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小悪魔ちゃんのVRMMO  作者: アザレア
第1章 小悪魔のゲームスタート
14/42

第12話



「強酸……装備作る人間にとって最悪なものだね。ペッ!」


「唾吐くほど?」


 新しい職業スキルの効果を伝えたメイカの反応はこんな感じだった。めちゃくちゃ嫌そうな顔してる……そんなに強酸嫌なの?


「強酸はね……金属の武器防具特攻なんだよ。武器なら攻撃力を、防具なら防御力を削る。皮や木も金属程では無いけど影響受けるし。布は染み込んでダメージを受ける」


 唯一、骨で作った武器防具は影響無いらしい。それでも金属の方が強いから皆金属を使う……強酸に弱い金属の装備を。


「βの時のイベントに強酸を使う敵が居たんだよ……その時に酷い目にあったプレイヤーが多いんだよ。中にはトラウマ抱えてる人も居るんじゃない?」


「ふーん……そうなんだー」


「全然興味なさそう」


 そりゃね。私としてはこのスキルが強いのか弱いのか知りたいだけ。とりあえずどれくらいの強酸かを調べてもらった。


「んー……そこそこって感じかな?序盤で作れる銅の装備には充分、その次の鉄には少し足りないかな。生身にかけたらそこそこダメージは入りそう」


 ふーむ、ならCAMを増やせば充分戦力になりそうだね。私はストレージから覚醒玉を取り出した。


「なんかスキル強化するの?《水魔法》?」


「んーん、それはまだ良いかなって。強化するのはね……《カリスマ》」


「《カリスマ》?」


 《カリスマ》は私の素のCAMを10%増やしてくれるスキル。多分、強化したら20 %ぐらいは増えてくれそう。それなら戦力として使えるはず。


(あと今後の職業スキルもCAM関連が多そうだし、強化しても腐らないでしょ)


 ということで私は《カリスマ》に覚醒玉を使用した。《カリスマ》は《八方美人》という名前に変化……肝心の効果の方は。


ーーーーーー

《八方美人》

自分の基礎CAMを30%上昇させる

ーーーーーー


 あ、思ってたより上昇した。どれだけ上がったかな……丁度良いしステータスもちゃんと確認しとこ。


◇◆◇◆◇◆◇◆

モモカlv20

・基礎ステータス

HP:49/49

MP:127/127

STR:29

VIT:29+10

INT:87

MID:29+10

AGI:29

CAM:87+85

・職業スキル

《誘惑の香り》《恋の一撃》《目を奪う人差し指》

《刺激的な初恋》

・自由スキル

《水魔法》《回避》《八方美人》

《大食い》《着飾り》《格闘》《蹴術》

《毒耐性》《麻痺耐性》

・使用可能魔法

【ウォーターショット】消費MP:10

【ウォーターカッター】消費MP:20

【ウォータースプラッシュ】消費MP:25

◇◆◇◆◇◆◇◆


 CAMの合計値172。装備の強化込みだけどかなり高くなった。これで強酸を出して確認してもらったら武器としては充分って言われた。よし、これで山にリベンジしに行こう。私がそう思ったその時だった。


「あ、そうだ。モモカに話があるんだけどさ……明日、新しい町に行こうと思うんだ」


「えっ?新しい町?」


 理由を聞いてみるとこの町でやることは大体終わり、次の生産に必要なものが新しい町にあるらしいから移動するらしい。どうやら私のリベンジはしばらく後になりそうだね。

 え、文句は無いのか?って無いね。そもそも私はメイカのサポート役……メイカが新しい町に行きたいと言うなら一緒に向かう以外の選択肢なんてない。


(リベンジはまたの機会に……そもそも勝てるか分からないしね)


 どうせならサクサク終わらせたい。それにメイカの話だとまたこっちに戻ってくるみたいだしね……

 

「移動は馬車で1時間くらいかな?まぁ、準備はしておいてね……とりあえず10時に集合で」


「1時間。意外と早いね?」


 町から町への移動なのに……意外と近くにあるのかな?そんなことを思っていた私は気づかなかった……メイカの表情が若干曇っていたことを。そしてその理由を翌日知ることになることを。


▷▷▷


ガラガラガラガラ!!!


「あばばばばば!?」


「…………」


「ヒャッハー!!」


 翌日、私は情けない悲鳴をあげて振動に耐えていた。隣ではメイカが全てを諦めた安らかな顔で目を瞑り、耳には世紀末を思わせる昂った声が聞こえてきた。

 現在、次の町へ移動する馬車に乗っているところ。その馬車がとんでもない代物で……


「「ブルルルル!」」


 馬車を引いているのは2頭の黒馬。大きくゴツく……今まで見てきたどのモンスターよりも強そうな見た目。その2頭が引く馬車も大きくてあちこち金属で補強がされ、そんな馬車が車並みの速度で爆走している。なお世紀末な声をあげてる御者さんは普通って感じの人で尚更怖い。


(メイカが1時間で着くって言ってた理由が分かったね)


 馬車に乗る前にクッション渡されたり、出来れば喋らないように言われてたのもこの速度が理由か……それにしても振動が酷い。これリアルだったら酔ってたね。


(乙女の尊厳のピンチだった……というかあとどれくらい?)


 もう半分は来てるよね?私がそう思ってメニューの時間を確認すると、丁度20分経過したくらい。あ、あと3分の2も残ってるのかー……げんなり。

 景色を見ようにも速すぎてあんまり楽しめないし。かといって何で時間が過ぎ去るのを待とう……そう思っているとピロン♪っとメールが届いたような音がした。なんだろう?試しにメニューを開いてみると『フレンドメール』って項目が点滅している。開くとそこには運営からのお知らせメールが入っていた。いや、運営からのメールもフレンド扱いなの?


(内容は……第1回公式イベント開催のお知らせ?)


 私は揺れる馬車の中でメールを確認した。第1回イベントの名前は【ガラクタ集め】。詳しい内容は……


ーーーーーー

第1回公式イベント【ガラクタ集め】

▷開催期間

・7月26日(日)12時〜8月2日(日)12時

▷イベント内容

・期間中、特殊ダンジョン『夢の残骸迷宮』が出現。ダンジョンへは広場に出現する門から行くことができます。

・ダンジョン内では特殊なガラクタを拾うことができます。ガラクタはダンジョンクリア後にガラクタポイントに交換され、アイテムや装備と交換できます。

・ガラクタポイントは敵モンスターを倒すことでも獲得できます。強いモンスター程ガラクタポイントは多く獲得できます。

・イベント期間中、自分で作ったものに限り売却時にそのアイテムに応じたガラクタポイントを獲得。イベント素材を使うことでより多くのガラクタポイントを獲得できます。

・ガラクタポイントはイベント終了後にGに変換されます。交換を忘れないようにしてください。

ーーーーーー


 以上がイベントの概要。あとは交換可能アイテムの一例が載ってるけど……その中に覚醒玉が含まれてた。どうやら1人3個まで交換可能みたいだね。


(これはやらなきゃダメなイベントそうだね)


 頑張ってこの覚醒玉は交換しないと。あと装備品もちょっと気になる……主にCAM関係。装飾品とかは特にね。そういえばイベントの装飾品って強化できるのかな?聞こうにも詳しい人が意識飛ばしてるんで聞けないし。


(この暴走馬車降りたら聞こ……)


 だから今は耐えるのみ。私は世紀末な声をBGMに振動を耐えた。そして無事に町に着いた時、私の精神は擦り切れかけてた。次はもう少し遅めの馬車に乗りたいな……ガクッ。


明日からは1日1話となります。

ストック切れたら不定期になります……もう片方の方を優先なんで割と間が開くこともありそうです。

こっちも頑張って書くのでよろしくお願いします

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― 新着の感想 ―
ゲームで移動に1時間って聞くとだるいけどVRだったらそういうもんって割り切れるのかな?
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