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水の勇者の冒険は終わった・・・  作者: マサ
第2章 外からの声
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第64話 マサシの失敗

【大丈夫かどうかは次の案件を片付けてから判断するよ。】


「次の案件?」

ピエールは首を(かし)げた。


【ああ、“中村雪”の進退についてだ・・・】


ユキはその言葉を聞いて身構えた。

「あたしの進退・・・?どういう事?」


【中村さんが何故、この世界(クロスディア)に来たのか、ようやく判明しましたからねぇ~】


「・・・・・・そういえば、あたしの弟も関係している風に言っていたね?」


【ああ、あの時はまだ、断言出来なかったけど、今現在は既に確定している事だからねぇ~】


勿体(もったい)ぶらないで早く教えなさい!」


【了解・・・・・まず、お前さん(ユキ)この世界(クロスディア)に召喚したのはお前さんの弟“中村 明(ナカムラ アキラ)”だ。】


「!!!・・・・・・・・・それで?アキラは今どうなっているの?」

ユキはショックを受けつつも先を(うなが)した。


【ああ、そいつなら今はオレの所にいるよ・・・!!!!!?】

ユキがアキラの場所を聞いたとたん、ユラリと立ち上がったと思ったら、急にオレの視界にノイズが走り体が動かなくなった!!


『・ア・・・・キ・・・・ラ・・・・・・・』

ユキは幽鬼のようなオーラを出して、左目を赤く光らせてオレ(泡蟹)(つか)もうとした。


オレはこの異常の原因がユキにあると断定して呼び掛けた!


【“中村明”は生きている!だが、これ以上、攻撃(・・)を続けるのなら命の保証は出来ない!!!】


その言葉に反応したのか、ユキは動きを止め、幽鬼のオーラが弱くなった。


幽鬼のオーラによって金縛りにあっていたピエールとビアンカはオーラが弱くなったので金縛りが解けた。


ピエールはユキを羽交い締めにして下げさせて、ビアンカは封印の(フダ)を取り出してユキの額に貼って正気に戻した。


オレは動けるようになった体を確認した。

【ハア・・・ハア・・・ハア・・・やってくれたな・・・・・・・

くそ!!!!!子猫を拾ってきたつもりだったがとんでもねえ虎を拾ったようだ・・・】


「!・・・アキラをどうするつもり!?」

正気に戻ったが、怒りの表情でユキはオレに問いかかけた。


【今、お前の弟にしているのは“保護”“治療”そして、“治療”が終わった後は速やかなる“帰還”を求める!】


ユキはその言葉を聞いたとたん、力が抜けて座りこんだ・・・

ピエールは急に力が抜けた事に驚いて離してしまう。


ユキはショックを受けたように放心していたがしばらくして再び問いかけた。

「それは本当?・・・嘘じゃないよね?」


【・・・・・本当だ。これが嘘かどうかは、お前(・・)は既に判断(・・)できる能力があるはずだろうが?】


「・・・・・?どういう事?」


【・・・・・ちぃ!!!自分が何をやったのか自覚無しか!?・・・

とりあえず、交渉を続けたいのならば“繋がりの腕輪(・・・・・)”を外せ!

話はそれからだ。】


ユキは(かば)うように繋がりの腕輪を触って反論した。

「何で!?この腕輪は・【悪いが反論は認めない!武装解除しなければ、交渉に応じる気は無い。】・・・・・この腕輪が武器?冗談は止めてよ!」


【冗談なんかじゃない!・・・オレは爆弾(・・)を持ったテロリストと交渉できるほど(きも)は太くない。】


何を言っても無駄だと観念したユキは腕輪を外そうとしたが外れない。

力強く外そうとしたが外れない。

焦って外そうとしたが外れない。

ピエールが見かねて手を貸しても外れない。


「アワガニ・・・・・これ、取れないぞ!」


オレは“分析”のスキルを発動させて外せない原因を探った。


【・・・・・・・・なるほどねぇ~、これは外せないや・・・・・

ハァ~~~~~、お前を助けたのはオレにとって失敗(・・)だったなぁ。】



ありがとうございます。

次回は9/1 12:00に更新します。

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