待ちみたいだな」
「ジョージとか無理じゃね?」
でかすぎる。アーリマンなんかもっとでかい。
「頑張れ」
「リーリンとかサイズ合わないんだけど……」
「リブブラウニーか? まあ何とかするんだな」
そういってコアが笑いかけて来る。
今日は頬が痛くなるほど笑い、楽しんだ。
サタンコック達も全力で料理が出来て満足してたようだ。
宴はお祭りの様相となり、明け方まで続いてしまったらしい。
お子様ボディなので先に寝たけどね!
☆ 悲報 ☆
書き溜めが消えました。
まあ色々忙しかったんです、すいません。
この話を境に次の章に入る予定だったんですが、まだ半分も仕上がってないです。
仕上がり次第アップを再開しますので、しばらく更新が週一程度になると思います。




