4話 魔石の採掘場
ーー3年後
さらに3年後、俺は17歳になった。
この世界での成人は17歳なので、俺は今年から成人扱いされる。
今までは任意だった王侯貴族の舞踏会にも、成人を迎えたため強制的に参加をしなければならない。
「はぁ行きたくねぇなぁ」
「エリック様、そんなこと言わないでください、今度の舞踏会は長年懇意にしているゼネナル家の主催、どうかエリック様も我がベルーナ家の跡取りとしてふさわしい振る舞いをしてください」
「わかってるけどさぁ」
舞踏会に参加をするのははじめてだが、うちの家がだいたいその類の集まりにいくと、決まって各家のクソガキやおっさんに馬鹿にされる。
もう慣れてしまったが、舞踏会に行けば絶対にまた落ちた家の跡取り息子やら、お前にだけは娘を預けたくないだの散々言われるのだろう。
「はぁ行きたくねぇ」
「エリック様!そう言う事は言わないでください!」
じーやの小さな雷が落ちた。
ま、悪口言われるくらい、前世で薄給残業マシマシで働いていた頃に比べたらかなりマシなんだけどね。
「あー、舞踏会で良い感じの魔石の買い手が見つからねぇかなぁ」
俺は魔石の買い手を探している。
このベルーナ領には使われなくなった魔石の採掘場が50近くある。
俺の調べた限りその数は、アルト王国で最大規模だった。
つまりこのベルーナにもまだ富を生み出せる産業があるという事になる。
「そのためにも舞踏会で買い手を見つけないとな」
「ん?何か言いましたか?」
「いやいや何も言ってないよ、さ、舞踏会の準備しよっと」
そう言って俺は、屋敷にある大広間へと向かった。
危ねぇ、危うく魔石のことがバレるところだった。
まだじーやとか両親に採掘場のことは隠しておきたいからな、軌道に乗ってから話したいし。
ーー数日後
「エリック!今日は舞踏会に行く日だ、さぁ馬車に乗りなさい!」
朝、目覚めて大広間に行くとハイテンションの父さんさんがいた。
なんで馬鹿にされんのわかったてるのに、毎回そんなテンション高めで行けるのかねこの父は。
そうして俺は馬車に乗った。
ーーそれから2日後
「やぁルージュ」
「お、来たなセドリック」
馬車で向かう事2日目の夜、俺たちは舞踏会の開かれるゼネナル家の屋敷に着いた。
この家の当主、ルージュ・ゼネナルさんと俺の父、セドリック・ベルーナは仲が良い。
なんでも昔、同じ騎士団にいたらしいが。
何にせよルージュさんはうちが没落貴族であっても、良くしてくれる数少ない味方である。
「エリックも久しぶりだな、3年ぶりくらいか大きくなったな」
「久しぶり、ルージュおじさんもなんかまたと大きくなったね」
「はは、なかなか言うなエリックよ、最近肉を食べ過ぎててな、にしてもお前は相変わらずだな、魔力の方も」
「お、おじさん!急に何言ってんだよ、俺行くから」
俺は慌てて父さんとルージュさんの元から離れた。
ルージュおじさんには魔眼とよばれる特別な目が宿っている。
この目は人の魔力の総量を確認できるらしく、その魔眼のおかけでルージュおじさんは、俺の魔力量が尋常ではないことを知っている。
何故だが知らないが、ルージュおじさんはその事実を隠しているらしく、他の誰にも話していない。
しかし危うく父さんに魔力が多いところがバレるところだったじゃないか……まったくルージュおじさんは。




