どーも、シーワーズ帝国です
前回のあらすじ
主人公 派手に暴れる
どーも、戦争に割り込んで辻斬りをしているオッサンです。
アンデットや兵士が俺たちの進路沿いにいる限りだけども...仕方ないよね。
「た、助けてくれーーっ!」
うん?なんだあれは。魔力解放に近い技を展開しているが...制御出来ていない。その証拠に、男の周囲はアンデットが魔力解放にあてられて崩れていくのが見てわかる。
「ユリさん、このまま進むとあの魔力暴走の中に突っ込んでしまう。障壁を展開して近づこう?」
「分かりました。あの程度の魔力なら障壁で防げます」
俺たちは魔力解放し暴走している男に障壁の展開を行い近づく。男の周りに兵士などはおらず、アンデットの死体ばかり転がっている。
「おい、俺の声が聞こえるか?聞こえるなら返事をしろ!」
「聞こえます!た、助けてくれ!」
「そのまま魔力を暴走させとけ!その間だけは、お前は安全だ!」
「わ、分かった!俺の魔力じゃない!魔石に込められている魔力が尽きるまで暴走は止まらない!」
男の元に近づき確認すると、剣から魔力解放が起きている。おいおい、この男魔力制御が出来ないのに解放したのかよ。
「やあ、こんにちは。そのまま剣を構えた状態でいろよ?ここで取引きを行おう」
「えっ!た、助けてくれるのでは...」
「別にお前が死のうと俺たちは関係ない。その剣の魔力が尽きたら、お前はアンデットに襲われてアンデットになるだけだ。どうする?」
「わ、わかった!取引きする、するからこの状況をなんとかしてくれ!」
「口ではなんともでも言える。だから、お前には一時的に奴隷になってもらう。それが嫌なら死ね」
「奴隷!?一時的ということは後で解放してくれるのか?」
「もちろん、奴隷から解放してやる。この提案はあくまでもお前の意思確認の為だ。受け入れるか?」
「受け入れる!頼む、助けてくれ!」
俺はマジックバックから奴隷商人が持っていた鎖を取り出し男の腕に巻き付ける。これは、奴隷契約する際につける物とユリさんが実体験を元に話してくれた。効果は契約した者に従わない場合や契約違反の行動をした場合、鎖から電流が流れ動きを制限するらしい。
「主人は俺になっている。ユリさん、ここ周辺一帯を砂で隠せる?」
「それは出来ますが...あっ!そういうことですか。分かりました」
『風の精霊様、お力をお貸し下さい』
『吹き上げて!砂嵐』
これで俺たちのことを認知する者がいないだろう。取引きを始めるか。
「お前は、精霊魔法を使用したことに何か思うことがあるか?」
「あ、ああ。知識はある。精霊魔法は人族では扱うことが困難...エルフ?」
「そう、俺の隣にいるのはエルフ族。この情報は誰にも話すなよ?精霊様に誓ってもらうからな。風の精霊様の契約をもし破ったら首が飛ぶ。いいな?」
「分かった、精霊様に誓う!あとは、何を誓えばいいんだ?」
「話が早くて助かるよ。俺たちの情報全て、他者に伝えないこと。それは何かに記すことも許さない。簡単に言うと、他言無用というわけだ」
「ケンさん、この男に風の精霊様の契約をさせれば良いのですね?この砂嵐を維持出来なくなりますが...」
「こいつが持っている剣の魔力解放を地面に当てればなんとかなると思うから、契約よろしく頼む」
「分かりました。そこのお前、私はケンさん以外の生物に興味がないから初めに伝えておくわ。私たちに害をなそうものならお前が生きていたことを後悔させるまで痛めつける。いい?これは約束よ?」
俺は、男から剣を受け取り魔力解放を地面に向かって放つ...っておい!この魔力に見覚えあるぞ。ガンツめ、この剣のことを隠していたな。俺は、剣に魔力を流す。
『舞え、そして吹き荒れろ!魔力解放!』
ドス黒い魔力が辺り一帯を包み込む。その魔力に触れてしまったが最後、アンデットは消滅していく。
この剣、単発で魔力解放が出来る代物だな。現に魔石に込められていた魔力が失われて色が変化していく。深紅から徐々に色が褪せていく。
『汝、名前を』
お?精霊の契約が始まったみたいだな。
「私の名前はグランツです」
『グランツ。お前は私たちが課した条件を受け入れ
契約を結ぶことに相違ないな?』
「ありません、あなた方お二人のことは決して口外致しません」
『風の精霊様、承諾を頂きました。この者に契約の印をお願いします』
男の首筋に精霊様の印が刻まれる。
精霊様が俺を見て、手振りをしている。うん?前に渡したスポーツドリンクのことか?
「少しお待ちくださいね。えっと、あったあった。はい、この前のものと同じです」
剣を持っていない手でマジックバックを漁り、精霊様にスポーツドリンクを渡す。それを受け取った精霊様は手を振り消えていった。
「精霊様、大変気に入ったようですね。私と初めて会った時もそうでしたが、精霊様が視えるケンさんは才能がありますよ」
「時間があれば精霊魔法を習得してみるよ。それより、契約は済んだ?」
「はい、無事契約が完了しました」
「ありがとう、ユリさん。あと、鍵を渡しておくね。そこのお前、グランツと言ったな?約束通り奴隷から解放するから」
ユリさんは、俺から鍵を受け取りグランツの鎖を解除する。
「ここから、助かるのか?」
「ああ、約束は守る。お前をこの場から助けてやるよ。そういえば、お前がいた国の名は?」
「シーワーズ帝国。俺はしがない商人だったが、今回の魔人との戦争で徴兵させられ前線で戦って...違うな。死んでもいいから食い止めろっていわれたよ」
「へぇ...そんな命令無視して逃げればいいじゃん」
「それは、出来ない。騎士に見せしめとして嬲り殺される。私の友人は何人も殺されたよ。だから、私は従うほかなかった」
「そろそろ、魔石の魔力がなくなる。グランツ、そこに死んでいる2人の兵士の鎧を剥ぎ取れ。剥ぎ終わったらユリさんに渡して」
グランツは、兵士の鎧を剥ぎ取りユリさんの近くに置く。ユリさんは鎧にクリーンの魔法をかけ装着する。
「ケンさん、鎧を装着しましたが...兜も被った方がいいですか?」
「被って。被り終えたらこの剣を渡す。そのあと、俺が装備するから少しの間よろしく頼むね」
ユリさんに剣を預け、俺は素早く鎧を装着する。人が着た鎧とか正直気持ち悪いけどこの際仕方ない。
「装備完了。ユリさん、帝国側の方へ剣を投げちゃって。その剣、もうじき派手に爆発するから」
「はい、分かりました。えいっ!」
ユリさんが思いっきり投げた剣が遠くまで飛んで、落ちたと同時に爆発が起きた。今のうちに...
「グランツ、走れる?敵は、俺たちが排除するから離せるなよ」
「わ、分かった。よろしく頼む」
綺麗なお辞儀するやつだな。こいつからは色々聞きたいことがあるから守ってやらないといけない。
俺たちは、先程の爆発とは別の方角へ走りだす。兵士に偽装しているから、なんとかなる。はあ、早くゆっくりしたいよ。
次回 苛立ちと醜さ




