告白
何事もない日が続き、1学期もあとすこしで終わるころ、今まで何も聞かなかった桜井さんが少し遠回しにしてついに聞いてきた。
「最近は、学校で何もされてないか。」
僕はドキッとした。
「な、なんで。」
「前みたいに暴力振るわれてて、それを隠しているんだったらなんか悲しいなと思ったからな。」
「前...な、何言ってるの。僕はあの時は階段から落ちただけで...」
「階段から落ちただけじゃあんな痣、できるはずねえ。どう見ても殴られてできたものにしか見えねえよ。」
僕は何も言えなかった。
「やったのは山田ていう奴だと思うが、あんなのにお前が負けてるのが悲しくてな。あと、それを気を遣って隠しているんだったらそれはそうさせた俺の責任でもある。」
僕はしばらく黙ってうつむいていたが、話すことにした。
「パパとママには言わないでね。心配かけたくないから。」
そして僕は4年生のころからクラスの一部の人からいじめを受けていることを全て話した。桜井さんは黙って聞いていて、僕の話が終わったあとすこし間を置いて、
「なるほどな。」とだけつぶやくように言った。
「僕が強ければ、こんなことされずに済むのにな。」と言った。桜井さんは、
「俺が強くしてやることはできなくない。けれど、拓哉にそういったことをさせたくない。」と言った。僕は、
「なんでさせたくないの。」と尋ねた。
「争いは争いをうむだけだ。何の解決にもならない。それに、山田と同じになってほしくない。」
「それじゃあ何も解決しないよ。」僕は少し声を荒らげた。桜井さんは落ち着いて言った。
「手を出さずに勝つ方法は1つだけある。」




