23話 竜王アースその5
本日2話目。
おかげさまで総合ポイント700越えました。
ありがとうございます。
空を飛びたいと思った事がある。
もう二度と言わない。
実際に飛ぶとこんなにも辛いとは。
幸いに10分程度で着いたので、生きている。
相楽さんは?
大丈夫そうだ。
ギリギリだが……
王都に近付くにつれて、冒険者と思われる奴らに攻撃されたが、尻尾でペチンと一撃で沈んだ。
死んだか?
王都。
もう、戻って来ないと思っていたのに早い帰還だったな。
むしろ遠ざかっていたつもりなのに……
俺は竜王アース。
結構ピンチな状態である。
魔法が使えなく、勇者に囲まれている。
こんなひよっこ共、魔法が使えれば簡単に蹴散らせるのだが。
魔法が使え……る?
体の魔力が戻っている。
試しに一発使ってみようではないか。
建物が壊れたら、生き埋めになってしまうから、優しく撃ってみるか。
まあ、生き埋めになっても死なんがな。
だが、妻が怒るであろうからな。
【百獣使い】の勇者のひよっこが俺に、精神支配をしようとしているが、そんなもの俺の保護魔法の前には……ちょっと心配なので少し強化しておく。
「蜥蜴の王よ。我が前に跪け。……どうした早くしろ」
「何で私が貴様みたいなガマガエルに、跪かなきゃならん」
「おい。百獣使いの勇者よ。どういう事じゃ!何故こやつは膝まづかん
?」
「それが……」
「魔法が使えない、蜥蜴なんて少し頑丈なだけの人間変わらんだろ!」
「魔法なら使えるぞ、ほら『竜光弾』」
この魔法は娘が「ビーム!ビーム」と喜ぶのでお気に入りなのである。
ちゅどん!
「ん?」
「ん?」
「ん?」
「どうかしたのか?」
「何故!貴様魔法が使えるのだ!結界の勇者が結界を張っているはずじゃぞ!」
俺に言われても困る。
竜王にもわからない事ぐらいあるのだ。
ドカンッ!
壁が吹っ飛ぶ。
新たな敵襲か?
「シャルが、おたすけにきましたー!」
世界一可愛い我が娘が目の前にいるではないか。
何故、シャルティアがここに居るのだ?
隣から不穏な空気が。
いや、世界一可愛いのはお前だぞ、フブキ。
もしかして妻はテレパシーの魔法の使い手と思ってしまう時が、時々ある。
何故だろう。
もしかして、本当にテレパシーの魔法が得意なのか?
ただの女の勘ですか。
そんな事より、無事だったかシャルティアよ。
真っ直ぐに妻の元に行くのはちょっと寂しい。
護衛の者達も無事そうだな。
ん?
隣に弱男もいるじゃないか。
どういう事か、説明が欲しいのである。




