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はいひーるでふまれたいっ?
「ようこそお越しくださいました。今日も大変凛々しいお姿でございます」
「ミニバッフォ、今日も頼むな」
夜会本番、プチバッフォの案内を受けてナラヴィー様の大きな屋敷に到着した。
相変わらず、屋敷の前でプチバッフォは退散。ミニバッフォとチェンジだ。
「お任せください。おや、前回とは従者の方が違いますね」
「まあ色々あってな」
オレに付き従うのはドレスアップしたシヴィーと完全武装のジョージだ。
「従者の女性も今日も大変お美しく御座います。新しい従者の方も雄々しく……」
「ありがとう」
「ああ」
柔和な笑みで応じるシヴィーと、無骨な声で返事をするジョージ。
「他の方々は?」
「一番手に御座います」
「そうか」
通例として、新人が先に足を運ぶとプチバッフォからの情報だ。
あの烏賊男はプチバッフォがもういないから時間通り、つまり上位陣のダンマス達とかち合ってしまう。
変な緊張感を味わうのはパスだ。
「まず控室へご案内致します。どうぞこちらへ」
「頼んだ」
「お待ち下さい」
待ったをかけたのはシヴィーだ。
「ん?」
「ジョージ」
「はっ!」
見た目の鈍重な装備とは裏腹に、素早い動きでジョージがミニバッフォの背後に回りその体を拘束。
綺麗な絨毯へミニバッフォが叩きつけられた。
「ちょっ!」
「何をっ!?」
驚いたオレの前にシヴィーが立ち、ミニバッフォの頭を踏みつけた!
「舐めないでいただきたい。変身自体は見事と言えます。だが私の目は誤魔化せませんよ?」
「くっ」
「そもそも、貴方は悪魔ですらないですね?」
「この匂い、不死者の匂いです」
ジョージが言う。
不死者?
「殺した相手の皮を被るタイプでしょうか? それとも、相手の体の中に潜りこむタイプ? それとも単純に変身……擬態のようなものですか? さあ答えなさい? 私の靴が汚れる前に」
シヴィーの足に力が入り、ミシミシとミニバッフォに化けた魔物の頭が軋んだ。
「へ……変身だ。対象の血を飲むことで、あ、相手の体に……ば、化ける」
「案内のミニバッフォは?」
「な、ナラヴィー様の魔物に手をかけるほど、愚かでは……ない」
「生きているのですね。どこです?」
「…………」
シヴィーの質問に対して、ミニバッフォに化けた魔物が沈黙する。
「なるほど、いいですよ。その方が手間が省けます」
シヴィーは長く白い手袋を脱いで、その細く長い指を露わに。
人差し指の指先から、タールのような黒い液体が真っ直ぐに落ちてミニバッフォに化けた魔物の頭に落ち、その体を徐々に覆っていく。それに合わせてジョージも離れた。
魔物は完全に液体に包みこまれた。
「混沌の中で眠りなさい」
シヴィーの言葉と共に、真っ黒な液体がまるで巻き戻る様にシヴィーの指へと戻っていく。
あれ? 魔物は?
「分かりました。通路の先の部屋ですね」
「えーっと、良く分かんないんだけど」
「お気になさらず、我らは我らの仕事をしているだけですから」
「シヴィー様のおっしゃる通りです」
「えっと、あの魔物は……」
「お気になさらず」
気になるよっ!?
「それよりも、ミニバッフォをお助けしましょう。こちらです」
「シヴィー様、ミニバッフォは一人ですか?」
「ミニバッフォが3名です。見張りはいませんね。拘束札で動きが制限されているだけのようですね」
「では問題ありませんね。自分一人で行って参ります」
「アユム様、どうぞ。お座りになってお待ち下さい」
シヴィーはオレの手を引き、玄関ホールに備え付けてあるソファに誘導する。
「今ジョージが連れて参ります、少々お待ちくださいませ」




