49話 門番と番犬。
エリエの町まで半日で着いた。
フブキ様の御守りのおかげか一匹の魔物にも遭遇しなかった。
良かったが、まじで拳銃を購入する必要なかったな。
エリエの町に着いた時に驚いたのが、門番がいた事だ。
王都には居なかったかったからな。
そういえば、ソプラノ村にも居たな。
「ガウ!ガウ!ガウ!」
犬が吠えた。
犬だよな?
デカいブルドッグにしか見えない。
ブルドッグって大型犬だっけ?
子供なら乗れそうな大きさだぞ。
「お前達、ちょっと止まれ」
門番に止められた。
まあ、あんなに番犬が吠えたらそうだよな。
「お前達、その押しているのはなんだ?」
「これはマウンテンバイクっていう乗り物です」
俺の祝福ネットショッピングは、収納機能無いんだよな。
収納機能付いていたら便利だったのに。
「マウンテンバイク?聞いた事が無いな。」
興味津々で見てくる。
早く入りたいのですけど。
「あの……」
「ああ、すまん。番太が吠えたもんだからな」
「ばんた?」
「ああ、こいつの名前だ」
「可愛いですね」
「だろ」
番犬の番太。
見た目は大きいブルドッグ。
……俺には何処が可愛いのか、一ミリもわからない。
女子から見れば可愛いのか?
「こいつはな、俺の召喚獣なんだ」
成る程、召喚魔法か。
「身分証は持っているか?」
冒険者カードではなく、王都滞在中に作って貰った身分証を見せる。
なお、冒険者のランクも一ツ星にあがった。
ユニケルのギルド長が一応約束を守ってくれたみたいだ。
冒険者として、活動する気は一切ないのでどうでも良いが。
「ん?」
門番が俺の身分証を二度見する。
「これは貴族様でしたか。無礼な態度失礼しました」
物凄い勢いで謝罪してきた。
まあ、自分で言うのもなんだが貴族には見えないよな。
身分証は偽装出来ない様になっているみたいなので、
信じてくれたみたいだ。
「気にしないで下さい、ただの成り上がり貴族ですので」
「いえ、本当に申し訳ごさいません」
「本当に気にしないで下さい。この人が貴族に見えないのが悪いのですから」
君もだよ。
「その証拠に普段は間違えないですよね?」
「貴族の方は普段、北の門を利用しますので」
「え?ここは?」
「こちらは南門です」
すみません。
やっぱり俺が悪かった様です。




