第28話 マサシ処刑
「『世界を変える』?そんなのは不可能なのです!」
ルプよ。何故不可能なのか、頭の悪いオレにも分かるように説明してくれ。
「この世界は他の世界から邪気を押し付けられている。いわば、貴方の世界風に言えば邪気処理工場っと言った場所なのです。その工場が機能しないと他の世界が邪気に侵食され滅びてしまうなのです。
それを避けるための浄化システムが勇者召喚なのです。
でも、この300年で勇者召喚はその規模が収縮され、浄化が追い付かなくなってしまったなのです!
その邪気を浄化する為には、貴方の犠牲が必要不可欠なのです。」
なら、その300年で貯まった邪気をどうにかすれば、オレは犠牲にならなくて済むんだな。
「そんな事は無理なのです!
このクロスディアの管理神やその周辺の世界の管理神達が手が出せないほどの規模になっているなのです。」
・・・それ程の規模なのにオレ一人の犠牲で済む原理をぜひ教えて欲しいですな。
「神々が魔法を掛け合って、貴方専用の人柱の呪法を完成したなのです。
それが在れば、クロスディアの邪気は人柱の中に完全封印され、千年をかけて浄化するなのです。」
もう完成しているならオレが今死ねば、その呪法に組み込まるんだな?
「さっきまでは無理でしたけど、今この時から可能になりました!
さっき、ようやく隣の世界の管理神から準備が整ったと連絡が入ったなのです!」
・・・なら、すぐにでもオレを殺すのか?
「悲しい事ですが、ここまで余計な事を知っていては呪法に小細工される可能性があるなのです・・・
これもクロスディアの為なのです!今ここで死んでくださいなのです!」
ネークスは青い鎧を吸収する事で自身を大蛇に変えて、マサシの石像に襲いかかった!
『泡の精霊達よ、我に力を与えたまえ、守るは泡の障壁』
《泡障壁》!!!
大きな泡がマサシの石像が包み守る。
ーネークスの攻撃!ミス、泡障壁によって攻撃を受け流されたー
「小僧!!無駄な抵抗は止めるですぞ!
世界が貴様の死を望んでいるですぞ!」
悪いが、はいそうですかっと渡せる程、オレは自分の命を軽んじていない!!
それに・・・・・・・
「マサシさん・・・・・もう諦めて・・・へっ!?成功?あの・・・あっ!はい・・・はい!・・・・・・確認しますが呪法は発動した・・・偵察していた管理神が呪法効果を確認した。いえ、はい・・・はい。分かりました。ご協力ありがとうございましたなのです!
ネークス!攻撃停止!!」
「えっ!?フィリア様、今こいつを殺さねばクロスディアは終わりですぞ!?
情に流されている場合では無いですぞ!」
「いいから中止なのです!マサシさんに聞きたい事が出来ましたなのです!」
オレの策が上手く作動したみたいだな!
「どういう事なのです?」
さっきのは協力してくれた他の世界の管理神ですか?
マサシが死んで呪法が発動したと連絡が入ったのですか?
「ええ、そうなのです。でも、貴方はまだ死んでいないなのです。
でも、呪法効果が出ているのは管理神の名において保証されているなのです!
どういう事か知っているの?マサシさん。」
ああ、知っているよ!
というか、オレに気を取られ過ぎで周りへの注意が散漫になっているぞ!
「周り?さっきと変わらず、明泡多祭の灯り泡が浮遊しているだけですぞ!」
「そうなのです!周りは泡だけ・・・・・っ!?シロリンやスミス達がいないなのです!?」
ついでに霊樹の苗木も無いだろう?
「貴方!?いったい何をしたなのです?」
これはさっきから言っていることだが
オレは勇者をしない。
すなわち、オレは正攻法はしない。
ありがとうございました。
次回はヒロイン候補シロリンの視点で書こうと思います。
7/10 12:00に更新します。




