狙われたハン?
三蔵達はハンの家に世話になる事になった。
そこで白い魔物の襲来に、英雄伝説を聞かされ、
前途多難な謎が残った。
俺は三蔵だ!
俺達は無事(?)に、遺跡のある中国にまで辿り着く事が出来た。
そこで知り合った道案内のガキ…ハン!
そこで、いろいろ驚く話を聞かされたのである。
羽のある白い魔物の襲撃…
その魔物を、ガキであるハンが不思議な義手で魔物を退治し、
その夜…
信じられない英雄伝説とやらを聞かされ、
更に…
村にある謎の結解を見せられたのである。
三千院と大徳は残って結界を調査し、俺は難しい事はよく解らないので…
三蔵「ふぅ~」
樽に湯を入れて、風呂に入っていた。
三蔵「やはり…日本人は湯に入らんとなぁ~」
俺は風呂から出ると、真っ裸でポーズを取ってみた。
なかなかの肉体美だ…
我ながら惚れ惚れするぜぇ~
と、そこに…
「何を馬鹿やってるんだ?」
カッ!?
見られた!?
俺の前に現れたそいつは、例の金髪野郎(蛇塚)であった。奴は恥ずかしい人間を見る憐れみの目で俺を見ていた。
こんな恥ずかしい所を見られたからには…
口封じに殺さねば!!
俺に殺意がわいた。
三蔵「金髪!また、何か因縁つける気か?」
俺は戦闘態勢になる。
早めに始末せねば…
一生の恥だ!
蛇塚「どうでも良いが、その粗末な物を隠せよ?バカ!」
三蔵「ん?」
あっ…
俺はそそくさと服を着た。
てか、何が粗末だって?
こう見えても実に立派な…
ヘックシュン!
とりあえず服を着てからにしよう。
三蔵「おぃ!金髪野郎!また俺に喧嘩売りに来たのかよ?」
蛇塚「シィー!黙れ!」
すると金髪野郎は俺の頭を抑えつけて、何者かから隠れるように身を潜めたのである。
三蔵「何をしや…」
更に口を手で塞がれる俺。
モゴモゴ…
ん?
金髪野郎の視線の先には黒いマントを被った不審な奴が、ハンの眠っている離れ家に忍び込もうとしていたのだ?
三蔵「…何者だ?野郎!」
蛇塚「…知らねぇよ!」
蛇塚もほんの少し前に、その侵入者に気付いたのだと言う。
仕方なく俺は金髪野郎と一緒に侵入者の後をつける事にした。
侵入者はハンの寝ている部屋に入ると、持っていた何かを懐から抜く…
それは…
蛇塚「ありゃ短剣じゃねぇか!?」
侵入者は眠っているハン目掛けて、短剣を振り下ろしたのだ。
三蔵「させるかぁ!」
俺はすかさず金の錫杖を己の気で構成し、侵入者目掛けて投げつけたのだ!
突然飛んで来た錫杖に、侵入者は慌てる事なく持っていた短剣で受け流しつつ、その錫杖を俺達目掛けて投げ返して来たのだ。
三蔵「うおっと!」
俺と蛇塚は飛び上がり、マタを開いて躱した…が、
勢いあまり、俺達は頭を衝突させてしまった。
三蔵「いってぇ~!」
蛇塚「いってぇ~じゃねぇよ!バカヤロー!自分の錫杖の管理くらい自分でやりやがれぇ!」
三蔵「はっ?」
蛇杖「元はお前の気なんだから自由に消せるだろ?って言ってるんだよ!」
三蔵「あっ…なるほど…」
己の気で構成した錫杖は自らの意思で出したり消したり出来るのだ。
ちょっとした手品だよな?
と、余計な話している場合じゃないな?
侵入者「…………」
侵入者は再び眠っているハンに向けて短剣を振り上げていたのだ。
三蔵「ハーン!」
俺の叫び声に目を覚ましたハンは、目の前に短剣を突き付けられて、驚き様に飛び退いたのだ。
ハン「うわっ!何だってんだい?こりゃあー!」
ハンは右腕を侵入者に向けると、爪が伸びて侵入者を貫いたのである。
ハン「へへ!誰か知らないけど俺を狙ったのが命取りだったな?」
三蔵「ハン!その場から逃げろ!」
ハン「エッ?侵入者は…」
見ると、侵入者は何事もなかったかのように、その場に立っていたのである。
ハン「くそぉ!」
再びハンの伸びた爪が、侵入者を襲うが、ハンの爪は侵入者には届かない?当たらない?かすりもしない!
ハンの攻撃は侵入者の残像のみを消すばかり、
ハン「う…嘘!?」
すると侵入者が目の前に近付いて来たのだ。
ハン「あっ…」
侵入者の短剣がハンに突き刺され、
三蔵「させねぇよ!」
侵入者「!!」
俺が侵入者の短剣を錫杖を突き付け受け止めたのだ。
そこに割り込むように金髪野郎(蛇塚)が侵入者に飛び掛かる!
侵入者は慌てる事なく金髪野郎の突き出した腕を掴み、俺目掛けて投げ飛ばしたのだ。
三蔵&蛇塚「うがああ!」
俺達は衝突するも、すかさず体勢を整え侵入者に向かって構える。
三蔵「あの野郎!」
蛇塚「…………」
見ると金髪野郎の様子が変なのだ?
三蔵「どうした?」
蛇塚「あの男…多分…」
三蔵「知り合いか?」
すると金髪野郎は前に出て侵入者に向かって叫んだのだ。
蛇塚「何故こんな事をするのですか?どうしてあんたが!事と次第によっちゃあ、俺も黙ってはいませんよ?」
『バサラさん!』
すると、侵入者は被っていたマントを脱ぎ捨て、その顔が見え始める。
銀色の髪…
右目が青く左目が緑?
人間離れした美しい男がそこにいた。
いや、コイツは?
俺達と一緒に来た奴じゃんかよ!
確か?
金剛夜叉明王のバサラって、言ったっけ?
普段から無口で存在感ないから…忘れてた。
蛇塚「バサラさん!」
金髪野郎の問いにバサラと呼ばれた男が答える。
バサラ「邪魔をするな!さもなければ、お前達を…」
三蔵「俺達をどうするって言うんだよ?」
蛇塚「お前は黙ってろ!」
金髪野郎は、銀色の髪の、え~バサラって奴の行為に熱くなっていた。
蛇塚「で、何をしようとしていたのですか?」
すると…
バサラ「…ただ、そこの少年の腕を切り落とすだけだ!だから邪魔をするな!」
何だよ~
ハンの腕を切り落とすだけか?だったら最初からそう言ってくれたら…って、
ん?
三蔵「ざけるなぁー!」
蛇塚「バサラさん!あんた正気かよ?自分で何を言ってるか解ってるのか??」
バサラ「…俺は正気だ!邪魔するならお前達を捩じ伏せてでも…」
三蔵「やらせるか!」
蛇塚「何が正気だ!三蔵!今回はお前と同意見だ!バサラさんを止めるぞ?」
俺と金髪野郎はバサラに向かって突っ込んで行く。
バサラ「やむを得ん…」
三蔵&蛇塚「うりゃああああ!」
俺と金髪野郎の同時攻撃を、バサラはあしらうように躱していく!
コイツ…何なんだ!?
動きが速すぎる!?
全然とらえられねぇぞ?
人間離れしていやがる!
すると俺と金髪野郎は同時に首筋にショックを受け、崩れ落ちるように倒れたのだ。
三蔵&蛇塚「がはぁ!」
意識が飛びかけたが何とか堪える。
バサラ「しばらく動けないはずだ…お前達は黙って見ていろ?」
バサラは倒れた俺と金髪野郎を残して、再びハンに近付いて行ったのである。
バサラ「直ぐに済む…痛いのは一瞬だけだ…」
ハン「止めろ!止めろ!止めろ!」
バサラは容赦なく短刀を構えると、ハンに向かって…
「させねぇー!って、言っただろ?」
バサラ「!!」
狂気な?バサラを止めるように、俺と金髪野郎がバサラの足にしがみついたのである。
三蔵「何があっても、ハンを殺させねぇ!」
蛇塚「俺が止める!止めてやる!バサラさん?正気になってくれ!」
俺達の必死な訴えにバサラの動きが止まったのだ。
バサラ「仕方ない…」
そしてバサラが語り始めたのである。
バサラ「俺は別にハンを殺そうとしている訳ではない…」
三蔵「それは、どういう意味だ?」
バサラの口から、その狂気な行為とその意味が明かされる。
バサラ「…あの義手は危険だ!放っていたら…あの力を使い続けたら、その少年は…」
『白い魔物になってしまうのだぞ?』
…え?
三蔵「はっ?何を言ってるかサッパリだぞ?」
蛇塚「白い魔物って昼間に現れた化け物ですか?それに何故ハンが魔物になるんすか?そもそもバサラさんが何故それを知ってるのですか?」
バサラは短刀を鞘にしまうと、恐るべき真実を語り始めたのだ。
バサラ「…あの義手は魔物の細胞から造られている。力を使い続けると、魔物の細胞が人間の身体を浸蝕し、やがて人間は魔物になってしまうのだ!」
三蔵「何なんだそりゃ?」
蛇塚「意味解らない…それが本当だってなら根拠はあるんすか?」
三蔵「そもそも、何でお前がそんな詳しく知っているんだよ!」
バサラ「その少年の義手にある紋章…それは奴の…奴の紋章…」
三蔵「紋章?」
バサラ「………」
するとバサラは再び黙り込んだのである。
「ちょっと待てよ!」
そこに、ハンが叫ぶ。
ハン「人間が魔物って…それが本当だってなら、今まで村を襲って来た魔物は何なんだよ?昼間…昼間来た…魔物は…??」
するとハンの脳裏に嫌な予感が襲った。
(何故…昼間の白い魔物は父さんのネックレスを持っていたんだ?あの…ネックレスは…父さんの?俺が父さんが遺跡に行く時に渡したんだ…)
ハン「あっ…ああ…アアア!!」
ハンは全てを理解してしまったのだ。
ハン「それが本当なら…
あの魔物は…父さん??
僕が殺した化け物は…父さんだったんじゃないかぁーー!!」
三蔵「ハン!」
するとハンの身体が震えだし、異常な妖気を発し始めたのだ!同時に義手が膨張し、振り回すように暴れ出し、手当たり次第に壊し始めたのである。
三蔵「どうしたんだ?ハン!止めろ!」
ハン「俺が…父さんを…父さ…殺し…コロ…モガ!モガガガ!ガアアアー!」
ハンの姿が…!?
俺達の目の前で白い魔物へと変わっていったのだ!!
三蔵「何がどうなってるんだよ!?」
『ハーーン!』
次回予告
三蔵「まさかハンが魔物に?
それにバサラ!あいつは何者なのだ?
俺達の仲間じゃなかったのか?
とにかく・・・
ナウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン!
俺が解決してやるぜーー!!」




