48話 出発
『エリエ』これが俺達の向かう町の名前らしい。
この町はソプラノードの領では無いらしい。
ここから1日ぐらいの距離だそうだ。
業者も来ることから、道もそれなりに整備されている。
「道中、魔物出たらどうしよう?」
稲葉さんが一番の心配点を呟く。
戦闘力0の勇者の集まりだからな。
だからって、ほんの少しぐらいは俺を頼ってもいいんじゃない?
なんだ、そのジト目は?
確かに頼られても、困るが。
「稲葉ちゃん、これを持って行くと良いわ」
フブキ様が何か渡す。
なんだ?
「これは、私の鱗よ。
この辺りの魔物なら寄って来なくなるわ」
フブキ様もなんだかんだいって面倒見良いよな。
良く考えたら、この人が世界最強じゃね?
もしくは、まだ見ぬ魔王の奥さんか?
貰った鱗は、
成る程虫除けスプレーみたいなもんか。
それとも、強い動物が縄張り争いで小便するみたいなかんじかな?
「あれ?俺には、くれないのですか?」
「なんだか、貴方は失礼な事考えてそうだったしね」
心を読まれた!?
「あっ、いちじょー。
おとーさまと、おんなじようなかおしてるー」
竜王様もフブキ様に心を読まれているのかな?
結婚って大変だな。
それから、俺はマウンテンバイクを2台購入する。
ロードバイクとマウンテンバイクの違いって何だろう?
まあ、どっちでもいいか。
まあ、車のほうが良いが、免許がない。
この世界で免許なんかいらないだろうが、
運転の仕方がわからん。
「一条、それはなんじゃ?」
「シャルのに、にてる~」
マウンテンバイクに跨がってみる。
う~ん。乗りにくいな。
そういえば、マウンテンバイクなんて初めて乗ったな。
ママチャリで良かったか?
「一条、マリーも欲しいぞ」
お金は……
フブキ様は……出してくれませんよね。
1台購入と。
忘れ物はないな。
では、出発。
「稲葉ちゃん気をつけてね」
「稲葉ちゃん、何かあったら電話してね」
「稲葉ちゃん、何かあったら一条君を盾にして逃げてね」
俺の扱い酷いよね。……出発。




