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開かずの塔のダンジョンマスター  作者: てぃる
夜会に集うダンマス達
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ぱーんだー!

「オイ、ナンノツモリナンダ」


 パンダーマンがノシノシと歩いて言う。


「はい?」


「殺気ナゾ飛バシテンダ、何ノツモリダト聞イテイルンダ」


「アユム様に、私のマスターに魅了などという不愉快な物を飛ばして来たのです。牽制するのは当然でしょう?」


「細イ娘。オ前ニハ聞イテ無インダ」


 パンダの可愛い顔とは裏腹に、低い声で威嚇をしてくる。


「声も可愛ければ良かったのに」


「アアン!? 何テ言ッタンダ!?」


 やべ、声に出ちゃった。


「セレスティアーネ様ハ、我ラ獣人系マスターノ最上位ニ立ツオ方! ソノ方ヘノ無礼ハ許サナインダ! ソノ細イ娘ノマスターハ貴様ナンダナ! ココデ八ツ裂キニサレテモ文句ハアルマイ!」


「あるよ? シヴィー、オレの為にありがと」


「いえ、当然の事をしたまでです」


「お館様、シヴィー様。お下がりを」


 ジョージがオレ達の前に出る。


「従者がでしゃばるな!」


「きゃあ!」


 パンダーマンがジョージの顔面に拳を叩きつけた!


 悲鳴を上げるミルフィ。


「ジョージ!」


「大丈夫です」


 パンダーマンが声にならない呻き声を出して拳を抑える。


「「 マスター! 」」


「く、お前ら! こいつを……」


 パンダーマンの後ろに控えていた、完全に熊の魔物2匹が前に出る!


「そこまでです」


 一言と共に、止めに入ったのはリグレブ。


 その両脇には、明らかに戦闘用であろう巨体でムキムキの悪魔。


「何故止めるっ!」


「当然でしょう? 今争われても神々はご覧になれません。シエンタ様が謁見中ですからね。ここでの争いや諍いはすべて神々の娯楽、神々がご覧になれない時にこのような真似をされては困ります」


「あー、そっちが理由かー」


 リグレブの連れてきた魔物2匹がオレとパンダーマンの間に立つ。


「斎川様、ロンロン様。シエンタ様との謁見は間もなく終わるでしょう。そちらが終わりましたら神々に声をかけて参ります。その後で白黒つけてはいかがでしょうか」


 パンダなだけに?


「白黒ツケル? コノマスターノ首ヲ取レルトイウ事ナンダ」


「えー、やだよ。そもそも攻撃とも取れる行動を軽率にとったあの女帝様が悪いんじゃん」


「貴様ッ! シルドレ様ト同期ダカラト言ッテ調子ニ乗ッテルンダナ!」


 挑発する気は無いが、シヴィーの行動が間違っている訳ではない。ここでオレがシヴィーの行動を謝罪したらシヴィーが悪者になってしまうしオレも舐められる。


 向こうが謝罪してきたら相応の対応を取るが、今は引けない!


「そもそもあんたが文句言ってくるのはおかしな話だろ、首をつっこんでくんなよ熊公」


「物ヲ知ラヌ新人ヲ教育シテヤロウト言ッテルンダ! シカモコノロンロン様ニ向カッテ熊公ダト!? 吐イタ唾ハ飲ミ込メナインダ!」


「確かに聞き捨てならないなぁ? ロンロン殿は間もなく40層にも届きそうな大ダンジョンのマスターだ、そのマスターを貶める発言、新人にしては態度がでかい。そうは思わないかお前たちも!」


「「「 ガルルルルル! 」」」


「そーだそーだ!」


「新人がイキがるんじゃねえ!」


 突如割り込んできた魔族の男。それと同調する一部のマスター達。


(斎川様、この魔族の男の従者の一人、右のフードを被っているのが『ギブロ』に御座います)


 リグレブ、念話か。


(念話は傍受される可能性があるんだろ? 平気か?)


(シヴィー様が強固に遮断をしております。シエンタ様もいらっしゃらないですし問題御座いません。傍受してくる可能性の高い方々も現在は動いておりません)


(そうか。それにしてもいいのか? オレに加担するみたいな形になってるけど)


(構いません。私はミニバッフォの件で彼の方へは少々含む部分がございます)


 なるほど。しかし、こいつが先に仕掛けてきた男ならばここで参加してくるのは茶番の一つか。


 このパンダーマンもトド男の言う同盟の一人かもしれないな。


「黙ってねーで何とか言えよガキ」


「ドウシタ、急ニ怖クナッタンダ?」


 あ、相手をしないとだな。


「いや、どうにもね。そこの魔族の言う通りだ。先日、あまりにもお粗末な従者に囲まれたマスターを見過ぎていて少々あんた達を低く見ていた。ああ、そのことであんたには謝らないといけないな。ミノタウロス、2匹とも瞬殺しちゃって悪かったな、あんなに弱い従者を連れて来るとは思ってなかったんだ」


 標的を変えよう。


「このガキッ!」


「前回のミノタウロスよりも陰気な従者だね? フードを被って、人に見せられないような醜い魔物なのか? 気にしなくてもいいんじゃないかな? ここにいるのは、選りすぐりのダンジョンマスターだ。見た目で相手を判断するような程度の低いマスターは、4人くらいじゃない?」


 オレのシヴィーにあーだこーだ言った4人の事だ。こいつの顔を見てたらまた腹が立ってきた。ぷんぷん。


「良いだろう……貴様の魔物も、貴様も潰してやる……」


「ソコノ執事、手続キナンダ。コノマスターヲ縊リ殺シテクレルンダ」


 そう言って、2人のマスターがオレ達に背を向けて歩いていく。


 その先には、この間オレに絡んできたマスターや見知らぬマスター。


 こちらをニヤニヤ見てるな。あいつら全員グルか。


「では、シエンタ様の謁見が完了次第神々へご説明を致します。しばし、お時間を頂きます。窮屈かもしれませんが、護衛と監視の為グレータデーモンを置いておきますのでご了承下さい」


「はいはい、よろしくね」


 戦う事は確定っぽいなぁ。ジョージ頑張れ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 普通に考えて あほでは・・・ だって情報を色々と調べると分かるだろう ダンジョンでいまだに攻略できない場所はどこだ150年前以上から前に存在している所はどこだとか・・・ 普通は分かりそうなも…
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