34話 到着
フブキ様の背中に乗り連れて行かれた自分の領地。
なんというか……村じゃねぇかよ。
しかも一つしかない。
その他は未開拓の森。
幸い海も近いようだ。
「じゃあ、頑張ってね」
「ありがとうございます」
保護魔法を掛けて貰っていたので、
シャルティア様に握られて空を飛んだときよりは、
まだましだったといえ、疲れた。
他の皆も同じ様だ。
前もって女王からの連絡があった様で、村長が出迎えに来てくれた。
それにしても、馬車で40日も離れた所に、
前もって連絡してあったって事は、だいぶ前に決まっていたのか?
違った様だ。
魔道具で連絡があった様だ。
こっちの世界にもスマホの様な物があったんだな。
後で見せて貰おう。
「ようこそいらっしゃいました領主様。
私はこの村の村長をしています、サンタナと申します」
恐らく40歳ぐらいの男だった。
村長にしては、若いな。
俺の偏見か?
「初めまして、ミツル=イチジョーです。
宜しくお願いします」
他の四人も自己紹介をつづける。
因みにこの領地には、勇者5人全員で来た。
なんだかんだいって、最近では皆打ち解けて来た。
まあ、この境遇だからな、自然と打ち解けれた。
「さあさあ、領主様。
お疲れでしょう、休める所を用意してますので、こちらにどうぞ」
村長に連れられて行く間に、この村の情報を聞く。
前もってある程度調べて来た情報と間違いがないかの確認だ。
人口はおおよそ300人。
村にしては多いと思うが、その内の100人ぐらいは兵士だ。
ここは、魔王国、竜族の国に近く、国境の警備に派遣されているそうだ。
名産品などは無く、主に自給自足をベースとし、作った作物を近辺の街などに販売している。
そんな場所に俺が領主になった。
さて、どんな領にしよう?
まずは村を見て回ろう。




