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〜翡翠の彼、瑠璃の彼女〜  作者: 狼×狐
第二章・変わりゆく学園生活
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10・勝ち負け



 エリックと、自らをアンノウンと名乗る酔狂なのかなんなのか、わからないが不気味な男との試合開始から3分後。


 会場は……燃えていた。


 それは、魔法による炎と、観客者達の熱気だった。









 エリックは、試合が始まってからずっと不思議に思っていたことがある。


「はっ…………だぁ‼︎」


 エリックの剣による鋭い剣撃も紫電しでんを残すばかりで、全く当たらない。


(つか、相手に届く気がしねぇ!



……でも)


 どことなく、なんとなくだが、『相手の足捌き』に見覚えがある気がする。


 それが一体誰なのか、それが分かれば勝機はある。エリックはそう思い、自分を奮い立たせる。



「ユリアナっ! 『アレ』をやるぞ!」


「っ! わかった!」


 途端、ユリアナは詠唱を始める。


 実は魔法を使う上で詠唱は必要なかったりする。逆に魔法を使う本人が剣を持って戦っている場合、詠唱はただの邪魔にしかならない。



 ではなぜ詠唱をするのか、それは


「”___して、我が手に集まりし炎よ、いざなえ!,,」


  詠唱が終わった刹那、ユリアナの手に集まった『自然の力』マナが複数の弓の形になった。



 詠唱の目的、それは、使い慣れない者なら集中力を高めて成功率を上げること。

 そして、魔法をある程度極めている者ならば、その目的は、威力を増大させることである。



 しかし、やはりというべきか決定的な弱点が存在する。それは詠唱中の魔法使いが無防備な状態であるということだ。故に



「はぁぁ!」


 前衛たる剣士の役目は必然的に魔法使いを守ることとなるのだ。



「エリック! 準備できたわよ!」


「了解!」


 お互いに声をかけあった瞬間、二人は動き出した。ユリアナはさらに後ろの方に。エリックはさらにアンノウンに近づく。


 そして


「ったぁ!」


 剣を足を狙って水平に切り落とすように振る。

 その行動に虚をつかれたのか、アンノウンは慌ててジャンプして避ける。




 それが、エリック達の目的だった。


 空中では身動きは取れない、当たり前の事だ、だから、確実に魔法が当たるこの時を逃すわけがない。


 剣を振るう直前にユリアナが放っていた魔法の弓は高速でアンノウンに向かう。


 そして


「なっ!」


 この大会で一度も抜いたことのない剣を抜き魔法を『切った』……それでも



「フェイクだ!」



 アンノウンからエリックで遮られて見えないように、もう一本の魔法の弓があった。


 勿論、そのことにエリックは知っていたので体を傾かせて避ける。


 空中で、尚且つ攻撃をよけたばかりのアンノウンにその魔法の弓を避ける手段はなかった。







 筈だった。




 エリックは愕然とした。放心状態になったとも言って良い。何故なら、そのアンノウンは無傷であり、そして




「そんな……嘘だろ……」


 


 エリックの手に握られた剣は……真っ二つに、「切り落とされていた」



 数分後、エリック無しで奮闘したユリアナの頑張りも虚しく、アンノウンの圧倒的勝利で試合は終わった。


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