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エターナル・コネクト 〜陰キャの俺がゲーム世界に転生したら〜  作者: K
第1章 プロローグ

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3/3

第3話 万物創造と虹彩の種子で全裸サバイバルから脱却する

第3話をお読みいただきありがとうございます!


エタコネの世界に放り出された8歳の二人。

服もない、武器もない絶体絶命(?)の状況で、ついに二人のユニークスキルが火を噴きます。

「全裸サバイバル」の結末をぜひ見届けてください!



「あっ!そうだ、佐藤(さとう)くん!」

「ん?」


これからどうすべきか、青い空を見上げながら頭を悩ませていると、陽菜(はるな)がパッと顔を輝かせた。何か良いアイデアを思いついたようだ。


「佐藤くんのユニークスキル、『万物創造(オーバー・クリエイト)』で服を作れないの?」

「そっか……!」


 圭は目を見開いた。確かに、作れるかもしれない。

説明には『触媒』が必要とあったが、試してみる価値は十分にある。もしかすると、膨大な魔力だけで強引に生成できる可能性もあるからだ。


(転生前のレベル200の半分が引き継がれてるんだ。魔力量だけは腐るほどあるはずだからな!)


 圭はそう結論づけ、頭の中で子供用の簡素なシャツとズボンを強く想像しながら、「万物創造(オーバー・クリエイト)」と声に出して発動した。


すると、直接脳内に無機質なシステム音声が響いた。


《触媒を用意してください》


「……やっぱり、そんなに甘くないか」

「ええ〜。服、作れないの?」


 圭が結果を報告すると、陽菜はあからさまに肩を落として落ち込んだ。リア充女子にとって、全裸のまま平原に取り残されるなど耐え難い苦痛だろう。


ガサガサッ。


その時、すぐそばの草むらが不自然に揺れ、何かが這いずるような音が響いた。


「きゃあああああっ!」


陽菜が悲鳴を上げ、弾かれたように圭へと抱きついてきた。一糸纏わぬ柔らかな体が密着するが、今の圭にその感触を味わっている余裕はなかった。

草むらを掻き分けて姿を現したのは、半透明の青いゼリー状の魔物——。

おそらく、エタコネにおける最弱のモンスター、『スライム』だろう。


「何、何、何!? あれ、すごく気持ち悪いよぉ!」

「多分スライムだよ。エタコネの初期モンスターだね」


レベル200の半分のステータスを持つ今の二人なら、指先でつつくだけでも容易に倒せるだろう。

とはいえ、相手は粘液に覆われた不気味な魔物。こちらは全裸で武器もなく、素手であのブヨブヨした体に直接触れて攻撃するのは、精神的にかなり躊躇(ためら)われた。


「えっと……七瀬さんのユニークスキル、『虹彩の種子(プリズム・シード)』で倒せないかな?」


素手での打撃を避けるため、圭は陽菜に提案した。


「や、やってみる。『虹彩の種子(プリズム・シード)』!」


 陽菜が泣きそうな声でスキル名を発動すると、彼女の頭上にふわりと、光り輝く種のような物体が5つ出現した。


「何それ?」

「さ、さあ……? でも、自分の手足みたいに自由に動かせるよ」


 陽菜がそう言うと、5つの種は彼女の周囲を衛星のようにくるくると回り始めた。


「とりあえず、あれをぶつけてみる?」

「うん、やってみる!」


 陽菜が視線でスライムを睨みつけると、種の一つが弾丸のような凄まじいスピードで飛翔した。

バチンッ! という破裂音とともに種がスライムに直撃し、最弱の魔物はあっけなく霧散(むさん)して消滅した。


《レベルが上がりました》


即座に圭と陽菜の脳内にガイダンスが流れる。たった1匹倒しただけでレベルが上がったのだ。『リリィの加護』による経験値3倍の恩恵は想像以上に大きいようだ。


「ねえ、これは魔石かな?」


スライムが消えた跡には、小さな石ころが落ちていた。陽菜がそれを拾い上げて圭に見せる。

 魔石とは、魔物を倒すと一定確率でドロップする換金アイテムだ。強い魔物ほど純度が高く、高値で売れる仕組みになっている。


「これ、服を作る時の触媒に使えないかな?」

「やってみる」


 圭は陽菜から魔石を受け取り、再び『万物創造(オーバー・クリエイト)』を発動した。


《触媒の数量が足りません》


またしてもシステム音声が拒絶を告げる。


「数が足りないってさ」

「じゃあ、もっとたくさん集めたらいいのね!」


 圭の報告を聞くや否や、陽菜の瞳にギラリと闘志の火が灯った。そのまま勢いよく駆け出していく。

周囲を見渡せば、平原の所々にスライムが湧いているのが確認できた。陽菜は宙に浮く『虹彩の種子(プリズム・シード)』を巧みに操り、次々と遠距離からスライムを狙撃していく。


(……すごい執念だな)


 圭は呆然と立ち尽くしていた。陽菜はスライムを倒すのに夢中で完全に意識の外にあるようだが、彼女は全裸のまま野原を跳ね回っているのだ。相当、服が欲しいのだろう。


「これだけあったら、足りるかな!?」


しばらくして、陽菜が20個ほどの魔石を抱えて戻ってきた。今の猛攻で、二人のレベルはすでに4まで上がっていた。


「やってみるね」


 圭はスライムの魔石に触れながらスキルを使用する。すると、魔石を5個を消費して、淡い光とともに子供サイズの無地のシャツとズボンが1着ずつ生成された。


「出来たよ!」

「やったぁっ!」


 圭が完成した服を渡すと、陽菜はひったくるように受け取り、急いで袖を通した。


「ふぅ……これでひとまず安心ね」


 陽菜は心底ホッとしたように胸をなで下ろす。そして、視線を上げて圭を見た瞬間、その動きがピタリと止まった。


「え、えっと、佐藤くん……早く……てよ」

「え? 何?」


もごもごとした声が聞き取れず、圭が聞き返すと。


「だ、だから! 佐藤くんも早く服を作って着てって言ってるの!!」


 陽菜が顔を真っ赤にして怒鳴りつけた。自分が服を着て冷静になったことで、目の前に同級生の男子が全裸で立っているという異常事態を再認識したのだ。


「ご、ごめん!」


 圭は慌てて魔石を消費し、自分の分のシャツとズボンを生成して身につけた。これでようやく、二人とも一安心である。


「佐藤くん、これからどうしようか?」

「とりあえず、あっちに見える村に行ってみない? スライムがいるってことは、この辺は初期村の周辺だと思うんだ」

「初期村ってことは……レーンの村?」


ここが間違いなく『エタコネ』の世界であるなら、陽菜の言う通り、遠くに見えるのは冒険の始まりの地、レーンの村だろう。大きな村ではないが、宿屋や冒険者ギルドの支店は揃っているはずだ。


「寝るところも必要だし、まずは行ってみようか、七瀬さん!」

「あ、ちょっと待って、佐藤くん」

「ん?」


歩き出そうとした圭を、陽菜が呼び止める。


「え、えっと……これからは一緒に行動することになると思うから、その『七瀬さん』って呼び方はやめないかな? ハルのことは、普通に『ハル』って呼んでいいから」

「……わかった。じゃあ、僕のことも『ケイ』って呼んでよ」

「うんっ! よろしくね、ケイ!」

「よろしく、ハル!」


こうして、身なりを整えたケイとハルは、最初の目的地であるレーンの村へと足を踏み出すのだった。


第3話までお読みいただきありがとうございました!


ようやく服が手に入り、一安心の二人です。

そして、お互いを「ケイ」「ハル」と呼び合うようになり、二人の絆がぐっと深まった回になりました。


もし「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけたら、

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