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第32話 今度はお姉さんが

ゴホッゴホッ、


「ほら、言わんこっちゃない」

「だって〜和樹くんのお世話したかったんだもん!ゴホッ、」

「はいはい、分かりました。病人は寝ててくださいね」


こないだ、俺は風邪をひいた。だが、雫の看病もあってわりとすぐ治った。しかし、俺に近づきすぎたせいか、今度は雫が風邪をひいた。


「私は大丈夫だから、和樹くんはお仕事行っておいで…」

「なに言ってるの?雫を置いて行けないだろう。会社には休むって言ってあるから気にしないで」


朝、雫が風邪をひいてる事を分かった瞬間にこれは俺のせいだと気付き、会社に連絡した。上司は案の定、『彼女さんが風邪!?絶対にそばを離れるな!』っと何故か怒鳴られた。


「えぇ…悪いよ…」

「確かに仕事も大事だけど、俺が仕事を頑張れる理由は雫がいるからなんで。そんな雫が体調悪いんじゃ、仕事なんかやってられないさ」

「和樹くん…」


「じゃあ、今日は少しわがままになってもいい?」

「少しで済むの?」


風邪のせいか赤くなった顔をブランケットで少し隠し、


「…いっぱい…」

「良いよ」

「えへへ、ありがとう」


にこりと笑う雫。普段から俺を甘やかしたり、俺に甘えたりくせに、今更わがままなんて、とは口には出さず、俺は何か食べれるものは作ろうと寝室を出ようとすると、


なにかが俺の服の袖を握っている。その正体は言うまでもない。

アニメでよく見るぷく顔で俺を食い止める、雫。風邪であまり力は入っていないが、俺はその可愛さに負け、すぐに立ち止まった。


「どうしたの?」

「むー。どこ行くの?」

「どこってなにか食べれるものは…」

「嫌だ」

「嫌だって…」


……


「そばにいて…わがまま、聞いてくれるって言ったじゃん…」


涙目になって、上目遣いでそれは卑怯だ。本当に俺に言って欲しくないんだろうな。


「分かった。どこにも行かないさ」

「えへ、やった」


俺はベットの端に腰掛けるの、


「えぇ、どうしてそこなの?」

「隣が良かった?」

「分かってるじゃん…意地悪…」

「あはは、ごめんごめん」


ゴソゴソ、俺は雫のすぐ横に寝そべった。


「ねぇねぇ、和樹くん」

「なに、雫?」

「風邪移しちゃ悪いからチューはダメでも、その代わり、いっぱいぎゅーして?」

「良いよ、おいで」

「はっ、うん!」


俺にピッタリとくっつき、頭をスリスリする。やっぱり雫はお姉さんみたいに大人っぽく甘やかしてくるが、たまにはこういうの良い。

俺も雫をぎゅーっと抱きしめた。


「ほぁ〜あったかくって落ち着く…」


「ねぇ、和樹くん、頭よしよしして?いつもお姉さんがしてあげてるみたいに」

「いいよ」


手を雫の頭にゆっくりと置いて、左右に動かす。


「よしよし、よしよし」

「う…ん。嬉しい」


また俺が風邪をもらわないように気をつけなければ。

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