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弐
『申し訳無い』
男たちは"私"達に土下座している。
首だけの"彼女"の髪を掴み(どうみても痛そうなのだが)、
「これが目にはいらねぇか?!!! 」と"彼"が叫ぶと男たちは戦意をあっさり喪失した。
「どうなっているんですか」
"委員長"が口元を歪ませている。
「この『世界』には女性が生まれることはありません」
生まれた場合、殺します。と壮年の男が微笑む。
……。
「『女だ。殺せ』とは? 」
"私"の声が震えている。"私"の今の容姿は女性に見えるからだ。
「『愛』という感情を持った異物が生まれた場合、殺すことになっているのです」
「真なる愛は、我らが"神"のみが与えてくださるのです」
……。
「『彼ら』は自らの身体を『女』に改造しています」
「"神"でもないのに子を孕み、産み、育てることが出来るのです」
……。
「なにより、『愛』を人に語るという恐ろしい力を持っています」
「『愛』を知ったものは、"神"の意思に逆らう異物となってしまうのです」
……。
「来なければ良かったな」
"彼"はため息をついた。"私"たちは全員首を縦に振った。




