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異世界冒険奇譚 月狂の歌  作者: 鴉野 兄貴
第四章。誰も信じてはいけない

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「なにあれ」

海賊船団の操作系統と策敵系統を破壊し、当面追跡できないようにした後、

旅を続ける私達のロケットの先には美しい惑星があった。


 「こんなところに星なんてあったっけ? 」

"彼"が首をひねる。


 「いや、図には無いな」

"呪術師"がそう呟くと、『図』を展開する。『図』は立体映像だった。



 「でも、綺麗な星だよ」「うまそうな飯があるといいのう」

"委員長"と"組長"がはしゃぐ。


 「辞めておけ」

"彼女"が呟いた。美しい花にはトゲがあるとのことらしい。


 「どうします? 」

"委員長"が問う。


 「退屈だし、いってみようか」

"彼"はそうのたまった。思えばやめておけばよかったのだ。



 「綺麗」

"私"は呟いた。一面を覆う花畑。


 「この果物美味しいッ! 」

楽しそうにはしゃぎ、歌を歌っている"組長"と"委員長"。


 何故か"彼女"だけロケットから離れようとしない。

「おい。"……"。こっちにこいよ」"彼"が"彼女"の名前を呼ぶが、彼女は首を左右に振った。


 「ほら」「……」

"彼"は花を編んで作った首飾りを"彼女"の首に渡す。

ひょっとして。邪魔なのではないだろうか。


 「邪魔だ」「邪魔だな」

申し訳なかった。私は"彼"らから離れる。



 魔導書を読みながら川辺でくつろぐ"呪術師"の傍に座る。

「……いたのですか」いたぞ。


 「花でもどうだ」花冠を編んでみせた。男が作るものでもないが作れたほうが色々はかどる。

「似合いますか」ふふ。似合うぞ。


 久しぶりにのびのびとくつろぐ"私"たちだったが。

「眠い」"委員長"と"組長"が寝てしまった。まったく。


 「……わたしも眠い」

大あくびをしてみせる"呪術師"。柄でもない。私は笑おうとしたが。

「ふあああああああああああああああああ」恥ずかしい。くそ。



 「ッ?! 」

ロケットが飛びたっていく。私達を残したまま。

「どうなって。いるんだ」

その疑問を口にするより早く、"呪術師"の頭の上の花冠が触手を伸ばして彼女の耳の穴に侵入しようとした。

たちまち花冠が燃え上がる。


 「……」「……」

絶句する私達を牽引ビームが引き上げる。


 「乗れッ! 」

さわさわと花だったものが触手を伸ばすが、私達には届かない。


 「急げッ! "呪術師"ッ! "組長"! "委員長"!!!!!! 」

"彼"の声。"彼女"の声。どうなっているんだ?


 「これは人食い惑星だ」「……」

彼曰く、日当たりのよく住み易そうな星に『見える』巨大生物らしく、石でも人でも何でも食うらしい。


 「主砲用意ッ!!!!!! 」「おうっ! 」

やれやれ。せっかくの休日気分が台無しではないか。

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