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開かずの塔のダンジョンマスター  作者: てぃる
夜会に集うダンマス達
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バッフォシリーズ、まだ全部は出てませんよ?(全部出すとは言っていない

「控室も豪華だなぁ」


 色とりどりの調度品が並び、明らかにフカフカであろうソファがオレを出迎えてくれる。


 天井に下がるシャンデリアが魔法の光を放ち、穏やかな気持ちにさせてくれる。


 大きな姿見、飲み物や軽食。そして給仕のメイドが一人と、壮年の執事がオレ達を出迎えてくれた。


「ようこそおいで下さいました。小生はグランバフォメットのリグレブと申します」


「お? おう、斎川歩だ。こっちがシヴィーでこっちがジョージ」


「宜しくお願いいたします」


 頭を下げ、オレを迎え入れた執事に挨拶をする。黒い山羊の角以外は、完全に人化しているな。バフォメットシリーズも上にあがれば人化出来るんだ。


「執事長……」


「ミニバッフォ、ここからは小生が引き継ぎます。血が抜かれたのでしょう?」


「畏まりました。マスター斎川、小生はこれで失礼致します」


 おお、ヒト型だ。頭から羊の角が生えているけど。


「ああ、ご苦労だった」


 オレはシヴィーに目配せをし、シヴィーがミニバッフォに金貨の入った袋を渡す。


「これは……小生はご迷惑をお掛けしたのに」


「ミニバッフォ」


「は、ありがたく……」


 プチバッフォに聞いたところ、チップを渡すのは有りらしいので用意しておいたのだ。


 物品よりお金の方がいいとの事だったので金貨を用意。


「斎川様、どうぞお掛けになってください。ご用が御座いましたら、こちらの女給に」


「分かった」


 オレはソファに身を委ねる。おお、フッカフカや! 肌ざわりも良い!


「シヴィー様、ジョージ様。少しお話を宜しいでしょうか」


「ええ」


「問題ない」


「待った。オレのいるところでしてくれ」


 色々と聞き取りをしたいから執事長がわざわざ足を運んできたんだ。それは分かる。


 だから、情報のすり合わせはオレの聞こえる範囲でやってほしい。


「ですが、このような雑事をナラヴィー様のお客様に……」


「もうオレも当事者だよ。情報はシヴィーが持ってるけど、オレもまだ聞き取り出来てないんだ。ジョージは……座らない方がいいか、二人は座って構わないよ」


「畏まりました」


「はっ」


 シヴィーはオレの横に優雅に腰掛け、ジョージが背後を守る。


 ここまで案内された段階で、安全だとは思うけど。


 あとジョージが動き回ると鎧が調度品を傷つけそうで怖い。


「分かりました」


 リグレブは真剣な表情を浮かべ、机を挟んだオレの対面に立ち頭を下げた。


「この度は小生どもの失態、申し訳ございませんでした。また、我が同胞をお救い頂き、有難うございます」


「それはいいよ。ミニバッフォ達じゃ対応出来ない案件でしょ」


 名づけされた魔物は、戦闘能力も一桁二桁違う。


「は、寛大なお言葉、有難うございます」


「座って。話しにくい」


「失礼いたします」


 リグレブが着席すると、メイドがオレ達に紅茶を淹れてくれる。


 丁寧にお辞儀をし、その場を離れた。


「それでは早速ですが、本題に入らせて頂きます」


「そうだな。シヴィー、どこまで分かってるんだ?」


「そうでございますね、ここからは本人に語って貰いましょうか」


 シヴィーは右手を上げると、黒い靄を空中に手から放つ。


 バスケットボールくらいのサイズの黒い靄には、見たことのない男の顔が浮かび上がる。

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