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小悪魔ちゃんのVRMMO  作者: アザレア
第2章 小悪魔と???
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第36話



「おー!待ってたよ!メイカちゃんは久しぶりだね!」


「キララさん。相変わらず声デカいですね……流石、マイク無しでライブ司会をした人」


「もぐもぐ」


 ライブが終わり観客たちが離れた広場。私たちはキララさんと話をしていた。まぁ、私は屋台で買った羊の串焼きを食べてるんだけどさ。これハーブと独特な肉の味が良い感じに合ってて美味しい。味見で1本食べてみたら美味しくてちょっと買い過ぎた。


「とりあえずここだと人の目あるし移動しようか!私が借りてる家に案内するよ!」


 キララさんは着いてきてと前を歩いて行く。着いていった先は町でもかなり端の方の建物……ポツンと一件だけあって隔離感が。


「この建物、元々防音性は高いんだけど、私だと結構音が貫通しちゃうんだよね!だから離れたところに1個作って貰ったんだよ!」


「キララさん夜中も鳴らしてそうですしね」


「あー、夜中にギターの音は騒音問題になりそう」


「実際1回なりかけたね!まぁ、入って!入って!」


 中に入ると建物の中には沢山の楽器と楽譜があちこちに……メイカの部屋みたいだな。クリエイターってこんな感じの人が多いの?


「適当に座って!さて、私が歌を作るのはそこの子かな?その服、メイカちゃんが作ったんでしょ!可愛いね!」


「ありがとうございます。まぁ、まだ治せる部分はあるんで精進あるのみです」


 と、しばらくはそんな感じで世間話が続いた。私はと言えばストレージに溜め込んでた食べ物やら飲み物を出してたくらい。途中からクリエイターじゃないと分からない話になっていったからね。宇宙を感じた。


「と、そこの子が着いて行けてないからそろそろやめとこうか!あとドレミが居ないのにこの手の話してるとあいつ拗ねるか、あいつがいる時にしよう!」


「そうですね。それじゃあ早速本題ですが……《歌魔法》用の歌を作って欲しいんですけど大丈夫ですか?」


「それは別に構わないよ!《歌魔法》なら私も使ってるし」


 まさかの《歌魔法》の先駆者。確かに音楽好きなら持ってても不思議じゃないか……てことは《歌魔法》の効果とかもある程度は熟知してる感じかな?


「ただ、彼女は楽器は使わない感じでしょ?そうなるとアカペラ向きの歌になるんだけど……効果だいぶ限られるね!」


「具体的には?」


「デバフ関係だね!まぁ、元々《歌魔法》ってバフかデバフかの2択だけどさ……あとその子の雰囲気に合わせるとどうしてもデバフよりはなるよね」


 デバフ。それはそれで強いような?そもそも私の職業スキルがそっち系のスキル多いし……


「ただ、作るに当たっては歌い手の技量は見させてもらうよ?人によって歌いやすい曲とかあるからね!」


「それそうですよね。モモカ、なんか歌える?」


「まぁ、カラオケは行くから歌える曲あるけど……フルで歌えるの少ないよ?」


「別にフルじゃなくて大丈夫だよ!技術がどんなものか分かれば良いからね」


 そうですか。なら1番好きな曲を……私は昔からよくカラオケで歌ってる曲を歌った。何回も歌ってるから歌詞は覚えてるし採点でも高得点取れてる曲をね。


「おー、美味い……だけどなんで失恋ソングなのさ?恋愛ソングじゃないの?」


「なんかこっちの方が歌いやすいんだよ。ちなみに他の得意曲もそんなんだよ?」


 試しに何曲か歌ってみるけど全部失恋ソング……メイカのその目は何さ。そのジト目は。


「それでどうですかキララさん?」


「うん、上手いね!プロ目指してる子でもそこまでアカペラで歌える子はそう居ないよ!これはドレミがアイドルにしようとしたのも分かるなぁ……ここまでの逸材は磨きたくなるよ!」


「なりませんからね?というかその話的にキララさんももしかして……」


「元スターライトジュエルの人間だね!私は歌の指導役兼作曲担当してた……まぁ、新社長がキャパ以上に曲作らせようとして、コネで入った子たちが歌のレッスンを真面目にしてくれなくて辞めたんだけどね!今はフリーで活動中!」


 ちなみとキララさんが作った曲を教えてもらうと、どれも有名でアルバムの発売数で上位に入るようなものばっかりだった。あれ?なんか凄い人に曲を作ってもらう感じになってない?


「さて!それじゃあお仕事の話になるんだけど!モモカちゃんには素材をちょっと集めてきて欲しいんだよね!」


「素材ですか?」


「そう!実は《歌魔法》の歌って特殊な羊皮紙とインクが必要になるんだけど……今手持ちが無いんだよね!ただ、その素材を切らしちゃってて無いんだよ!」


 それを集めてきて欲しいと。そしてその素材だけどランクもやっぱりあって……現状、それぞれこの町から行けるダンジョンとフィールドのボスたちの素材が良いらしい。1体から2曲分は手に入るらしいから丁度良いね。


「それじゃあ素材集めてきますね」


「よろしく!あ、そうだ良かったらこれもあげるよ!」


「ん?これは?」


「私が作ったボイトレメニュー!ガチのやつじゃないけど、やっておくと歌ってる時に息切れしたりしにくくなるよ!」


 ふむふむ……これは良いものを貰ったね。私のリアルの部屋、地味に防音性高いから練習もできる。あと歌とか上手く歌えるとかクラスの打ち上げでカラオケ行った時に目立てて良さそう。モテ度アップ見込めてウハウハだね。

 私は貰ったトレーニングメモを穴ができそうなくらい見ながらダンジョンへと向かっていった。


▷▷▷


カサカサカサ……ギィ……ギィ……


「なんだこの精神を削ってくるダンジョン」


 背中が泡立ちそうになる空間。グラシスのダンジョンは虫の迷宮……ただし出てくるのはアリのみで、内装も光る苔が天井にびっしりと付いた土の洞窟。要するにアリの巣だね。

 あちこちから虫の這う音、顎を鳴らす音が聞こえてきて精神攻撃が中々に辛い。てか人によっては発狂しそう。


「とりあえずサクサク進んでボス倒しちゃおう」


 早く出たいから私は巣穴の奥へと進んでいく。そうして歩いていると自分たちの巣への侵入者を排除しようと住民が出てくる。


「ギィィィ!」


 出てくるのは人間と同じくらいのアリ。黒くツヤツヤな身体に大きな顎を鳴らしながらの登場は威圧感がある。ただあるだけだね……


「ドレミさんの圧に比べたらね……【ポイズンバレット】」


 私は毒の氷をアリに撃ち込む。氷は硬そうな殻を砕き、体内へ毒を回らせる。メイカにここのモンスターたちのことは聞いたある。ここのモンスターたちは状態異常への耐性が低いから毒で簡単に倒すことができる……そう、私と相性が良いんだよね。


「ギィ……!?」


 毒が回ったアリは驚きの声をあげて地面に倒れる。いや、反撃もしてこないのか……毒が強過ぎた?


「そういえば私の毒って耐性を貫通するレベルの毒なんだっけ?」


 アリ程度だとオーバーキルの毒。なら攻略はだいぶ楽になりそうだね。あとはMP回復用の蹴りがどれだけ効くかだけど。と、おかわりが来てるみたいだから試してみよう。


ドコ!ドカ!


「ギ、ギィ……」


 出てきたやつをステップで翻弄しつつ、蹴りでボコボコにしてやった。ちょっと硬めで効きが悪そうだけどダメージ自体は入ってそう。MPも回復できてるし、コレ攻略自体は問題無いね。


「というわけで……魔法ガンガン使って進んでいきますか」


 私は毒の氷と蹴りでアリたちをあしらっていった。ちなみにアリの名前はワーカーアント、働きアリって意味そのままだね。

 こいつらからは甲殻と体液が入手できる。甲殻は防具、体液はアイテムに使えてインクには体液が必要。虫の血のインクか……呪われたりしないよね?


「ギィィィ!」


「ん?なんかトゲトゲしたアリが出てきた。兵隊アリかな?」


 ある程度進んで3階層ぐらい潜ったところで甲殻に短い棘が生えた個体が出てきた。顎が長くて腹部には鋭い棘が生えていた。


「ギィィ!」


「おっと、ワーカーより早いね」


 兵隊アリは俊敏な動きで距離を詰めるとガチン!と顎を閉じる。ワーカーより強いだろうとから警戒してたおかげで余裕で回避でき、その顎は空を切った。


「ふん!」


「ギィ!」


 私は兵隊アリの頭を踏みつけ地面に首を垂れさせる。そして胴体へ毒の氷を突き刺した。


「ギィィィ……」


 兵隊だけど毒への耐性はワーカーと同程度。すぐに動かなくなって素材に変わった。素材はワーカーをちょっと良くした感じだね。


「そういえばアリといえば蟻酸のイメージあったけど、攻撃にも素材にも無いんだね」


 強酸攻撃、もしかして現状私しか使えない?メイカから聞いた話だと結構凶悪な能力だったらしいから序盤出ないようにされてそう。私、lv20時点で使えるようになったんだけど良かったのかな?


「その辺は制作側しか知らないだろうし。気にせず進んでこ」


 今日中にはここのダンジョンクリアしたいからね。あんまり来たくない場所だから……私はカサカサ音を気にしないようにしつつボスの居る最奥へと歩いていった。


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