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水の勇者の冒険は終わった・・・  作者: マサ
第1章 地の底で
33/86

幕間2 ブラウンつーの!

ブラウンside


丸い大きな石が光を放とうとした時、

白髪の幼女が穴に飛び込んだのを見た。


その時、頭の中に言葉が響いた!

【もしもし、聞こえますか?聞こえていたら、そこの穴に落ちて下に来てくれ!そこは危険だ!】


俺はその言葉に嘘が無いと感じると考えるヒマもなく、穴に落ちて下に行っていた。


下に降りると白髪の幼女が泡蟹を抱えて走り出していた。


俺もそれに続こうとした時、再度、頭の中に言葉が響く。


【ブラウン!!お前はそっちに行く必要は無い!スミスに今、気付かれると厄介だから静かに言葉を出さずに足下の泡蟹の誘導に従ってくれ!】


足下を見ると泡蟹がいて、灯り泡の光が強い部屋の方に行くように誘導している。


俺は音をたてないように動いて誘導された部屋に入った。その部屋は川が流れていて、川の向かう先には小さいけど日の光が見えた。


【あの光に向かえば、外に出られる・・・従魔契約を解除すれば、女体化も解除されるはずだ。】


「あの光の向こうに俺の家族がいるだな!?」


【・・・・・期待を持たせて悪いが、おそらくお前の家族はもう死んでいると思うぞ。】


「!?・・・どういう事だつーの?」


【ゴブリンは短命である。これは間違いないだろう?】


「ああ、だから、それがどうしたんだつーの?」


【あの魔人槌の様子からして寄生されてから時間が経っていない事が分かっている。状況から察するに魔人槌に寄生されてすぐにあの執事に捕縛封印され、オレを試す為の捨て駒にされた可能性が高い。】


「?・・・俺でも分かるように説明してくれつーの!?」


【結論を言う。あの光の向こうにはお前が知る時代から50年後の世界が広がっている。お前一人でもその世界を生きてくれ!】


50年後の世界!?・・・そんな事信じられるか!?しかも、そんな世界で一人で頑張れ、なんて冗談じゃないつーの!?


俺はその言葉に嘘が無いと確信してしまい、ショックのあまり家族の思い出を走馬灯で見ていた。

その走馬灯は白黒でもう二度と戻る事が無いと本能的に理解した。

俺の顔から表情が無くなっていくのが分かる・・・

白黒の家族の思い出が終わると、マサシが俺を助けたシーンがカラーで思い浮かんだ・・・



「っ!?・・・・・・・何でそんなトンデモない説明を信じるか自分でも分からないが、マサシが嘘をついていないことは確信持って言える。

頭がゴチャゴチャしているが、マサシはそんな世界に俺を放り出しても平気なのか?」


【・・・・・できる事ならオレの庇護ひごの元、一人立ちができるまで面倒を見たいが、オレはこれからヤバイ綱渡りをしなくてはならない!・・・それにブラウンを巻き込めば、お前は死ぬ可能性が高い。】


「つまり、俺が弱いから追い出されて、一人ぼっちになるつーの?」


【・・・ああ、その通りだ。】


俺はマサシを家族と感じているのか?


「あの白髪の幼女はお前に巻き込んでも大丈夫なのか?」


【!?・・・そうだった!?シロリンの意思を確認するのを忘れていた。】


「あの幼女シロリンは強さ的には問題はないみたいだな!俺に何が足りないだつーの!?」


もう、俺はあの川の先の光には興味すら沸かなくなった。


【・・・ブラウンの強さの問題点は女体化を無効にするとかなり力が削られる事とシロリンほど才能が有ると感じない事だな。】


「・・・・・・・分かった!体がメスなのは我慢する。才能は努力でカバーするつーの!」


【いいのか?オレに付いてもろくな目に会わないぞ!オレとブラウンは偶々《たまたま》出会った仲でしかないぞ?】


もう、俺に迷いは無い!


「俺の魂が叫んでいる!この繋がりを手放すなと!だからしょうがないつーの!」


俺は外の光に背を向けて洞窟の奥に戻って行った。


ありがとうございました。

次回は7/12 12:00に更新します。

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