おはようございます。墾田永年私財法です
VR魔道具を装着してログインしたら、謎の沼地へ降り立った。釣り人が結構な数いる。
「ピュピュンwwwwwwwwwwwピュピュンwwwwwwwwww」
「ピュピュンwwwwwwwwwwwピュピュンwwwwwwwwww」
「んんんっ!! ンンンッ! んっンッンンンンンンンンン!? ンンンッ! んっンッンンンンンンンンン!」
「んんん!! ンンンっッ! んっっンッンンンンンンンンン!? ンンンッ! んっンッンンンンンンンンン!」
ミハエルとフレッドが男同士向かい合って、下半身をエリマキトカゲの真似をしながら、うれしそうに謎の会話をしている。ミハエルとフレッドはエリマキトカゲのノリで沼の水面を歩行している。
当然どんな意思疎通しているかは分からない。宇宙人でもわからないだろうこの宇宙語は。
東雲波澄はドン引きして硬直した。
「この沼、地(獄の)球の日本の首都から近い大きな沼の再現なんだって」
人間語で、ミハエル。
「へ~、このタヌキが沼突き落としおじさんの正体か」
人間の言葉を使う気になったフレッド。だが狸と言われたのはどう見ても疲れた釣りスタイルのオッサンである。腹がすごいでた。
とりあえず、東雲波澄はミハエルとフレッドが人間語で会話してくれる事に安堵を感じた。
「そこから安堵しないといけないってどーなのよ…………」
思わず口に出す。
「波澄ちゃん……僕たちは地獄の風景を見る事になるかも……」
アリウスが戦慄した顔でそういう。
「沼突き落としおじさん狩り?」
ミハエルが急にそんなことを言い出す。
「一度崩れるとそのまま転がっていくよねアリウスって」
フレッドがそんなことを親友に言いつつミニスカートの女の子を釣り餌として釣り竿に装着して、釣り竿を大きく振り、沼に放り投げる。女の子は沼に沈む。当たり前だが。
「君たち程ギャグワールドに慣れてないだけだよっ! もう君のその行動に突っ込もうかすら迷うよ……」
アリウスが狂った光景に冷や汗をかく。
「ハァーハァー ンフーンフー」
ミハエルがあえいでいる、いやスクワットしている。
「息切れしてるwwww」
フレッドが煽る。
「違うわ! さっきの波澄のパンツ思い出して興奮してるんだよ」
「…………最低~~~~」
波澄は顔を赤くして両手でスカートのはしを抑えてうめく。
「今日釣りしないの?」
「釣りしてんだろwwww」
いつものミハエルとフレッドのやり取りである。
釣りを始めたフレッドに対し、その姿を確認してから、わざとそーゆー質問をする。
そしてフレッドがツッコミ入れる所までお約束である。
「奇遇ですね、今、ボクも自由と暴力のまんなかです」
「いやーホントですねー。オレも新世紀迎えてから世紀末な雰囲気が濃くなってきてるって感じてるんですよ」
そんな声が聞こえてきた。
波澄は声がする方を振り返ってみる。
アリウスが、奇遇ですね、と肩パッド装着したモヒカン釣り人に話しかけていた。
「ああ、アリウスさん。このcrazy worldになじもうと無理しちゃって…………」
波澄はアリウスの報われない努力に涙を流した。いやホント。
「AYUが沈められてるのここ? AYU沈められてるよね?」
と、ミハエルがフレッドや釣り人に聞いて回っている。
どう聞いても魚の鮎を聞いている感じじゃない。AYUって有名人がこの沼の底にいるかどうかを聞いている。
「突き落としおじさんハッスルしすぎたのかな~ハッスルしすぎて20人くらい東京湾の底に沈んでそう。
『小指はね、人間の体には4本しかないんですよ。5回目は許されないだあァ!』
とか言いながら東京湾に沈めてそう」
「8月15日 今日のミハエルくんは事故以来始めてイキイキとゲームを批判している。だがまだ記憶は戻っていない。安楽死も視野にいれようか」
アリウスも狂ってきたようだ。よくわからないことを口走っている。
「ペモペモ星人うっさいな……ペモペモうっせ~~だよ~ん」
ミハエルがそう唸る。視線の先にはピンク色の可愛い宇宙人がよちよち歩きしている。
「総入れ歯安定剤と思わせて、そう言えばあんた誰? この洒落結構よくない?」
フレッドがギャグを言う。
「え…………? ええ……う、ん…………」
波澄の精神は限界に近づいていた。VRを始めたばかりだというのに!
「海外でグロはギャグって言うのが理解できないんだよね~」
アリウスが腹の出た釣り人と好き勝手に会話している。
「水で尻洗う奴 ヴァーレンス王国みたいに下水道上水道発展した国、水質に合わせたものだからいいけど、海外じゃどうなるんだろうね」
フレッドが釣り餌にしたミニスカートの女の子をナンパしながらそんな話題を釣り餌の女の子にする。
「♪ららーらーらららららー」
浴衣を着つつ釣り人を沼に突き落とすボブカットの女の子が歌い踊り始めた。
「落下芸面白いわね~~~~……超エキサイティンね~~……」
波澄もとうとう狂い始めてきた。
「きさまだれだ。ひだりした」
ミハエルが左下の沼から頭だけ覗かせているおっさんに言う。
「左曲がりですか?」
フレッドが意味不明な事を言う。
「髪の毛が……ない……」
アリウスが驚愕の表情で凍り付いて、左下の沼から頭だけ覗かせているおっさんを見る。
「蛇を首に巻きつけてあそびましょう」
波澄がアオダイショウを手に持ち乱暴におっさんにぶん投げる。
「いや、鳥だよ波澄ちゃん、胸肉ひきちぎりましょうトリムネー!!」
アリウスもいよいよ狂ってきた。
「おっきみぃ、ゆでたまご食べるって脱税するってこと?」
フレッドが他の女の子の脳天にゆで卵を乗せながら調子よく訪ねる。
「相変わらず脈絡のない流れだらけ。もうやめて! 大好きになっちゃう」
波澄が精神崩壊しそうだ。
波澄は、
「♪ららーらーらららららー」
浴衣を着つつ釣り人を沼に突き落とすボブカットの女の子と一緒に盆踊りみたいな踊りを踊り始めた。クルクルと2人で回りつつ。
釣り人のど真ん中で。
「らいみん、かわいいね~」
いつの間にかいたパピヨンの犬にミハエルが話しかけている。
「子供にネット使わせるなとか言うくせに大人もリテラシーないんだから無責任な人多すぎじゃな~い。
あと、キミそもそもカレー嫌いだよね。
カレーもキミのコトのこと嫌いだよ(はぁと)」
フレッドが釣り餌の女の子を釣り竿で引っ張り水中から引き出してそんなことを言ってる。
「おはようございます。墾田永年私財法です」
と名乗る筋肉マンが釣り場に現れた。現れただけだが。
「どうも大腸を整えるソマチッドです」
と名乗る女も盆踊りを踊りながら現れた。波澄と浴衣を着つつ釣り人を沼に突き落とすボブカットの女の子に混ざって踊り始めた。
「背広を着たサラリーマンのオッサンらが、3、4人で歩くとき、全員が横に並んで歩いているのをよく見かけますが、他人の邪魔になっていると思わないのかな?
私は、狭いところを家族や、友人とで歩くときは、端に寄って縦に列ぶようにしていますが、オッサンらは、なぜ、道幅いっぱいになってでも、横に並ぶのかな?」
フレッドを釣り餌の女の子がトピックをそれに変えてフレッドと会話してる。
「そんなオッサンたちを、フレッドはどう思いますか? わたしは、腹が立つのもありますが、可哀相にも思えてきます」
「そうだねぇ~、オレからは、今の君の方がかわいそうかな~」
そういいつつも釣り竿ぶん投げて釣り餌の女の子を沼に沈める。
「最近の若者はどうとか言う前に、自分らの振る舞いを見直すべきだと思うのですが」
釣り餌のミニスカート女の子は沼から這い出してきてライギョを桟橋に投げながら話題を続ける。
「【他人の邪魔になっている】とかいう気配りをできる知能があれば、そもそも会社員なんてやってねーっしょー。太陽系惑星外から見た、地球の連中のレベルはそんなもんです。気にするだけ時間の無駄だよ。
地球人は他人の命かかってる場合でもルール厳守で人の心を忘れている。特に会社員はな! 機械のような奴らに 支配されることに安心感を覚えてやがる」
フレッドはライギョを掴みクーラーボックスに入れる。
「そういやさ。地(獄の)球って今はメッセンジャーソフトで一時間で付き合って浮気と誤解で別れる時代らしいね。
アナログにはアナログの良さがあると思うんだけどな~、ホント。それ手軽にしちゃいけないでしょ、って」
フレッドがのんびりぼやく。
「そういうこと気にする前に気にする現象いっぱいあると思うんだけど……」
波澄が精神崩壊しそうになりながらもそこは突っ込んでおいた。
「VRって怖いんだなぁ」
波澄がしみじみと感じる。女3人でくるくる回って盆踊りしながら。




