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没落貴族に異世界転生?でも総量1万越えの魔力と商才活かしてはじめる国づくり!  作者: 神崎あら


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1話 天使と店長

 流石に18連勤めはキツいな。

 ただでさえカツカツの人件費でギリギリ回していたのに、駅前にできた商業施設の影響と先週から始まった忘年会シーズンにより、俺のいる居酒屋チェーン店豚義賊越谷店は、今絶賛大忙しである。

 

 「店長!5番テーブルにハイボールと生ビール5個ずつおねしゃす!」

 「おう、了解!」

 「店長、6番テーブルのお客様がお酒こぼしちゃって、拭くものほしいそうです!」

 「お、おう」

 「店長!大変です、今から団体客30人行けるかとお電話ありました」

 「……おう」


 今日のシフトは俺を入れて4人、正直ギリギリだ。

 他店からの応援は見込めない、はぁ、マジでこんな日ばっかだな。




 「おつかれしたー」

 「おう、お疲れ様!」


 夜0時、お店の後片付けを残ってくれたバイトの1人と終えて、帰り支度を整える。

 売上報告とかその辺の雑務はラッシュの合間を縫ってマメに行ったおかげで、今日はまだ終電に間に合いそうだ。

 よし今日こそ深夜1時前に帰って、しっかり寝るぞ。


 「部長の馬鹿やろー!」

 「先輩酔すぎっすよ」


 足早に駅に着くと、酔っ払ったサラリーマンの集団がホームの隅にいた。

 年末でよく見る光景、今年ももうすぐ終わるのだな。

 まぁでも本当に忙しいのは27〜30日だから、これからなんだけどね。

 

 『2番線に電車が参ります、離れてお待ちください』


 そんなことを考えていると電車がやってきた。

 さて今日は早く帰れたことだし牛丼でも食べて帰るか。


 「うるせぇ、俺は早く課長のなりてぇぇんだよぉ」

 「ちょっ先輩、何暴れてんすか」

 「うぉりゃああ」


 そう言って酔っ払った先輩は何故か俺にタックルをぶちかましてきた。


 「ちょっいきなりなにすん」


 咄嗟のことでガードできなかった俺はそのまま線路の中へと落ちた。

 まずい、電車がっ。



 「なんだここ」


 気がつくと俺は真っ暗な部屋にいた。


 「あ、どもども、世羅祐介さんですね」

 「あ、どうも、てか何故本名を知って……」

 「知ってますともー!世羅祐介さん、28歳、一人暮らし、家族構成は父母、妹ですよね」

 「そ、そうだけど、なんで知ってるのか理由が知りたい」

 「あー、そういうことですね、それはあなたが死んでいて、私が天使だからですね」

 「は?」

 「まぁ色々気にることとかあると思いますが、手短にいきたいんで、サクサク行きましょう!」


 いや死んだってなんだよ。

 まさかさっきの電車でか?

 明日の仕込みとか発注とかあるのに何やってんだよ俺。

 てか死んでのに仕事のこと考えてんな、これ現実なのか。


 「実感がねぇ」

 「世羅さんの場合はねられた瞬間に即死らしいので、実感がないのはそのせいですね」

 「そ、そうなんですね、てかあの俺はこれからどうなるんですか」

 「こらからですか?安心してください、世羅さんのこれからは明るいですよ、なんたって次は貴族の跡取り息子に転生するんですから!」

 「え、転生するんですか?」

 「はい!世羅さんは前世での行いが認められて、他世界への転生が決定しております」

 「他世界?」

 「はい!世羅さんが行くのは、魔法と異種族の世界です」

 「はは、すげぇな、でいつ行くんですか?」

 「今すぐです!」


 天使がそう言うと天使の背後から大きな扉が現れた。


 「な、なんだよその扉」

 「これは転生門です、これをくぐればあなたは新しい世界へ行けます、あとこれは餞別ですので受けってください」

 

 そう言って天使はクッキーひとつくれた。


 「なんですかコレ?」

 「特別なクッキーです、ささとりあえず食べちゃってください」


 正直言って怪しすぎて食べる気は起きないが、せっかくだし食べてみよう。

 どうせ死んでるし、怖いものないし。


 『サクッ』

 「なんだこれ、味がしないぞ」

 「まぁそういうものですからね、でも食べたおかげで、あなたの魔力が100から1万になりました」

 「魔力?」

 「はい!まぁ、実感とか湧かないと思いますが、その力はこれからの新しい人生できっと大きな役に立つと思います、では」

 「うわなんだ!」


 後ろにあった扉が急に開き、俺はそこへ吸いこまれた。

 

 「では世羅さん、良いセカンドライフを!」


 

 

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