表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小悪魔ちゃんのVRMMO  作者: アザレア
第1章 小悪魔のゲームスタート
12/42

第11話



バクバク!バクバク!


 山林の中でがっつくような音がした。目の前には私がお弁当で持ってきていた食料を口一杯に詰め込む草臥れた感じのおじさん。ストレージのあるゲームなのに大きなバックパックを背負っている。バックパックはパンパンで重そうだね……その中に食料は入ってなかったんだろうか?


「いやー助かった……昨日から遭難してずっと食えてなかったからな」


「遭難。ゲームなのにですか?」


 マップあるのに?と思ってるとおじさんは苦笑いしながら教えてくれた。おじさんの職業、サバイバーはマップやストレージという機能が使えない。不便な分、ステータスは良くて職業スキルも強いのが多いので玄人向けらしい。

 今回遭難したのは白紙の地図が無くなったのに気づかず奥まで進んでしまったらしい。なお、ログアウト自体は簡易的な寝床を作れば何処でもできるんだとか。便利だね。


「食料も無かったんですか?随分とパンパンなバックパックですけど」


「あー……これな。さっきも言ったがストレージが使えないからアイテムは全部これに入れなきゃいけねぇんだよ。薬とか予備の武器とか以外は換金額の高い素材が入ってる……生憎、食べられるものは無いんだよな。ニガタケは生でも火を通しても食うと腹壊すし」


 そんなわけで餓死しかけていたらしい。あと帰り道聞かれたから今の場所と方向だけ教えた。一応、コンパスで南東に向かってはいたらしいけどね……それにしてもサバイバー、他人のマップすら見ることができないとは。


「食料と方角教えてもらったしお礼しないとな……なんか指輪いっぱいしてるみたいだし。これをやろう」


 サバイバーのおじさんはそういうと私にべっこう飴みたいな見た目の石を5個程くれた。アイテム名は……トレントの琥珀?


「スプラウトトレントは知ってるだろ?山の上の方に行くと成長したトレントがいる。そいつが偶に落とす素材だ。琥珀は宝石としても扱われるから装飾品のにでも使うといい」


「ありがとうございます」


 なんか食料が高そうなアイテムに変わった。その後、サバイバーのおじさんは町に向かって立ち去っていった……なんか変わった人だったね。


「さてと……私はどうするかな?」


 正直、今のままだとここのボス勝てないよね……メイカ、絶対私と相性が悪いって知ってて何も言わなかったな。戦わせて苦戦するのを期待してた気がする。


「こうなるとlv20になってから攻略した方が良いね……」


 職業スキルと新しい魔法が増やせば楽に勝てるかもしれない。もしダメならそれはそれで一旦攻略を諦める。効率的じゃないなら諦めるのも大事だからね。


「とりあえず一度帰って……森でlv上げしよ」


 ハチとクモで経験値稼ごう。倒し方分かってるからマーダースパイダー周回でも良いし。マーダースパイダーの素材ならメイカも喜んでくれるはず。

 そういうわけで私は山を降りることにした。これならサバイバーのおじさんと一緒に帰れば良かったね……そういえばあの人、ちゃんと帰れてるかな?コンパスとか持ってなかったけど。


「まぁ、大丈夫か」


 そう思い、私はサクッと下山した。


▷▷▷


「キシャァ……」


「よーし、これでlv20……思ったより時間かかっちゃったね」


 サービス開始3日目の午後2時。ハチやクモを倒してなんとかlv20まで上げることができた。マーダースパイダー周回はやっぱり効率良かったね……結構疲れた。


「《目を奪う人差し指》で嫌がらせできるけど、火力無いからね……」


 今回でそこをカバーできると良いんだけど。私はフゥ……と深呼吸をして職業スキルと魔法を確認した。

 新しい職業スキルは《刺激的な初恋(スパークリングラブ)》。新しい魔法は【ウォータースプラッシュ】。効果の方は……


ーーーーーー

刺激的な初恋(スパークリングラブ)

MPを消費し自分のCAMに比例した強酸効果を魔法に付与

常時、強酸への耐性(小)を得る

ーーーーーー

ーーーーーー

【ウォータースプラッシュ】消費MP:25

小分けした水の弾丸をばら撒く

ーーーーーー


 魔法は相変わらずの簡素な説明文だね。そして肝心の職業スキルは強酸……強酸?


「塩酸とか硫酸とか……そういうのだよね?」


 確かに攻撃力は上がりそう。でも具体的にどうなるかイメージし難い……試しに使ってみようかな。使い方はご丁寧に説明文が書いてあった……《刺激的な初恋》を使うとイメージをして魔法を発動させる。これによって新しい魔法の名前が頭に浮かんでくるからそれを唱えれば良い。


「【アシッドショット】」


 私は強酸効果を付与した【ウォーターショット】を発動させる。薄桃色の液体の弾丸が近くの木へと着弾。木の表面からジュワァァァ……と音を出しながら白い煙が上がる。


「MPの追加消費は10。そこまでコストも重くないね」


 なら他の魔法とも混ぜてみよう。そう思ってやった。どれも消費MPは10増加で使ってみた感じは良い感じ……ただ【ウォーターカッター】を強化した【アシッドカッター】はちょい微妙。強酸は【ウォーターショット】みたいな着弾して広がる系の魔法じゃないと弱そう。


「今回増えた【ウォータースプラッシュ】はその点良さげ」


 これは【ウォーターショット】より小さめの弾を5〜8発ばら撒くように放つ魔法。1つ1つの威力は低いけど範囲攻撃としては強い。これポイズンビーの巣に突撃するのも良いかもね。


(その辺、ちょっとメイカに相談してみよ)


 丁度薬も減ってきてたしね。この新しい力を早速試したい気持ちを抑えて私は町に戻った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ