221話
シンと静まり返った中私は慌てて青龍様を2人に紹介した
「こっ、こちらはアリアステ様の使徒、せ、青龍様です」
「「は!?」」
「ぷっぷちゃんの番と言う事で一緒に来ていただきましたの。青龍様、こちらがディラン殿下の育ての親のリシャールさんで、こちらはラッサ将軍です」
「はぁ…リシャールです」
「えっと…私は将軍職を預かっておりますイザーク・ビィ・ラッサと申します。以後お見知りおきを…」
一歩前に出て跪き口上を述べているラッサ将軍に
「我のぷっぷと会話し心情を察すると言うのは誠か?」
「はい?いえいえ、私などには知り得ないと言うかおこがましいと申しますか、さっぱりわかりません」
「ほう…嘘偽りはあるまいな?」
「もっ、勿論ですとも!」
「ならば踏み潰すのはやめよう」
踏み潰す!?
「…何か踏み潰されるような事を私はいたしましたか?」
「当たり前の事を聞くな。ぷっぷと心が通じ合うなどあるまじき行為。看過するはずなかろう」
ぷっぷちゃんの通訳だったのに心が通じ合うに変換されている!青龍様の嫉妬心恐ろしすぎるわ。
チラリとぷっぷちゃんを見ると
「ぷっ」
何故か目を輝かせ鳴いた。途端に青龍様はこちらを振り向きぷっぷちゃんに優しげな声で
「心配するな。お前の目の前で踏み潰す訳なかろう」
見えない所でなら潰すのね!?私達は目配せをし合い頷き合った
「青龍様、ここまで送ってくださりありがとうございました。良かったらぷっぷちゃんとドレナバル観光でもして下さいな。私達ちょっと打ち合わせがございますの。オホホホ」
言いながら首元のぷっぷちゃんを外し青龍様の足元に置く
「じゃあぷっぷちゃん。また後でね」
「ぷ!?」
返事を待たずその場をものすごい速さで歩き抜ける。
ラッサ将軍は青ざめた顔で
「な、何か失礼な事でもしてしまったのか?」
「大丈夫だ。何も気にする事はない」
ポンと肩をたたき殿下が答えた。
そうよね、アリアステ様の使徒である青龍様が嫉妬で踏み潰そうとしていたなんて誰も言えない。
殿下は建物の入り口付近で後ろを振り返り2人?が前に進んでいるのをジッと見ていた
「ディラン殿下?」
「あ、あぁ。何だ?」
「あの2人が何か?」
「あ〜…いや……………何でもない」
うん?何かしら…物凄く長い間が。でも殿下はそれ以上何も言わず扉を開け中に入った
「ナ、ナディア様〜〜」
「フグッ!」
扉を潜った瞬間硬い何かが私にぶつかってきた
「グレタ!?」
あぁそんなに離れていた訳でもないのに凄く懐かしいわ!
「ナディア様ナディア様ナディア様!ご無事で良かったです!」
言いながらギューギュー抱きしめてくる。く、苦しい…一生懸命グレタの背中を叩くと
「そこまでですグレタ。それ以上抱きしめたらナディア様が骨折してしまいます」
エアリーが私からグレタを引き離してくれた
「あああー!すみませんナディア様!嬉しさのあまりつい…」
「だ、大丈夫よ。心配をかけてしまってごめんなさいね」
何だかグレタがいかつくなっているような?
「はい。いきなりいなくなってしまってどれだけ心配した事か」
「そ、そうよね。本当に悪かったわ。それよりグレタ…」
言葉に詰まってしまった。裏若き乙女にいかつくなったとは言えない
「えっと…何か着ているのかしら?」
色々な衣装を作っているグレタですもの。きっとそうに違いない
「え?普通の侍女服ですよ。嫌だナディア様侍女服忘れてしまったのですか?」
え?どうしましょう。太ったとも違うグレタの体型は何と言えばよいのか…
「よう!ナディア!おかえり〜」
答えに悩んでいたら今度はアイラさんに抱きつかれた
「アイラさん、ただいま!心配かけてごめんなさい」
ナイスタイミングだわアイラさん!
「本当だよ!いきなりいなくなるからパニックだったよ。でもさ見てみてよ。このグレタの肉体美。ナディアがいなくなって心配のあまり鍛錬に鍛錬を積んだ筋肉!」
え?このいかつさは筋肉なの?グレタは侍女なのに
「ナディア様に何があってもお守りできるようアイラさんに鍛えていただいたのです!」
「そ、そう…とても素敵な肉体ね…」
どうしましょう。グレタの暴走が加速している気がする。以前護衛も兼ねた侍女になると宣言をしていたけれど、そこかしこに居る兵士と大差ない筋肉…ここは止めるべきか、努力を褒めるべきか
「グレタは本当に頑張っていたのですよ。私も度々鍛錬に付き合わされて。ハハハ」
乾いた笑いのラッサ将軍
「魔力を効率良く筋肉に流す方法は僕が教えたんだよ。いや〜凄ましかった…」
遠い目をしながら語るリシャールさん
「いや、侍女服の上からでも分かる上腕二頭筋…素晴らしいな」
え?殿下ベタ褒め…いいの?グレタをこのまま放置して
「新しく護衛侍女と言う役職を作ろう。セラ、至急書類を整えろ」
殿下は私に振り返り
「良かったな。ナディア!これでまた強い味方が増えたぞ」
良い事なの?もう色々わからない…けれどここはドレナバル。やっと帰ってこれたのだと初めて実感した




