プロローグ
僕はシャール王国で外交省に務めるシャルテ34歳。
今日は外交省の上司に休日早朝に呼び出され、外交省内部で会話を行なっている。
「いやぁ、わざわざ休みの朝早くすまないね、シャルテ君。ちょっと上から君を呼び出すように言われてね。来てもらったんだよ。」
こう切り出したのは、僕の外交省の上司パークス、
46歳。金色がかった腰まであろうかという長髪に金色の髭がトレードマークの男だ。
部署の配置替えで2年前から僕の直属の上司であるが家が高貴の身分であるらしく、素性は分からないものの物腰柔らかく、部下として僕は恵まれていると思う。
「お偉いさんが待ってるから、執務室に行こうか。そこで詳しい要件が伝えられると思うよ。」
こうパークスに告げられ、外交省内部の階段を歩き始めた。
外交省内部はレンガで作られており、等間隔で最近開発されたランプがあり天気の悪い日でも夜でも足元を気にせずに歩けるようになり、ありがたい存在だ。
そう思いながら階段を登っていった。
「ここだよ。」
そうパークスが告げた扉の先にある部屋は外交省トップ、バードルの執務室だった。
僕は何度か廊下ですれ違ったことはあるが、話したことすらない組織のトップ中のトップだ。
そんな彼が何のようだろう?と思いながら僕はパークスの後に続き、執務室に入った。
なかではバードルが執務室の机に腰掛けながら僕の事を待っていたかのようにじっと見つめていた。
「シャルテ君をお連れしました。」
そうパークスは告げた。
「ご苦労。君は下がりたまえ。」
そうバードルは伝える。
パークスが部屋から下がった後、バードルが切り出す。
「シャール王国内で問題が発生しているようだ。君にはその対応をしてもらいたいとの王宮からの話だ。君にはこれから王宮に行ってもらう。」
そう切り出され、シャルテは
「詳しい話をお聞かせください。どのような問題ですか?」
と尋ねたがバードルも詳しくは知らないらしく、
「私も詳細は教えられていない。とにかく王宮へ行ってくれ。」
とだけ伝えられ、僕は執務室を出た。
シャール王国はアーリャル大陸の内陸に位置する歴史がまだ浅い王国である。
平均気温夏は30℃、冬はマイナス10℃と寒暖差が激しい。
王都はシキ。レンガで街が作られ、近郊にある湖とのコントラストが魅力的な都だ。
建国後47年、王国としてはまだまだ発展途上の国である。
資源は国土の大きさから調査が遅れているものの、様々な産業はあるものの、広大な地で取れる野菜、酪農、シャール王国北東地域で取れる銀山から銀貨を加工して輸出によって近隣諸国との交易で成り立つ国だ。
王はシャール王二世38歳、先代の初代の王が逝去し、即位し3年目だが、30代前半まで王国の内政に携わらず、一人異国の地に旅に出ていたが、先代の王が倒れたとの一報を聞き、シャール王国に戻ってきた後、王位を継いだ。
シャール王国は軍事国家大国北東フィナンドル、観光国家南国ナナザール、鎖国国家ハシャマザールなどなど、さまざまな国に取り囲まれながらも王国としての歴史を歩んでいる。
そんな歴史の浅いシャール王国でどんな問題が発生したのだろう...ましてや直接王宮に呼ばれるなんて...
そう思いながらシャルテは外交省を後にし、王宮へ向かう。
この時彼はまだ考えもすらしていなかった。
彼が携わることになる事件が王国を揺るがす大きな渦になっていくことを。




