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水の勇者の冒険は終わった・・・  作者: マサ
第2章 外からの声
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幕間5 七柱の正体

「でしたら、あの者等の処分からでしょう。はい。」


「・・・・・・少しは自重しろよ・・・スミス(・・・)!」


マサシの背後には、いつのまにか(たたず)んでいた執事スミスがいた。


マサシは眼を(つぶ)って振り返らずに話を続けた。

「ここはオレの精神世界で、闇玄武の邪気封印ダンジョンを支える予定の“水晶樹”の最深部に当たる場所。本来、オレ(・・)の許可無しでは入って来れない場所なんだぞ!」


「・・・あの者等の処分は私が行いましょうか?はい。」


「無視か!?オレの発言は無視なのか!?」


「私の能力を許容してくださる貴方様なら、私のこういった行動は問題無いと思いましたが?はい。」


マサシは呆れた顔で返答した。

「・・・・・多少は眼を瞑るが、オレにもプライベートと言う物が有るから頼むから自重してくれ!!」


(かしこ)まりました。それではあの者等の処分に行って参ります。はい。」


「スミス・・・自重しろと言ったはずだ!」

スミスはマサシが放つプレッシャーによって動けなくなった。


「何故でしょうか?

あの者等は貴方様に害しか与えないのですよ!早々に処分するのが上策です。はい。」


マサシはプレッシャーを放つのを止めて話し始めた。

あの者等(七柱)はオレの“先輩”に当たる人たちだ・・・つまり、未来のオレの姿と言う訳だよ。」


「?・・・・・どういう事でしょうか?はい。」


「あいつ等は過去に勇者として召喚された者達だ・・・・・

つまり、冗談抜きで勇者で無くなったオレの先輩だよ。

まあ、本来なら浄化(勇者の仕事)をやり終えたら、元の世界に送還されるかこの世界の住民として生きる選択が出来るが・・・

あいつ等は浄化途中で死亡して、人柱になった連中だ。人柱としての役割が終われば、記憶等が失われるが元の世界に送還されるはずだった・・・

それがこの世界の一部の住民が自分たちの富を増やすために禁呪を使い、無理矢理この世界に贄として捧げられたんだ。

その結果、“古神の理”と言う加護に魂が流れ着いて現在に至ると言う訳だ。」


「・・・・・連中の事情は分かりました。しかし、放置していい理由にはなりません。はい。」


「放置?・・・・・あっ!そうか、七柱結界システムの説明をしていなかったな!」


「七柱結界システム?はい。」


「七柱結界システム・・・・・この邪気封印ダンジョンの要となる“水晶樹”を守護する結界。そして、同時にオレの“能力(スキル)”で構成された結界でもある。

オレの“能力(スキル)”を利用して現世に戻ろうとしている連中に、オレの“能力(スキル)”を媒体にしてこっちも思考操作してオレの邪魔にならないようにすれば問題無いよ。」


「“こっちも思考操作して”?はい。」


「ああ、そこはお前でも分からなかったか・・・

結論から言おう。“中村雪”を召喚した“中村明”を手助けしたにはオレだよ・・・」


「!?」


「正確には“古神の理”に潜む連中からの思考操作によって無意識の内に手伝わされたと言う訳だ。

ついでに言うと“七柱”設定も連中の思考操作によって設定されたんだよ。」


「・・・・・・・そこまで分かっておきながら、何故処分しないのですか?はい。」


「連中の事情に同情したから・・・

オレにはまだ“余裕”があるから・・・

どうせ、オレの呪いや石化解除には時間がかかるから、暇潰しがてらに“連中”の手助けをしてもいいじゃないか?」


「・・・・・・その余裕、絶対に後で足元を(すく)われて後悔しますよ。はい。」


「だろうな・・・まあ、その時はその時だ。

この状況では多少の損をしてもあの姉弟(ユキ・アキラ)勇者候補(ピエール)過去の亡霊(七柱)を手助けするのがオレが選んだ“選択”だよ。」



次回は味方のモンスター達にはスポットライトを当てる予定です。

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