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3.宝石
魅せられるもの、それが、指先から生まれる奇跡に、はっとする度に
羽根を得るような気がしていた
……口に出してだけでは、かたちにならない、混沌としたものが、考えの中で理論的に像を結ぶことがなくて……
それなのに、指先から思いもよらない言葉が綴られていく
その瞬間から始まって、
わたしは、そこに連れていかれる
わたしは、答えなどもってはいないのに
まるで、初めから答えを知っていたかのように指先から、続いていく物語や、色
それらに誰よりも魅せられているのはわたし自身で
誰よりも興味を抱いているのは、きっとわたし自身なのに
それを、切り捨てようとすることで、一番傷ついていくのは、きっとわたし自身だ
捨てられないのは、わたし自身で、望んでいるのもわたし自身なのに




