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みりあのみれん
「……早く始めたいのだが」
オオグラム様の怒気を含んだ低い声が響くと、騒いでいた連中が一瞬にして静まり返る。
「斎川、魔物を呼べ」
「畏まりました」
オレは腕時計越しにコアに指示を出す。
途端にオレの背後に魔法陣が生まれ、チムとミリアが現れる。
「「「 お待たせいたしんした、マスター」」」
「お待たせ致しました、我が主」
「よろしくお願いします、マスター」
「わん!」
「……ミリア、完全装備って言わなかったっけ」
スリットの入ったスカートを手で押さえながら丁寧に頭を下げるミリア、その姿は夜会で着用する予定だったドレスだ。
「い、いえ……私の持参した装備よりも、チムのドレスの方が耐久力がいいらしくてですね」
「せめて、動きやすそうな服装にしてよ……」
「我が主が褒めて下さった物を着たかったんです!」
ふるふると首を振り、乳を揺らしながらの言い訳。
許す。
ま、まあ一応、細剣を持って来てるからいいか。
「それで、チム。一人増えてるんだけど」
そう、チュムとチェムの間に一人追加で生えている。
「…………先日、頭が痒くて搔いてたら生えてきたそうです」
「それって、進化じゃない……の?」
「どうなんでしょう?」
「お初にお目にかかりんす【トリューバロアラクネ】になりんした。チム達共々よろしくお願いしんす」
チュムとチェムの間の子が礼をする。それにあわせてチュムとチェムも頭を下げる。
普段の薄布で作った白のワンピース姿ではなく、チムの外殻と同じ様に、全身が鎧で包まれた3人。
しっかりと見える顔は全員同じだが、髪型を微妙に変えているようだ。
「うん、心当たりある……」
どーせ加護貰った時でしょ。
「「「 マスターには驚いて貰おうと思っておりんした! 」」」
「わかった、びっくりしたから……」
シヴィーにジョージ、チムとミリア。そしてシエンタから借りているシャインの5名。
わぁ、女性率が高い。
「「「 大物は私達にお任せありんす! 」」」
「では私とジョージで前衛を致します。そちらの方は見たところ後衛タイプのようですがお間違いないですか?」
「ええ、魔女見習いです。ご安心下さい。今回は薬品は使う予定がないですから」
ローブを開いて薬をチラ見せっ! 怖いっ!
「では皆さん、お願いします」
「シヴィーは出ないの?」
「アユム様の警護が手薄になってしまいますから。私はアユム様の元を離れません。補助にコロを置きます」
「「「 シヴィーが動いたらうちらが活躍出来ないでありんす! 」」」
最終兵器のようだ。シヴィーどんだけ?
「ジョージ!」
「はっ! ミリア様っ!」
がしっと二人が手を合わせる。
うん、頑張ってくれ。
「種族を超えた友情でありんす」
「性別を超えた友情でありんす」
「単純に保身でありんすね」
うん、チュムとチェムじゃない子。君ツッコミ役ね。
「さて、オレもやる事やらないとな」
チム達が進化したのは【芸術の神ニーロイップ】様の影響だろう。
芸術……芸術ねぇ。煌びやかで豪華なイメージ? でも神社やお寺みたいな厳かな場所も芸術だよなぁ。難しい。
「あの……マスター斎川は何を? 凄まじい魔力の渦を感じるのですが」
「お静かに、シャイン様」
美術館とかの静寂なイメージもあれば、パリコレ的な華やかなイメージも浮かぶ。
むうう! ニーロイップ様のニヤケ顔がちらつく!




