試験終了
面接室を出たエデンは、廊下の突き当たりにある受付へと案内された。
机の上には、小さなケースが置かれている。
「お預かりしていたラベジニウムです。確認してください」
係員の言葉に、エデンはケースを開けた。
そこには見慣れた黒色の石。
手に取った瞬間、頭の奥に声が響く。
「……戻ってきたか」
荘厳で低い男の声。
ケイだ。
「見ていたぞ、よく頑張った。」
「え......俺、預けてたんだけど......見えるの?」
驚きながら尋ねる
「契約をしたからな.....話せはしないが視認はできる。」
「そう.....見ててくれたんだな」
「ありがとう」
エデンは小さく息を吐く。
急に全身の力が抜けた気がした。
「……疲労が大きいな」
(うん……正直、限界かも)
「当然だ。極度の緊張と連続試験。人間の身体には負担が大きい」
係員が続けて説明する。
「本日の試験は以上です」
「合否については後日、改めてご連絡いたします」
つまり――今日は結果は分からない。
エデンは深く一礼した。
「ありがとうございました」
外に出ると、夕方の空気が肌に触れた。
ようやく終わったという実感が湧いてくる。
帰り道の記憶は、正直あまり残っていなかった。
電車に乗り、歩き、家に着き――
玄関のドアを開けた瞬間。
どっと疲労が押し寄せた。
「……ただいま……」
靴も揃えきれず、部屋に入り、ベッドに倒れ込む。
服もそのまま。
意識が沈んでいく
「エデン....おかえりなさい」
母は布団をかける
布団の温もりを感じながら、エデンは眠りにつく




