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蜜破  作者:
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6.高慢な喉笛


 高慢な喉笛が、きりりと、音を立てて引き裂かれるような音がする


 高慢なそれは、不相応な言葉を喉奥から吐きたくて震える


 ーー音が幾つも重なり、絡みつくように思考を支配して


 **


 風切り羽を切るなら


 ……途端に羽は、力を失う


 歩きなれていない、……本来長距離を闊歩するには不安な二本の頼りない足を使うしかない


 飛ぶことを知らない飛べるようになって直ぐ、風切り羽を切られた鳥ですら


 窓の外を見ては


 自らのような羽を持つ小鳥が軽々と空を滑るように気持ちよく風を切るのを目にしては


 ……飛べない自らのふがいなさに小さな胸と小さな頭で一途に悩むのだ


 身勝手な都合で切られたから、物理的に飛ぶことは出来ない


 それを知らされていないから


 ただ、一途に……ただ、自らの能力の低さのせいなのだと、劣等感に苦しんで羨まし気に空を見つめ、そうして、憧れる



 ”……こんな、半端者の僕だって、いつかは、あの素敵な鳥のように、あの青い空を滑るように風を切りたい”


 羽をばたつかせ、地面を走るには不慣れな足で、ぺたぺたと歩き、高い位置から飛び降りて、羽は機能せず、飛びあがれず……落ちる



 **


 そんな鳥、……どうしても、風切り羽を切れなかった飼い主の残酷さで、素晴らしく美しい風切り羽にいつしか生え変わらせてしまった


 そんな鳥は、初めて身体が宙に浮きあがったと知った時、


 ……あんなに満足したような嬉しそうな……そんな顔をした


 身体全体で、喜びと、自信を溢れさせて


 本来、自らが持ち得た機能を、身体全身で力強く感じ取って



 **


 高慢な喉笛は、小さく叫ぶ


 音にならないそれ


 音を出す機能を忘れてしまったかのように


 せき止められた思いは強く変換されて


 別の表出でかたちになる



 ** 


 空は、変わらずに青いままで


 飛べない鳥は、自らのふがいなさと、空に憧れて


 **


 共通しているものは


 抗えないもの



 ……それは、行動指針になりえて、



 理屈ではなく、行動を支配して

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