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開かずの塔のダンジョンマスター  作者: てぃる
宣戦布告と塔の完成
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212

「あっついな……」


 流石は南国エリア。その中心地は暑く、湿度も高い。


 屋敷のある6Fと比較して、疑似太陽が大きく見える。これは気のせいではないだろう。


「暑いネ。毛が生え変わりそうネ」


 そう言って地面へと降りるケレンセリッシュ様。


 フィルとシエルとジオも表情が歪んでいる。


 シヴィーとセカンドは涼し気だ。


『風の魔法で熱も和らげます』


 気遣いの出来る人面樹だ。


 葉を広げて影も作ってくれている。てかこいつのせいでこの辺り一帯日陰なんだけど作物ちゃんと育つの?


 あと顔が見当たらない。


「どこを見て話せばいいんだ?」


「それではこちらに」


 にゅるっという表現と共に、木目が呪われてそうな顔に見える。


 顔のサイズは人と同じくらいだ。


「お、おう」


「相変わらずきもいネ」


 ケレンセリッシュ様。貴女の眷属で御座いますよ?


「設計したのはブロッドビッシュなのネ。ワタシの趣味じゃないネ」


 キワモノを作るのはキワモノの仕事らしい。


 でかい木と表現しても抽象的だろうが、本来の姿のジオなんかより全然でかい。


 大きすぎてどういえばいいのかわかんないがこれが世界樹だと言われても納得できるサイズ。


 遠目から見ると超特大この木なんの木だ。


「さっさと名前つけるネ。そして後は遠隔で任せるネ」


「はあ」


「ここは暑いから、このエリアに相応しい魔物を配置するネ。上の階層にいた魔物連中では管理出来ないネ」


「更にDP使うんですか……」


「もちろんネ」


 暑いからね!


「それより、さっさと名付けするネ。暑いからすぐ戻るネ」


「雑っすねぇ」


 そういいつつ、豊潤をメインに考えて。ちょっとだけヒュッツアーベル様の加護も意識して名付けを行う。


「オレとケレンセリッシュ様の役に立ってくれ。お前の名前は【バルト】だ!」


 ケルバルンのバルからバルト。安直だけどいいだろう。


『おお、おお! おおおおお!』


 キラキラと輝きを持ち、樹木全体が金色に輝いた。元々の魔物の格が高いからか、苦し気な声はしない。


「じゃあ次はワタシの番ネ」


 ケレンセリッシュ様はバルトの根っこの一部を噛みちぎり、何か唱えた。


『おふ! おふふん! おひょっほ~~!!』


 ああ、なんかお近づきになりたくない声を出していらっしゃる……。


『『『『『 有難うございます。このバルト、魂が消えるまでご主人様とケレンセリッシュ様にお仕えすることを誓います! 』』』』』


 そこら中に顔を生み出してそんなことを吠える。


「顔は一個でいいネ」


「顔は一個でいいよ……」


 なんか疲れるが、まあいいか。


「しかし、進化しなかったネ。元々が亜種だからかネ?」


「ケレンセリッシュ様の加護を得ても進化しないということは、これ以上の進化先が無いのかもしれませんね」


 なんとなく思ったことを口にした。


「ああ、それもあるかもしれないネ。元々個体数も多くない種ネ。進化する必要がない生き物は進化しないものネ」


 あまりの暑さにシエルに出させた氷の上で座るケレンセリッシュ様。

 ずるい!


『ウッドマンを放出します。陸上での農作業はこちらにお任せ下さい。こやつらの育てた作物を運搬する魔物をお願いいたします』


 言いながらウッドマンが根っこからどんどん生み出されていく。

 顔が全部呪われてそうな壮絶な感じで怖いんですけど……。



「海、渡れるか?」

『まあ、大丈夫かと』



 南国エリアは中央にあるこの大きな島と、数多くの小島で構築してある。


 それぞれの小島で作物を育てられるよう、小島と言ってもそれなりの大きさの島が点在している形だ。

 海の部分が数多い。この島はバルト以外何もない状態だが、他は高い山があったりこんもり山だったり様々な状態だ。


 そして海にはサメ型の魔物とかを放出してるから心配になる。


 設定が面倒だったから全部放し飼い。銀ちゃんのいる三つ子湖の一か所の広くて海対応の魔物がいっぱいいるバージョンだ。


 続々と海へと飛び込むウッドマン達。泳いでるというか、漂流物と化してるから問題なさそうか? というかたどり着くか?


「水上は危険そうだから空輸が良さそうネ」


「フライングヒッポ辺りでしょうか」


 フィルが何気に口にする魔物、どうやら羽の生えたカバの魔物らしい。


 暑い地域で星丸みたいな毛むくじゃらの獣はちと辛そうだからちょうどいいかもしれない。


『いくつか水場を用意して頂いた方がいいかもしれません』


「てかウッドマン、収穫できるのか?」


 指があるようには見えないが。


『ご安心下さい、様々な大きさに変更可能で御座いますので』


 細かい作業は小さいウッドマンにやらせるようだ。


 まあ出来るというのであれば任せよう。


 どうせケレンセリッシュ様が望んだ階層だ。もう好きにしてくれればいいのさ……。


手のひらサイズの呪われてそうな木の人形が植物から果実をもぎる様……

遠目に見ると大きな虫が蠢いてる様に見えそう。

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